資格で理想のライフスタイルを実現する、キャリ魂塾のキャリ魂太郎です。


このエントリーでは、今のキャリアコンサルタント試験について、思うところを書いています。

きちんとしたメソッドがあれば、3カ月でミシュランに掲載される鮨が作れる。

あなたもご存知のように、すし職人養成学校の卒業生がオープンしたお店が、3カ月でミシュランに掲載されたそうです。

まあ、3カ月って、ちょっとおかしいです。

あなたがキャリアコンサルタントとして独立したとして、通常なら3カ月で有名になることってありませんよね。

集客自体は可能ですが、それがマスコミの目にとまるには広告戦略が必要ですし、さらに多数の飲食店からミシュランの「取材対象」になるには、それなりの期間が必要なはずです。

そう考えると、最初からミシュランに対して何らかのアプローチはしていたと考える方が自然です。

しかし、すし職人養成学校を卒業した修行経験のない方がオープンしたお店が、ミシュランに掲載されるほどの評価を得たことは事実でしょう。

3カ月という期間には、ある種の仕込み臭さを感じずにはいられません。

それでも指導メソッドさえきちんとしていれば、短期間で他の多くの美味しいとされるすし店をごぼう抜きにする結果を残すことは可能と言えます。

「心」は「修業期間」ではない。

当然ですが、短期間のすし職人養成学校を卒業したすし職人の提供するサービスに、「心」がこもっていないとは、誰にも言えません。

だって、「心」は修業期間で培われるものではないから。

なので、「短期間」でのすし職人育成を批判する人は、誤解を恐れずに言えば「自分が苦労したことを、他人が経験していない」ことを批判しているように感じます。

10年、20年、毎朝魚河岸に行き、親方の背中を盗み見、先輩に理不尽にパワハラされ…

こういった「苦労」をせずに、成果をえていることへの批判に映るんですね。

だって、美味しいからミシュランに載るわけでしょう。

短期間の養成学校出身であろうが、名店出身であろうが、美味しくないものは掲載されないはず。

きちんとしたメソッドがあれば、ミシュランの調査員に評価されるものが提供できることは事実と言えます。

キャリアコンサルタントはどうなのか

ミシュランが評価しているのは、下記の項目と言われます。

1. 素材の質
2. 調理技術の高さと味付けの完成度
3. 独創性
4. コストパフォーマンス
5. つねに安定した料理全体の一貫性

引用:msn.com

「心」は評価項目ではありませんし、「服装」も評価項目ではありません。

「清潔感」すら、評価していないんですね。

その上、

ミシュランは調査員の指導を徹底し、誰が行っても同じ評価基準を保てるようにしている

引用:msn.com
とのこと。

キャリアコンサルタントに関する面接の指導を見聞していると、キャリアコンサルタントの多くが「心」を見ているように思います。

それは、実務ならまだいいのですが、もし試験でもそうだと考えて指導しているならば(ならば、ですよ)それは、おかしいわけです。

目に見えないものを評価するのならば、それは「試験」ではなく「私見」でしかないから。

はい、上手いことこと言いましたね。

我々は「言葉の専門家」ですから。

だから、ミシュランは「国家試験」ではないのです。

あくまで「ミシュラン(調査員)としての総意」であり、私見の集合知です。

「職人技」を評価しているうちは、広がらない。

今後必要なのは、「キャリアコンサルティング『工学』」であるはずです。

「工学」とは、

机上の空論ではなく、実際に“現場”で“現物”を観察し、“現実”を認識した上で問題解決を図る

出典:群馬大学大学院 小林春夫「『工学』とは何かを考えよう」

アプローチであり、

工学は「目的」を達成するための方法論を考える学問だ。

中略

工学的思考法は、「目的志向」の思考法だとも言える。ある目的を達成するためにどのような手段をとらなくてはいけないか、というのをブレークダウンで考えていく。逆に言えば、選択した手段が、なぜその「目的」を達成することに貢献するのか、ということが明確に説明できなくてはならない。「ただなんとなく、うまくいきそうだから」というのでは、工学的思考法としては失格だ。

出典:takminの書きっぱなし備忘録 @はてなブログ
このように、述べられています。

本当にキャリアコンサルタントの認知度を上げ、キャリアコンサルティングを広めたいのであれば、「工学化」つまり、徹底したマニュアル化・メソッド化が必要です。

なのにそうはならず、今も体系立てたメソッドではなく、凄い人がなんとなくやっている「職人技」が評価されているように感じます。(これも「私見」ですが)

「職人技」が評価されるうちは、いずれ広がるにしても相当の期間(または行政のサポート)を要します。

「職人技」とは、「属人的なスキル」だからです。

本当にキャリアコンサルタントを、キャリアコンサルティングを、もっと広めたいなら、「徹底したメソッド化」と「マニュアル化」が先です。

だって、「心」は学習期間でも受験回数でもないのだから。