このエントリーでは、「問題の読み方」について、ご質問の多かった論点を解説しています。

組合せ問題の「読み方」について

問題:カウンセリング(心理療法)についての下記の組み合わせを読んで、不適切なものを1つ選べ。

1. 交流分析―ゲーム分析、相補的交流、脚本分析、ストローク
2. 行動療法―オペラント条件づけ、社会的学習理論、強化因子、系統的脱感作法
3. 4S分析―状況、自分自身、周囲の支援、戦術
4. 来談者中心療法―現象学、自己理論、実現傾向、積極的傾聴

あなたは、この問題を読んで、どの選択肢が「不適切」だと思われますか?

組合せ問題は、比較検討する語句に気を付ける

この問題の正答は、シュロスバーグ4Sのうち、「戦略」を「戦術」としている、3が不適切であり、正答の選択肢となります。

戦術だと「タクティクス(Tactics)」ですので、「S」になりませんよね。

これが「不適切」であることは、受験生のあなたは判定できたと思います。

しかし、ご質問が多いのが選択肢2です。

「系統的脱感作法」は、「レスポンデント条件付け」のため、「オペラント条件付け」としている選択肢2も不適切の選択肢になるのではないか、というものです。

つまり「正答が2つ」になるため、出題として相応しくないのではないか、というご質問ですね。

どの組合せの正誤を問われているのかをしっかりと「読む」

今回の出題は(よく読んで下さいね、『今回の出題は』ですよ)、いわば「親」の語句つまり、「-(ハイフン)」の左側の語句と、右側の「子」の語句の組合せが正しいかを考える出題です。

「親」―「子、子、子、子」

という構成ですね。

この「-」の右側、つまり「子」として列挙された語句同士が正しいかどうかを判定する出題ではありません。

なので、「系統的脱感作法」は、「レスポンデント条件付け」のため、「オペラント条件付け」としている選択肢は誤りではないか、というご質問については、そもそも「問われていない点について検討している」ということになります。

言い換えれば、これは「行動療法には、オペラント条件付け、社会的学習理論、強化因子、系統的脱感作法などの理論、技法がある」と読みとる必要があるんですね。

図で示すと下記のように検討することになります。

「問題をよく読む」こと、そして「出題の意図するところを正しく理解する」。

これが、学科、実技どちらの試験においても、最も大切なことです。

くれぐれもご注意ください。

なお、本問は第14回キャリアコンサルティング技能検定学科試験問10を参考に、キャリ魂塾で改題したものです。