理想のライフスタイルを実現する、キャリ魂塾のキャリ魂太郎です。

このエントリーでは、今月1日にお亡くなりになられた、クルンボルツ博士の「プランドハプンスタンス理論」をまとめています。

クルンボルツの『「キャリア意思決定における」社会的学習理論』

クルンボルツの社会的学習理論は、バンデューラの社会的学習理論をベースとした、『「キャリア意思決定における」社会的学習理論』(SLTCDM)でした。

これは、「職業選択行動は学習の結果であっ て、過去に起こった出来事と将来起こるかもしれない出来事とを結び付けて解釈した結果」とする、「キャリア意思決定における」社会的学習理論です。(本文言は第6回学科試験問11に出題されています)

SLTCDMによる個人のキャリア意思決定に影響を及ぼす4要件

SLTCDMでは、個人のキャリア意思決定に影響を及ぼす要件が4つあるとされます。

それが下記の4つです。

① 生得的資質・能力(人種、性、身体条件、性格等)
② 環境的諸条件・出来事(景気、求人数といった労働市場や訓練機会)
③ 学習経験
  道具的経験・・個人が得た経験
  連合的経験・・他人の観察によって得た経験
④ 課題解決スキル(問題解決能力、習慣、精神力等)

この4つが、「信念・スキル(更なる課題解決スキル)・行動」を生むとされており、こちらも第6回学科試験で出題された論点です。

「キャリアカウンセリングにおける」学習理論

さらに、理論を展開し、現代のような「不確実性の高まる時代の中で、キャリコンがどのようにクライエントを援助していくか」という課題に対しては、

LTCC(the learning theory of career counseling:キャリアカウンセリングにおける学習理論)

そして、「計画された偶発性」

を提言しました。

プランドハップンスタンス理論

そして、キャリアコンサルタントの中でも人気の高い「プランドハプンスタンス理論」ですね。

「人のキャリアは偶然の出来事によって左右される。当人も予想しなかったことによって興 味が喚起され、学ぶ機会が得られ、成⻑する。したがって偶然に出会う機会を増やし、それを自分のキャリア形成に取り込み、その準備をすることがキャリア支援である」

という、従来の「目標設定とその計画(の達成)」を重視するキャリアコンサルティングとは一線を画した、プランドハプンスタンス理論を、ミッチェル、レヴィンらとともに提唱しました。

この「プランドハプンスタンス理論」を体現したと言えるのが、かのスティーブ・ジョブズです。

彼のスタンフォード大学でのスピーチに、プランドハプンスタンス理論の神髄が見て取れます。

学習理論からプランドハプンスタンス理論へ

プランドハプンスタンス理論に限りませんが、各理論の基礎が理解できていない方が非常に多いと感じます。

それは、単純に言えば、面接技能に偏重した養成講習の課題ですが、まずは「学習理論」を抑える必要があります。

直接出題される可能性は低いのですが、「学習理論」は、「人がどのように「行動」を学習するか」を考えた非常に重要な理論です。

この「人がどのように「行動」を学習するか」を大別すると、一つが「反射」(反応)です。

これを「レスポンデント」条件付けと考えます。

もうひとつが、「直接経験」です。

これを、「オペラント」条件付けと考えます。

この学習理論が基礎になって、バンデューラの「社会的学習理論」が生まれました。

そして、クルンボルツがキャリア理論研究の道に入ることになったのは、バンデューラとテニスをしているときに誘われたことがきっかけだと言われます。

突然のバンデューラのお誘いに、彼はOKと答えたわけですが、これが後に、世界的に有名な研究者となるきっかけになったわけですね。

そういう意味では、クルンボルツは「偶然を常に前向きにとらえよう(つまり、様々なお誘いはOKしよう)」と「学習(直接経験)」したと言えます。

だから彼は、「予期せぬ出来事がキャリアの機会に結び付く」と考え、

・個人のキャリアは想像以上に偶然の出来事によって左右され、そしてより望ましい方向へと影響をおよぼすことが多い。
・社会には、個人のキャリアにとって有益な出会いやチャンスが多数存在しているのに、それに気づかない。したがって、日ごろから、望ましいキャリアを思い描き、必要な学習を行い、小さな 変化に注意を向けて行動をしていれば、偶然の出来事をつかまえる確率を増やすことができる。
・それが望ましいキャリアビジョンに繋がった時、その偶然はあたかも自分と出会うために計画されていた偶然のように思える。
・その偶発的な出来事をみずからの主体性や努力によってキャリアに最大限に活用する。

などを理論化したと言えます。

改めて、彼の理論の根底には、どこかポジティブなパワーがあるように感じられますね。

J.D.クランボルツ博士に、謹んで哀悼の意を表します。

本エントリーの参考文献

「新版キャリアの心理学 第2版」ナカニシヤ出版 渡辺三枝子編著
「資料シリーズ No.165職業相談場面におけるキャリア理論及びカウンセリング理論の活用・普及に関する文献調査」独立行政法人労働政策研究・研修機構

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