理想のライフスタイルを実現する、キャリ魂塾のキャリ魂太郎です。

このエントリーでは、守秘義務の解除が必要となる法令をご紹介しています。

守秘義務の解除は、自傷他害の恐れ、司法手続き、だけではない。

守秘義務が解除されるのは、キャリアコンサルタント養成講習では、基本的に、

・クライエントによる自傷他害の恐れ
・裁判などの司法手続き

などを学びます。

しかし、これ以外にも「法令による守秘義務の解除」があります。

こういった手続きは、完全に養成講習ではノーマークになっているのですが、実務的には非常に重要となります。

法令による守秘義務解除要請がある例

では、どのような法令が、キャリアコンサルタントに対して守秘義務を解除することを求めているのでしょうか。

ケース1

CL:私、働きたいんです。

CC:働きたいんですね、そう思われたのはどうしてですか?

CL:実は、主人が半年前に会社をクビになったのですが…それからずっと仕事が見つからなくて、2~3か月くらい前から、私に暴力を振るうようになって、もう家に少しでも居たくないんです。



来ました、これが「守秘義務の解除」が法的に要請される事例です。

これは、DV防止法にその根拠があります。

第6条 配偶者からの暴力(配偶者又は配偶者であった者からの身体に対する暴力に限る。以下この章において同じ。)を受けている者を発見した者は、その旨を配偶者暴力相談支援センター又は警察官に通報するよう努めなければならない。

引用:DV防止法

更に、DV防止法は、第6条第3項において、このように追記しています。

3 刑法(明治四十年法律第四十五号)の秘密漏示罪の規定その他の守秘義務に関する法律の規定は、前二項の規定により通報することを妨げるものと解釈してはならない。

引用:DV防止法

つまり、

「職業能力開発促進法に基づく、キャリアコンサルタントの守秘義務規定は、このDV防止法に劣後する。キャリアコンサルタントにも守秘義務があるからといって、通報することをためらうな」

と指示しているんですね。

そして、このDV防止法第6条は、努力義務ではありますが、キャリアコンサルタントは国家資格者(専門家)ですから、一般的市民よりも高いレベルで法令を遵守することが求められます。

つまり先ほどのケースでは、「キャリアコンサルタントは、守秘義務を解除してDV被害が生じていることを通報しなければならない」のです。

ケース2

CL:私でも働けませんかね…どんな仕事でも良いんですが…

CC:働きたいんですね、もう年金も受給されているし、介護施設に入居もされていて、生活には不自由がないと仰っておられましたが…そう思われたのはどうしてですか?

CL:実は、その介護施設の職員の方に、ずっと無視されているんです。ここ1か月、何を話しかけても目も合わせないし、お願いしたこともしてくれなかったりで辛くて…

この間は、私の大事にしていた主人の写真を勝手に処分されるし…あと通帳なども隠されていて、自由になるお金がなくて不安なんです。


これも、「守秘義務の解除」が法的に要請される事例です。

この法律において「養護者による高齢者虐待」とは、次のいずれかに該当する行為をいう。
一 養護者がその養護する高齢者について行う次に掲げる行為
イ 高齢者の身体に外傷が生じ、又は生じるおそれのある暴行を加えること。
ロ 高齢者を衰弱させるような著しい減食又は長時間の放置、養護者以外の同居人によるイ、ハ又はニに掲げる行為と同様の行為の放置等養護を著しく怠ること。
ハ 高齢者に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応その他の高齢者に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。
ニ 高齢者にわいせつな行為をすること又は高齢者をしてわいせつな行為をさせること。
二 養護者又は高齢者の親族が当該高齢者の財産を不当に処分することその他当該高齢者から不当に財産上の利益を得ること

引用:高齢者虐待防止法第2条第4項

第7条 養護者による高齢者虐待を受けたと思われる高齢者を発見した者は、当該高齢者の生命又は身体に重大な危険が生じている場合は、速やかに、これを市町村に通報しなければならない。
2 前項に定める場合のほか、養護者による高齢者虐待を受けたと思われる高齢者を発見した者は、速やかに、これを市町村に通報するように努めなければならない。
3 刑法(明治四十年法律第四十五号)の秘密漏示罪の規定その他の守秘義務に関する法律の規定は、前二項の規定による通報をすることを妨げるものと解釈してはならない。

引用:高齢者虐待防止法第7条

ここでも、国家資格者の守秘義務規定を上回る要請が強調されています。

このケースでは、市町村に速やかに通報することが求められます。

その他、児童福祉法、児童虐待防止法でも、同様の規定があります。

高校生が、学校をやめて働きたい等の意思表示をしている場合、親の虐待が原因であるケースもありえます。

これも、児童相談所等、しかるべき機関に通報する義務が課せられています。

クライエントが黙っていてほしいと言った?

大変キツい言い方をすれば、それは関係ありません。

むしろ、クライエントの意向を尊重してしまうと、手遅れになることが多々あるからこそ、このように強く要請されているのです。

これが、キャリ魂塾の講義でお話ししている「ビジネスラポール」です。

国家資格者が構築するラポールは、ビジネスによるラポールであり、法令に反することはできない。

我々が構築するラポールは、いわゆる「家族や友人的な信頼関係」ではありません。

例えば、家族同士の信頼関係なら、ときには犯罪を隠すことも厭わないでしょう。

しかし、我々の構築するラポールは、「ビジネス上のラポール」です。

ビジネスとは、法令に従って行われるものです。

これを破るならば、それは「信用失墜行為」となる可能性があります。

「通報せよ」という法令の定めを無視して、通報しないのですから。

それは違法行為になるため、「信用失墜行為」となる可能性が高いんですね。

改めて、我々のラポールは「ビジネスラポール」であることをしっかりと押さえておいてください。

でなければ、せっかく取得した資格を失うことになりかねません。

スポンサードリンク