資格で理想のライフスタイルを実現する、キャリ魂塾のキャリ魂太郎です。


このエントリーでは、終身雇用制度の崩壊と、それに伴う労働移動(転職)がもたらす、「老後資金の不足」という観点から、キャリアコンサルタントが「今、ここ」を重視する弊害、そして「キャリアの専門家」としての「指導・助言」の必要性について解説しています。

終身雇用制度の崩壊・労働移動活性化に伴う「老後資金不足」問題

この2019年前後を振り返ってみると、終身雇用制度が崩壊し、労働移動が活発になることがほぼ確定したと言えるかもしれません。

そして、終身雇用制度の崩壊・労働移動活性化に伴い大きな問題が表面化しました。

そう、ご存じのように「老後の資金不足」です。

「終身雇用制度+退職金=現役時代の賃金の先送り」

日本の多くの企業は、戦後終身雇用制度を前提として「現役時代の給与の一部を退職金に充てる」といった賃金体系になっています。

これにより、企業は資金繰りが多少なりとも楽になり、また労働者側も社会保険料や所得税が抑えられることもあり、退職金制度は労使ともにWIN-WINの制度でした。

もちろん、国もこういった「老後の所得補償」的な意味合いは重視しており、こういった状況を特に問題視してはきませんでした。

終身雇用制度の崩壊による「退職金込みライフプラン」の崩壊

しかし、近年大企業から中小企業まで、特に中高年のリストラが活発化しています。

このように、終身雇用制度が崩壊し、転職が当たり前になると多くの問題が生じます。

その一つが、「退職金込みのライフプラン」の崩壊です。

例えば、15年程度務めたアラフォー年代の方だと、退職金が「転職活動期間の生活資金」として食いつぶされることが少なくありません。

その後、転職が成功したとしても、企業の退職金制度によっては、「勤続年数」が退職金額に大きく影響することもあり、40歳から20年務めた程度では、特に60歳以降の生活資金として不足してくるケースが多いと考えられます。

キャリアコンサルタントは「寄り添い」と「今、ここ」を重視しすぎる。

こういった知識は、残念ながらキャリアコンサルタント養成講習では学びませんし、更新講習でも今のところほとんど目にしません。

加えて、キャリアコンサルタント養成講習は未だに「今、ここ」を重視し、「指導」や「助言」を控えるような指導がほとんどです。

そうではなく、「キャリアの専門家」として、クライエントの「これから」を予測し、その予測を「情報として提供」し、「指導・助言」する。

でなければ、後々「あのときのキャリアコンサルタントの面談、やめておけばよかった」と思われてしまう可能性もあります。

そして、「将来の社会情勢やクライエントの生活の変化まで予測できる知識」があり、「指導」「助言」ができる。

これこそが「法律に定められた「キャリアコンサルティング」であり、これを「業」とするのが「国家資格者」であるキャリアコンサルタントです。

国家資格試験に限らず、技能検定でも未だに「気持ちに寄り添う」ことばかりが重視されています。

15分、20分間はそれでいいでしょう。

しかし、面談の全期間を通じて

本当に「気持ちに寄り添う」だけで良いのか。

我々は「今、ここ」を重視しすぎではないのか。

その気持ちは「今だけ」のものではないのか。

国家資格者、専門家としてクライエントに「何を提供できるのか」。

クライエントの「これから」をどう支援するのか。

こんなキャリアコンサルティングを考えて頂ければ、キャリアコンサルタントが何万人になろうと、埋もれることはないのではないでしょうか。