資格で理想のライフスタイルを実現する、キャリ魂塾のキャリ魂太郎です。


このエントリーでは、「傾聴」と同様に大切なスキルである「言葉」の使い方を解説しています。

「傾聴」だけでは能動的アプローチが不足している。

言うまでもなく、傾聴は「受容的態度」として重要です。

そしてこの「受容的」という言葉が表すように、「受け身」の姿勢・態度です。

コミュニケーションとして考えたとき、受け身だけではバランスが良くありませんよね。

なので、能動的な「働きかけ」も必要になります。

「言葉」でクライエントに働きかける

クライエントの行動を変容するようなアプローチ、つまり「働きかけ」に必要なスキルが「言葉のスキル」です。

例えば

「ゴロゴロしてないで勉強しなさい」

という言葉と

「お母さん、アンタのために美味しいご飯作るから、それまで宿題でも済ませて待っててね」

という言葉。

どちらが子どもの「抵抗を生まない」か、一目瞭然ですよね。

もちろん「急にこんな言葉を使うのはヘン」とか、あと、反抗期なら「恩着せがましい」とか、言い出せば色々アラはあると思います。

ただの例えですからね笑

でも、クライエントが相手ならどうでしょう。

「抵抗を生む言葉」と「抵抗が少ないと感じられる」言葉

後者の方が、クライエントの変容にとって、より有効な「働きかけ」になることは言うまでもありません。

「言葉」をしっかりと理解する

「日本語が話せる」というスキルと「カウンセラー・セラピストとして言葉を使える」というスキルは、イコールではありません。

もう一度上記の文章を使ってご説明しますね。

「1.アンタのために美味しいご飯作る(A)/2.から/3.それまで/4.宿題でも/5.済ませて/6.待っててね/(B)」

1.返報性:「アンタのために美味しいご飯を作る」というのは、無償の行為であり、この行為への「返報性」を期待することができます。
2.リンキング:文章の前段(A)は母親の行動であり、厳密に言えば、子どもの行動である(B)とは因果関係はありません。しかしこれを「~から」でリンキングすることで、因果関係があるように構成します。
3.時間的限定:「それまで」と期限を区切ることで、行動しやすくなります。
4.対象の限定:「宿題」と対象を限定することで、行動しやすくなります(「勉強」だと対象が広い)。
5.完了イメージ:「済ませて」と完了をイメージした言葉を使い、抵抗を生じにくくします。
6.複雑化:「待つ」という指示と「宿題をする」という指示が2つあります。指示を複数行うことで、抵抗が生じにくくなります。

長くなってしまうためメルマガでは、ここまで細かく説明していませんが、こういった「言葉のスキル」を活用した「働きかけ」なんですね。

逆に

「1.ゴロゴロしてないで/2.勉強/3.しなさい」という「働きかけ」は

1.「不利益」:相手にとって利益(心地よい)である、ゴロゴロをやめさせる
2.「不快感」:子どもにとって不快感のある「勉強」というキーワード
3.「命令」:不快感と抵抗が生じやすい「命令」

という、子どもの抵抗を生む要素がふんだんに含まれており、相手への働きかけとしては悪手だと容易に分かりますよね。

対人援助職のチカラは、言葉のチカラも重要

カウンセラーやセラピスト、コンサルタントのチカラは「傾聴」という受動的態度、そして「働きかけ」という能動的態度がベースになります。

ぜひ「言葉のスキル」についても「傾聴」と同じくらい知ってほしいなと思います。