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キャリコンがキャリアに悩むのは当たり前

「キャリアコンサルタントがキャリアに悩むなんて、勉強した意味ないんじゃないの?」と言われてしまいました…

それも「キャリコンあるある」ですね。

あるあるなんですか?そういわれてしまうと何も言い返せなくて…

一般の人や知識の浅い人、そして時々いる「資格を貶めたいだけの人」は「キャリコンがキャリアに迷っているのは本末転倒」的なことを言いますが、そうではありません。

はい…
ジェラットの積極的不確実性理論と自らのキャリア選択

自分のキャリアだろうが、クライエントのキャリアだろうが、知識や経験の有無にかかわらず、どうするのがベストかなんて、誰にも分かりません。
だからみんな迷うんです。
例えば、田村さんのお友達が「大きな地震が起きる夢を見た。だから仕事を辞める」って言ったらどうでしょう。

それはちょっと、考えすぎというか、考えてないというか…

そうですよね。傾聴を学んだ人でなければ、さすがに受容しづらいと思います。

はい…

では、言い方を変えますね。
そのお友達が「5年前」、こう言っていたらどうでしょう。
「変なこと言うんだけど聞いてくれる?東京五輪をテレビで見ている夢を見たんだけど、なぜか2020年じゃなくて、2021年だったの。
で、不思議に会場には観客がいなくてさ…選手しかいないの…選手もみんなマスクをしていて…五輪なのに変よね。
それでね、もっと怖かったのが、その2021年東京五輪が終わってしばらくしたら、大きな地震が起きたのよ。」
この「5年前の友人の夢」をふと思い出したとして、田村さん自身のこれからのキャリアを描くことができるでしょうか。

それはちょっと不安ですけど、さすがにそれだけでは難しいです。

そうですよね。うんうん。ではさらに、このお友達が「4年前」にも、こんな夢の話をしていたらどうでしょう。
「お茶する夢を見たの。だけどすごく変なのよ。町にいる人がみんな、夏なのにマスクしてるの。もちろん私も…
でね、スタバにいるんだけど、みんなマスクずらしてストローでお茶してるの。おかしいわよね笑
それでさ、私が咳をしたら皆こっち見て、とっても嫌な顔するのよ。」
いかがですか?
田村さんは、この「5年前と4年前の友人の夢」に基づいて、キャリアを描くことができるでしょうか。

分かりませんが…夢の通りになっているのが、1つじゃなくて2つって、かなり怖いです…予知夢っていうやつでしょうか…

そうですよね。そして、「その感情(直感)に基づいてキャリア選択をしよう」と言っているのが、ご存じ「ジェラット」です。彼は「左脳(理屈)」ではなく「右脳(直感)」で意思決定しろと言っていますよね。

確かにそうですね…

田村さんはジェラットの理論である「積極的不確実性に基づくキャリア選択」を知っています。
が、田村さんが「積極的不確実性理論」に基づいて「自らのキャリア選択ができる」かどうかは別問題。

なるほど…

「キャリア理論を知っていようがいまいが迷う」つまりキャリアコンサルタントがどれだけキャリアに関する理論を勉強していても、迷うときは迷う。当たり前のことですね。
キャリア理論やキャリア情報は「道しるべ」であり「目標」ではない。

良くわかりました。キャリア理論はあくまで自らの道しるべの一つなんですね。

まさにそういうことです。「キャリア理論や労働市場情報とかって、道しるべだから。道しるべがあっても、どこに行きたいか迷うのは当たり前でしょ。道しるべは『目標やゴール』じゃないから。」今度はそう言ってあげてください。

はい!

キャラ変わっとるやないかーーい!