理想のライフスタイルを実現する、キャリ魂塾のキャリ魂太郎です。

このエントリーでは、「言葉をもっと考える」例として「因果関係」についてお伝えしています。

クライエントの心は、時に韜晦されている。

リアルでは当然ケースバイケースですが、少なくとも、キャリアコンサルタント面接試験において、クライエント役は「嘘」を付くことはないようです。

仮に、5分前言ったことと違ったことを言ったとしたら、それは「間違えた」だけでしょう。

人間ですから、誰でも間違いはあります。

しかし、「嘘」はつかないのですが、クライエントの本心はときに「韜晦」されています。

これは、ラポールが十分にできておらず、話して貰えていないことが原因であるほか、クライエント自身がその韜晦された気持ちに気づいていないこともあります。

そういった例のひとつを挙げてみます。

「子どもが小学校に上がったので働きたい」という言葉を読み解く。

第1回国家資格キャリアコンサルタント面接ロールプレイ試験では、クライエントが「子どもが学校に上がったので働きたい。ただこれまで専業主婦だったし、就職活動もしたことがない。どうしたらいいのか教えて欲しい」という出題がありました。

これだけ読めば、「よくあること」と思われるかもしれません。

しかし、この「子どもが小学校に上がったので働きたい。」…

改めて考えると、少し不自然なことに気づかれた方もいるのではないでしょうか。

なぜ、クライエントは「働きたい」と思ったのか、もう一度考えてみてください。








「働きたい」

のは分かります。

しかし、その気持ちになった根拠が

「子どもが小学校に上がった」

ことが原因(理由)である、そう言っているんです。

これ、実は理由としては納得することが難しいんですよね。

よく似た言葉はたくさんあります。

例えば

「高校生になったから、アルバイトがしたい」

という言葉です。

「アルバイトがしたい」

という気持ちになったのは

「高校生になった」

からだと言うんです。

なぜですか?

私たちはみんな「高校生になったら」、「アルバイトをしたくなる」のでしょうか。

「大学に入学したから、サークルに入りたい」

どうしてですか?

私たちはみんな、「大学に入学した」ら「サークルに入りたくなる」のでしょうか?

そうではないですよね。

ご理解いただけたでしょうか。

「原因」:子どもが小学校に上がった、高校生になった、大学に入学した。

「結果」:働きたい、アルバイトがしたい、サークルに入りたい

の「因果関係があるとは言えない」のです。

何が「因果関係」と言えるのか。

では、

「働きたい」という感情が生じた、(「因果関係がある」と言える)「本当の原因」はなんでしょう。

そう

「お金が欲しい」、「現状に満足できていない」、「恋人が欲しい」、「友達が欲しい」…etc

こういったもっと「現実に根差した感情」が「原因」のはずです。

つまり、

「子どもが小学校に上がったことにより、『学費が想定よりかなりかかることに気づいたので』働きたい。」

といった「金銭的な問題が生じた」ことや

「子どもが小学校に上がったことにより、『一人の時間が増え、自分自身の人生を自問自答した結果、社会にもっと関わりたいと感じたので』働きたい」

などの「自己実現欲求に気づいた」から、「働きたい」という感情が生じたのです。

これが、正しい「因果関係」であり、もしかするとクライエント自身ですら気づいていないかもしれない、クライエントの本心です。

そして、この「韜晦された本心」を捉えてはじめて、本当に有効な支援が行えるはずなんですね。

質問することを考えておくことは必要だが、こだわってはいけない。

キャリ魂塾では、質問することをある程度、事前に準備しています。

これは、「何を質問していいか分からず、頭が真っ白になる」という受験生のご要望にお応えしたものであり、同時に「インテーク面接」として「聴くべきこと」がある程度決まっている部分があるからです。

しかし、「事前に準備した質問にこだわった結果、クライエントの本心をスルーしてしまう」のであれば、それは本末転倒です。

合格だけを考えれば、事前に用意した質問を行い、クライエントが答えた内容を検討するだけで合格します。

しかし、合格してからは「その先」が必要です。

特に、もしあなたが「社会領域」から「心理領域」に移行したいと考えるのであれば、養成講習で学ぶことは、基礎の基礎であり、養成講習団体が言うような「実務で通用する」など、とんでもない話です。

椅子をハの字にする?

それは、確かに0.01%くらいは関係あるかもしれませんし、0.01%に全力を尽くすことも必要と言われればそうでしょう。

しかし、そんな些末なことよりも、クライエントの韜晦された本心を捉えることの方が、その1万倍は大事だと思いませんか?

おまけ:キャリ魂太郎のキャリア開発

カウンセリングでは、あまり「声」や「話し方」に触れることはありませんが、セラピーでは「声」や「話し方」は重要な非言語コミュニケーションになります。

声の抑揚や強さ、調子など、練習をすると効果が変わるかもしれません。

ということで、「キャリ魂太郎がロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ」だったら。