具体的な「障がい」は、養成講習でも技能検定でも、学ばず問われない論点

現行のキャリアコンサルタント養成講習や技能検定制度の課題の一つに「障がい」や「児童発達」、「疾病」といった、キャリアに非常に重要な論点をほとんど学ばず、また問われない点があります。

しかし、例えば「障がい」について言えば、民間企業の場合は障害者雇用率を2.3%にすることが義務付けられており、本来であればキャリアコンサルタントにとって、非常に重要な論点の一つです。

特に、合格者の方は、YouTube等を活用して、「障がい」「児童発達」「疾病」といった、キャリアコンサルタント制度では学ばない部分を強化して頂ければと思います。

障がいを知る:チック(トゥレット症)

学科試験などのペーパーテストの「学習(勉強)」は、これまで下記のような「文章」を読むことが主流でした。

チックは、思わず起こってしまう素早い身体の動きや発声です。まばたきや咳払いなどの運動チックや咳払いや鼻すすりなどの音声チックが一時的に現れることは多くの子どもにあることです。多くの場合には、そのまま軽快します。

しかし、症状が治まったチックが再び出現し、強まったり、より複雑な動きや発声がみられたり、ということを繰り返しながら、多彩な運動チック、音声チックが1年以上にわたり強く持続し、日常生活に支障を来すほどになることもあります。その場合にはトゥレット症とよばれます。

トゥレット症は、典型的には、4〜6才に症状が出現し、症状は10〜12歳ぐらいに一番強くなり、成人になると改善するという経過をとりますが、成人期になっても強い症状が持続していたり、成人期になってからの方が悪化するという場合もあり、経過は多様です。

トゥレット症の症状の現れ方は、そのときどきの緊張度によって異なるため、ストレスや厳しい子育てによる心理的な原因で現れると「誤解」されることがあります。トゥレット症は、体質的な疾患で、脳の働き方の違いによって起こるものです。トゥレット症は、人口1000人あたり3〜8人に認められ、男性のほうが女性より2〜4倍多く見られます。

(出典:国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター

これはこれで、専門家が発信している「正確」な知識・情報ではあるのですが、この文章を暗記してもその本人(当事者)や家族が「何に困っているのか」「何を求めているのか」といった実務的な課題については、何一つ解決しません。

キャリアコンサルタントに限りませんが、こういった「試験知識」と「実務知識」の乖離が大きいほど、その資格が「試験に合格しただけでは役に立たない」と言われるのではないでしょうか。

幸い、今の時代は「当事者」がYouTubeなどで情報発信する時代となり、試験知識に加えて実務知識も得やすくなっています。

特に、実務経験はまだないけれど、何を勉強していこうかな…と考えておられる方は、チックについての下記の動画を観て、「キャリアコンサルタントとして何が必要か」をキャリアコンサルタントとして考えて頂けると嬉しいです。