キャリ魂太郎です。

今日でJCDA面接試験も終了ですね。受験された皆様、本当にお疲れさまでした。

今回受験された皆様の合格を、心よりお祈り申し上げます。

また、すでに第12回試験に向けた学習を始められている方もいらっしゃるかと思いますが、キャリコン学科・実技試験は、出題された論点を見ると、法改正されたポイント「そのもの」がすぐに取り上げられるという試験ではありません。

(施行後に改正点を問うというより、計画とか、資料とかそういった「社会情勢の変化」として捉えた点からの出題の方が多いですね)

特に、実技試験では直接的な出題にはなりえません。

例えば、無期雇用転換をするかどうか迷っている、という相談者の悩みは、そもそも「無期雇用転換」を悩んでいる「理由」を掴む必要があるのであって、無期雇用転換そのものについての知識を15分で伝えるわけではありませんよね。

しかし、この2019年4月以降、学科試験に出題されようがされまいが、知っておかなければ「働き方、キャリアの専門家」とは言えない改正が山積みです。

今回はそのうち、労働基準法改正点のうち、時間外労働について、まとめています。

2019年4月の労基法改正ポイント

2019年4月から2023年4月までに労基法が変わるポイントは、下記の表のとおりです。

※月60時間を超える残業時間に対する割増率の50%への改正は、大企業はすでに適用済み。

労働時間の上限規制

まず、なんといってもこの「労働時間の上限規制」ですね。

大企業では既に対応をされているところがほとんどでしょう。

しかし、中小企業の場合、この1年でテストを行っていかないと、2020年4月です、はいスタート。というわけにはいきません。

今年は、テストを行った上でより良い体制を整えるという「準備の1年」にする必要があります。

では、内容を見ていきます。

労働時間の上限規制が法制化と改正点

出典:時間外労働の上限規制わかりやすい解説

これまでは、時間外労働時間の上限は「大臣告示」つまり行政指導だったのですが、改正により法律上の定めとして、原則月45時間・年360時間となりました。

また、これを上回る時間外労働は、臨時的な特別の事情がなければ指示することができない点も、より厳格に例示されています。

その他、 臨時的な特別の事情があって労使が合意する場合(特別条項)であっても、

・時間外労働が年720時間以内
・時間外労働と休日労働の合計が月100時間未満
・時間外労働と休日労働の合計について、「2か月平均」「3か月平均」「4か月平均」「5か月平均」「6か月平均」が全て1月当たり80時間以内
・時間外労働が月45時間を超えることができるのは、年6か月が限度

これらを守らなければならず、上記に違反した場合には、罰則(6か月以下の懲役または30万円以下の罰金)が科される可能性があります。

簡単に言えば、毎月40時間の法定時間外労働(≒平日2時間程度の残業)がある会社は、年間の時間外労働時間が480時間となってしまいますので、違法となります。

1日2時間の残業がある会社など、ゴマンとあるはずですし、それを織り込んだ人員配置になっていることが殆どでしょう。

だからこそ、今年から対応を行っていく必要があるんですね。

時間外労働規制に伴う実務的なポイント

この改正に伴う実務的なポイントのうち、企業の法令順守の観点から最も重要なこと、それは…

給与計算時に労働時間計算(集計)をしていたのでは、「超過時間に気づかない」ことがあるということです。

例えば時間外労働と休日労働の合計が月100時間未満であるかどうか、それを月中で管理できる体制を整えていなければ、違法状態に気づいたのが月末ということになりかねません。

また、36協定の初日(起算日)が4月1日である場合と給与計算期間がずれている場合も多いでしょう。

36協定の起算日を給与計算期間とリンクすることも、事業所によっては対応策の一つになります。

適用除外

この改正については、下記のとおり適用除外や猶予期間が定められています。

出典:時間外労働の上限規制わかりやすい解説

特に、自動車運転業務というのは、「営業車を運転するから自動車運転業務」という話ではありません。

基本的には、交通輸送・運送業だとご理解ください。

事業所だけの問題ではない。労働者にとっても死活問題

実は、この問題、企業側だけの問題ではありません。

労働者にとっても、死活問題となりえるのです。

だって、「残業代を見越して住宅ローンや教育費などの生活設計をしている」方も非常にたくさんいらっしゃるからです。

そして、労働基準監督署は「残業時間を減らすことは、労働条件の不利益変更には当たらない」というスタンスです。(確認済み)

最終的には裁判で決まることになりますが、少なくとも労基署はそういうスタンスですから、会社は残業時間削減に動くでしょう。

では、減った労働時間分の収入源はどう補えばいいのでしょうか。

副業を認めてアルバイト?

じゃあ、何のために本業の企業は労働時間を減らしたのでしょうか。

何にも意味がないということになりかねません。

これが、来年度以降に生じる可能性の高い「労働者側からの実務的な問題」です。

現実には、人手がない中で、残業時間を減らし、売上(利益)を確保しなければ「労働者の収入が減るだけ」の改正になってしまいかねません。

そして、景況感の悪化、消費税の増税…今の売り手市場が続くとも限りませんよね。

だからこそ「キャリアコンサルタントはコンサルタントである」必要があるんです。

「個人の中にある(経験に基づく)答えが正解とは限らない」

この問題から目を背けず、しっかりと向き合わなければ、「何のために相談に行ったと思ってるんだ!」というクレームになり、いずれ「キャリアコンサルタントなんて、オウム返しと頷きだけで、意味がない」という評価になってしまうことさえ、ありえるでしょう。

この先の社会情勢を見据えた、「コンサルティング」が個人にも企業にも必要です。

※現在、労働基準法改正の講座を企画していますが、内容的にかなりハードなため、「キャリアコンサルタントが知っておく必要がある」レベルに落とし込むという点で、思案中です。また決まり次第ご案内をさせて頂きます。

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