このエントリーでは、7SEEDS(©田村由美 小学館)を用いて、共感的な関わり方を説明しています。

カウンセラーは7SEEDSを読むべし。

キャリ魂太郎のキャリコン試験対策講義では、以前は割と色々なマンガの話をしていました。

特に学科試験の難化に伴い、徐々に講義の内容がより出題される論点そのものをフォーカスするようになってきたため、最近ではあんまりマンガの話をする時間がありませんが、私が気に入っているマンガのひとつが、「7SEEDS」(©田村由美 小学館)です。

このとおり、オフィスに7SEEDSとBASARAを全巻揃えている(7,8巻は自宅)のは、全国に社労士4万人、キャリコン4万人と言えども私だけでしょう。

というか、このブログを読まれている男性で、この7SEEDSを全巻揃えている方は、まずいないのではないでしょうか。

なぜならば、これは「少女漫画」だから。

参照:7SEEDS ©田村由美 小学館

しかし、「少女漫画」だからこそ、女性の気持ちがリアルに描かれているのではないでしょうか。

特に、男性や専門知識を持った方が陥りがちな、「解決に導く」という関わり方、そして「共感的理解」について、この7SEEDS第29巻では、非常に分かりやすく、そして丁寧に述べられています。

7SEEDS 29巻のくるみと流星の会話にみる「共感」的関わり方

このシーンの前提条件として、女性は「くるみ」、男性は「流星」という名前です。

くるみは流星との子どもを妊娠中なのですが、山火事から逃げてくる中で、人を襲うこともある殺人アリの巣に迷い込んでしまいます。

道中を共にした仲間も、アリの巣の中に漂う幻覚成分により、散り散りになってしまいました。

出産直前のくるみは動けないため、流星とアリの巣の目の前で仲間の戻りを待っているのですが、いつまでも仲間は戻ってこない状況です。

そんなとき、殺人アリの巣に少し入ったところに、仲間の話す声が聞こえるルンバのようなロボットがあることに、流星が気づいたシーンです。

参照:7SEEDS ©田村由美 小学館

どうですか。

流星くん、イケメンですよね。

繰り返しますが、このアリは普通に人を攻撃してきます。

しかも、デカい。通常サイズで30cm、大きな個体は1mくらいにもなる殺人アリです。

そんな危険を冒してまで、現状を打破しようとする流星くん、めっちゃかっこいいですよね!

同性の私も惚れてしまいそうです。

参照:7SEEDS ©田村由美 小学館

おや…

くるみさんは、流星くんを引き留めます。

流星くんの身を案じているのでしょうか…確かにアリの巣に飛び込む彼のこと、心配ですよね。

うんうん。

参照:7SEEDS ©田村由美 小学館

あ、あれ…?

なんか雰囲気が違いますね…

「今行くのは、私と向き合うより『命を懸ける方がラクだから』」…

「命を懸ける方がラク」…命懸けよりラクなことって???

流星くんも、何を言われているのか戸惑います。

参照:7SEEDS ©田村由美 小学館

「命を懸ける」ことが、「逃げている」…?

7SEEDS ©田村由美 小学館

「私と向き合うよりも、命を懸ける方がラクだから逃げている」…

その言葉に、流星くん、青ざめます。

参照:7SEEDS ©田村由美 小学館

はじめての出産、目の前は殺人アリの巣、現代のような出産医療設備は一切ない。

そのような状況で、くるみさんはもう限界だったのです。

なのに流星くんは、「私」を見ていない。

目には映っているけれど、見えてはいない。

言葉は耳には入っているけれど、理解はしていない。

日本語なのに、伝わっていない。

だから、くるみさんの今の状態が全く分かっていないのです。

そう、流星くんの提案した現状の解決法(アリの巣に自分が入って、通信ロボットを取ってくる)は、くるみさんにとっては「自分のことしか考えていない」と映っているのです。

もう限界のくるみさん。

そのようなギリギリの自分(と子ども)に、「今」寄り添わずに、いったい何のために命を懸けるのか。

そう厳しく、激しく問いかけます。

そして、「それが分からないなら、何も通じない」とまで訴えるんですね。

この流星くんこそが、まさに「面接ロープレ試験会場での受験生」です。

目の前の相談者は、「目には映っているけれど、見えていない」

目の前の相談者の話は、「聞こえてはいるけれど、頭には入っていない」

だって「自分が次に何を話せばいいか」ばかり考えていて、頭の中はそのことでいっぱいだから。

参照:7SEEDS ©田村由美 小学館

流星くんは、見てのとおり、イケメンのモテモテでチャラ男なのですが、かつて同級生から「プレイボーイなんじゃなくて、ちゃんとかかわるのがイヤなだけ」と指摘されたことがあるんです。

そのことが脳裏に浮かんでいるんですね。

そして、「自分はダメだから」と自分を否定して、くるみさんに謝りますが、これをくるみさん、一蹴。

ダメでいいから「寄り添え」!

そんな思いのたけをぶつけます。

参照:7SEEDS ©田村由美 小学館

あなたもご存知のように、これがカウンセラーにとって、最も難しい「在り方」のひとつとされる…

「共感的理解」です。

一緒に怖がる。それができない。

だって流星くんは男性だから。

「お産に臨む女性の気持ち」を理解しようとしていなかったんです。

だから、「彼にとって」自然な在り方…それは

「くるみ(と子ども)を守る」こと。

これが、彼の価値観(在り方)だった。

なのに、何もできない。

そんな自分でも、できること(≒ラクになれること)があります。

それが「危険に身を投じること」つまり「この場を離れること」でした。

そう、何もできないからこそ、彼は安易に「命を懸けよう」としたのです。

しかし、くるみさんにとって、リファーすべき専門家は、別にいる(はぐれているけど医療知識のある仲間が一応いる)んです。

だから、流星くんは、ダメでいい。

ダメでいいから、「寄り添って」「共感」してほしいんですね。

7SEEDS ©田村由美 小学館

知らないからといって、投げ出さず、自分がダメだからといって、逃げないで傍にいてほしい。

「私に関わってほしい」

これが、くるみさんの「主訴」であり、「心からの願い」なんです。

それが流星くんに伝わったからこそ、泣きながら訴えかけるくるみさんの言葉を、今まで半ば茫然と聞いていた彼が、ここではじめて「共感」して泣くのです。

さすが天才、田村由美。

これが「共感ができれば、クライエントが泣くとき、カウンセラーも泣く」ということではないでしょうか。

だから、このシーンを読むと私はいつも(´;ω;`)ウゥゥ

我々は流星くんとは違い、専門家ですから当然「ダメ」ではない。

だけど、専門知識に基づくアドバイスが必要ない場面もあるということです。

泣けない方は、全巻買ってみてください。

サバイバル知識からカウンセリングマインドまで、多様な知識が学べる名作なのです。

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