本エントリーでは、週刊ダイヤモンド2018年4月7日号より、キャリアコンサルタントが基礎知識として知っておくべき「7つの世代」の解説を行っています。

キャリコン養成講習で学ばない「中流ライン」と「7つの世代」

かつて、日本は「一億総中流」と言われていましたし、経済学者の森永卓郎氏が「年収300万円時代を生き抜く経済学」を出版した2005年頃でも、その言葉が現実味を帯びてくるとは、あまり考えられていませんでした。

しかし、そのタイトルの通り、『中央値』で言えば、確かに日本人の年収は300万円台になっています。

中流ラインの低下の基礎知識

タイトルから、平均年収をイメージしますので、まずは平均年収から。

民間給与実態調査によると、平均年収は年々下降を続け、2005年から僅か4年後の2009年には、406万円(民間給与実態調査)にまで下がってしまいます。

そこから9年後の2018年には、441万円まで持ち直しますが、この間、人手不足や世界的な食料不足による物価上昇や、2019年10月の、消費税増税などがあったため、実際の可処分所得としては、35万円も増えた実感はないという感想をお持ちの方が多いのではないでしょうか。

とはいえ、平均的な年収を400万円強(繰り返しになりますが『中央値』は360万円前後と言われます)として考えると、世帯年収(二馬力(パート含む))で言えば、600万円弱を「中流」、未婚者で言えば、400万円前後を「中流」と捉えるイメージを持っておくことは、面談で必要かもしれません。

特に、2級キャリアコンサルティング技能検定受験生の平均年齢は、約50歳であり、世代で言えば「バブル世代」以上であることが多く、就職氷河期以降の世代のクライエントから、自らの世代がどう見られているか、またバブル期以上の世代の「価値観」がどう変化しているかは、知っておいたほうが良いように思います。

7つの世代とは

団塊世代、バブル世代、氷河期世代などの「世代」が有名ですが、週刊ダイヤモンドによれば、こういった「世代」は大きく7つに分類できることが紹介されています。

それが、下記の7つです。

団塊世代
ポスト団塊世代
新人類世代
バブル世代
氷河期世代
名もなき世代
ゆとり世代

この各世代について、非常に分かりやすく解説したのが、週刊ダイヤモンド 2018年4月7日号です。

(引用:週刊ダイヤモンド 2018年4月7日号)

世代感覚を知っておく重要性

発達課題の知識と同じく、こういった「世代感覚」を知っておくことは、面談の際に非常に重要ではないでしょうか。

また、氷河期世代が、バブル世代以前の世代の方に対して、ある意味では「ルサンチマン」的な見方をしていることもあったり、逆にバブル世代以前の世代の方は、下の世代に対して「マウンティング」的な関係性を取りがちであったり…

こういった、世代間ギャップが非常に大きいことも、キャリアコンサルタントとクライエントの関係性に影響してくる可能性があります。

例えば、「高齢期からのキャリア」について、ポスト団塊世代の方がクライエントとして、「バブル世代のキャリアコンサルタント」に相談することも、多々あるはずです。

そういった場合、不用意な一言が、引用画像にあるように「たまたまバブルで美味しい思いをしただけで、苦労していない世代の人に、偉そうに言われている」と受け止められてしまう可能性もあります。

なかなか養成講習カリキュラムでは学べない部分だと思いますので、この機会にぜひ知っておいていただくことで、今後の面談の一つのヒントになるのではないでしょうか。

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