動機づけ理論のポイント

このエントリーでは、キャリアコンサルタント学科試験対策として、動機づけ理論の押さえておきたいポイントの解説をしています。

動機づけ理論のポイント
1.「動機づけ」とは「モチベーション」とも言われる。
2.「モチベーションとは行動が生起し、維持され、方向づけられるプロセス全般を意味する」
3.動機づけ理論では、「やる気」の質的側面を可視化する4つの側面が理論化されている。
4.学習のポイント:マズローやハーズバーグといった、頻出論点から押さえること

キャリコン学科試験出題予想問題:動機づけ理論

本エントリーを読み終えると、キャリコン学科試験で出題が予想される、下記のような動機づけ理論の問題が解けます。

動機づけ理論 予想問題 難易度:難
動機づけ理論について述べた下記の選択肢のうち、正しいものはいくつあるか。
1.マレーは、外発的に動機づけられた行動は、行動そのものが目的となっているために、強いエネルギーを持って行われると述べた。
2.ハーズバーグの動機づけ・衛生理論には、仕事への動機づけを強める効果をもつ要因と、健康への効果を高める要因の2種類がある。
3.アトキンソンの課題達成への動機づけは、成功を求めようとする接近傾向と、失敗を回避しようとする回避傾向が合成されたものである。
4.マズローの欲求階層説では、人間は低次から高次までの4つの欲求段階を経て、自己実現欲求に向かうとされる。

動機づけ理論の論点

予想問題が解けなかった方は、下記の論点をしっかりと押さえていきましょう。

動機づけ理論

「動機づけ」とは「モチベーション」とも言われる。

「モチベーションとは行動が生起し、維持され、方向づけられるプロセス全般を意味する」

(引用:モティベーションをまなぶ12の理論 ゼロからわかる「やる気の心理学」入門 鹿毛雅治編 金剛出版)

➡心理学では、この「やる気」について「モチベーション(動機づけ)」の問題ととらえ、理論的な解明を進めてきた。

動機づけ理論(モチベーション心理学)の特徴

動機づけ理論では、「やる気」の質的側面を可視化する4つの側面が理論化されている。

① 「何をしようとしているか」という側面
② 「何をしたいのか」という側面
③ 「何をすべきと感じているか」という側面
④ 「何ができると思っているか」という側面

➡ヒトの「やる気」の質は、少なくともこの4側面の意味内容を統合的に理解することが必要とされる。

動機づけ理論の人物と理論

①マレー
➡組織心理学を研究したマレーは、仕事へのモチベーションを内発的動機と外発的動機に分けた。

・外発的動機
➡仕事の成果が賃金や昇進に関連していること。

・内発的動機
➡仕事そのものに「やりがい」を感じたり、「面白い」と感じられること。

②ハーズバーグ
➡ハーズバーグは、動機付け・衛生理論(二要因理論)を唱えた。これは職務満足および職務不満足を引き起こす要因に関する理論。仕事における「満足」に関わる要因(動機付け要因)と「不満足」に関わる要因(衛生要因)は別個であるとする。

・動機付け要因:満足要因(「達成」「承認」「責任」「昇進」「仕事そのもの」など。)
➡満たされると満足感が生じるが、満たされなくても不満足の原因とはなりづらい。

・衛生要因:不満足要因(「会社の政策と管理方式」「監督」「給与」「対人関係」「作業条件」など)
➡不足は不満足の原因となるが、満たしたとしても満足感につながるわけではない。

③アトキンソン
➡心理学者のアトキンソンは、やる気の強さを下記の方程式で表した。※fは変数の相互作用関係(関数関係)を表す。

・接近モチベーション
=f×(個人特性としての成功に向かう動機の強さ×成功の期待(成功する見込み=成功の主観的確率)×成功の誘因(成功することの魅力))

・回避モチベーション
=f×(個人特性としての失敗を回避しようとする動機の強さ×失敗の期待(失敗する見込み=失敗の主観的確率)×失敗の誘因(失敗時の不快感))

➡2つの値の合成値(接近モチベーションと回避モチベーションとの差)が、達成を目ざすモチベーションとなる。

④マズロー
➡人間の欲求には「生理的欲求」「安全の欲求」「社会的欲求(所属と愛の欲求)」「承認欲求」「自己実現の欲求」の5段階があるとした。
➡5つの欲求にはピラミッド状の序列があり、低次の欲求が満たされると、1つ上の欲求をもつ。

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