資格で理想のライフスタイルを実現する、キャリ魂塾のキャリ魂太郎です。

このエントリーでは、キャリアコンサルティング(≒カウンセリング。ここでは面接と捉えます)が、効果を発揮するために必要な要件について解説しています。

カウンセリングの効果

カウンセリングに効果はあるのか、と言われたとき、ハッキリと「効果はあります」と言える人は意外と少ないのではないでしょうか。

カウンセリング・心理療法の効果を検討する「メタ分析」によれば、「カウンセリングを受けた80%以上の人が、カウンセリングを受けなかった人よりも状態が良くなっている」と言われています(e.g.,smith,Glass&Miller,1980に基づく)。

また「うつ、不安障害などに関しては、薬物治療と同等かそれ以上の効果を示し、再発率もそれより低い」(Hollon,Stewart&Strunk,2006)との報告もあります。

ただ、その逆に、カウンセリング後に問題が解決したのは、カウンセリングとは関係がない(例えば嫌な上司が異動したなど)というケースも4割(Lambert 1999)といった報告などもあります。

とはいえ、良くも悪くもカウンセリングはクライエントに対して、何らかの影響・効果があるというのはエビデンスが示されています。

カウンセリングが効果を発揮する要件

では、カウンセリングが効果を発揮するには、どういった要件が必要なのでしょうか。

この研究も数多くされているようです。

今回は、そのうちの2つを取り上げます。

カウンセリングが効果を発揮する要件のうち、1つは









なんと







「カウンセラーのプライベートの満足度が高いこと」

です。

カウンセラーがプライベートで感じる感情的負担の重さが、クライエントが評定する作業同盟の水準と関連していた。

つまり、日常生活におけるストレスが大きいほど、クライエントと良好な治療関係を作る臨床力が損なわれていたのである。

(Nissen-Lie et al,2013b)

なんとなく、「こんな幸せいっぱいのカウンセラーに、私の気持ちなんて分かるはずない!」と思ってしまいそうですが、その逆なんですね。

そしてもう一つは…

「自分自身の能力を疑っていること」

です。

「カウンセラーが臨床家としての自身の能力に疑念を抱く内省傾向(professional-self-doublt)が高いほど、クライエントの対人関係問題の解決度が高かった」

(Nissen-Lie et al,2013a)

なお、こちらは対人関係問題になっており、アルコールやゲームへの依存など、人間関係がメインではない問題に対する報告ではありませんので、ご注意ください。

基本的には、プライベートが充実しており、自分の能力に疑念を抱き続ける人が、クライエント満足が高いと言えるようです。

自分の能力に疑念を抱き続ける人って、謙虚で勉強熱心そうですもんね。

そういった「姿勢」が、クライエントに伝わることが、良い結果を生むのかもしれません。

確認問題

では、問題です。

下記の文章の正誤を答えなさい。

・カウンセラーがプライベートでも悩みを多く抱えていることがクライエントに伝わることによって、共感が生まれ、ラポールが構築できると考えられており、カウンセラーはプライベートが充実していないほうが良いとされる。

・カウンセラーが自分の能力に疑念を抱いていると、その疑念がクライエントに伝わり、ラポールが低下するため、カウンセラーは自らの能力に自信を持った態度でクライエントに接することで、対人関係問題の解決度が向上するとされる。

出題可能性は低いですが、興味深い出題ですよね。

なお、このエントリーでご紹介した内容については、下記の「カウンセリングテクニック入門 プロカウンセラーの技法30」(岩壁茂編著 金剛出版)に記載されています。

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