このエントリーでは、キャリ魂塾の「解決志向キャリアコンサルティング勉強会」で行った、キャリ魂太郎のロールプレイデモ実演を使って、「暗いエント」を「明るいエント」に変える「カウンセリング技法」を解説しています。

3分で「暗いエント」を「明るいエント」に変えるためには「意図した応答」が必要

最初に、参加者全員に対して、このクライエントを演じる際には「暗く、元気がない」といったイメージ設定を伝えています。

つまり「暗いエント」を、どう「明るいエント」に変えるか。これを参加者が各自で考え、ロールプレイ練習をすることが、今回の解決志向キャリアコンサルティング勉強会のテーマです。

単に「仕事が見つからなくてつらいんです」「仕事が見つからないとおつらいですよね」というような、「おうむ返し」技法だけを行っていたのでは、前向きな変容が生じるのは難しい(というよりクライエント次第)ものになってしまいます。

そのため、キャリ魂塾では、「戦略的アプローチ」として、想定される応答を織り込んだ問いかけを使って、クライエントの変容をエスコートしていくことをお伝えしています。

3分で笑顔にするためには、「キャリコン自身が意図して技法を使いこなす」ことが必要

おうむ返し一辺倒だったり、面談の構造を意識せずに応答を行うと、クライエントの変容は「運」になってしまいます。

解決志向アプローチでは、「面談を明るく楽しくする」ことが基本にあるため、個々のキャリコンが、「クライエントが明るくなるように意図した応答」によって、クライエントの変容をエスコートする必要があります。

キャリ魂太郎の3分逐語録

スタートから3分の間に、キャリアコンサルタントというより、エリクソニアンなカウンセラー・セラピストとして、どのような意図をもって応答を行っているか、逐語に起こしていますので、ご参考になりましたら幸いです。

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戦略的アプローチは、「寄り添い」アプローチ

解決志向キャリアコンサルティング勉強会に参加された方には、既に「戦略的アプローチ」の概念を解説していますが、改めて。

CC応答3で、「銀行・金融機関を第一志望で選ばれたわけですか?」と訊ねています。

これは「行き当たりばったり」に問いかけたものではなく、高確率で「はい」という応答が来ることを想定した上での問いかけです。

なぜそう考えるか。銀行業界に比肩するほど人気が高い業界は、商社かメーカーくらいだからです(40年前はIT系などありませんし)。

つまり、CC3の問いかけは、クライエントから「はい」という応答が来ることを見越して、「第一志望の業界から内定を得るあなたは凄い」とコンプリメントするための、前振りの一つであり、「寄り添い」を行うための前提となります。

二重の不安解消のために、まずは「ステージ」を用意する

ヒトは、何もかも自由にしていいよ、と言われると、かえって不自由さを感じます。

特に、出会った最初から「自由でいいよ」「好きに話してね」と言われたところで、信頼関係もできていませんし、思うようには振舞えません。

なので、最初はクライエントが踊りやすいステージを用意する。つまり、「答えやすいことから始める」

これが私のオープニングが、基本的には毎回同じになる理由です。

クライエントに寄り添い、「話しやすいことから始める」ことを、それは「寄り添い」じゃない、クライエントの自由にさせるんだ!と言う人がもしいたら、その人の「寄り添い」こそが、自分本位だと思いませんか?