出題可能性は低いのですが、業界的には良く知られている心理検査の分類と名称、それぞれの特徴などについて、今のうちにざっと押さえておきましょう。

ちなみに、このエントリーのような「箇条書き」に慣れると、本試験での択一に対応しやすくなります(このエントリーの項目が、そのまま出題形式ですよね)。

心理検査の種類

心理検査には、

1.質問紙法
2.投影法
3.作業検査法
4.知能検査

といった分類があります。

質問紙法

質問紙法は理論的仮説に基づき、人格の特性を表す質問にアンケート調査で質問を行う。

「はい・いいえ」等の回答させることにより、人格の特性を測定する。

想定する対象行動と質問の整合性が検査の精度を高める。

個人でも集団でも施行でき結果の集計判定も比較的簡便な方法であるが、就職試験などでは合格のために恣意的に「うそ」の回答をすることがある。

これを防ぐために「虚偽尺度」などが設定されている。

代表的な質問紙法の心理検査

■Y-G性格検査(矢田部・ギルフォード性格検査)
代表的な質問紙法による心理検査。

統計学者でもあったギルフォードらによって考案、1945 年に谷田部達郎により、日本人向けに改訂された。

因子分析法により抽出された12因子の性格特性の質問項目を使用し、抑うつ性・回帰性・劣等性・神経質・客観性・協調性・攻撃性・活動性・のんきの度合い・思考的向性・社会的向性・支配性などの12の尺度を基本特性として、全体の統計的プロフィールや尺度から性格特性を把握する。

■東大式エゴグラム
エゴグラム自体は交流分析理論(TA)の創始者エリック バーン(Bern,E)の弟子、デュセイ(Dusay,J. M)が創った自我状態の分析の方法。

交流分析理論に基づく自我状態の働きを測定する。

東大式は心理検査としての標準化がなされており、統計的に自我エネルギー量を知ることができる。

教育領域や産業領域等で、幅広く使用されている。

投影法

投影法は、あいまいでつかみどころのない図柄(夜道の洗濯物が幽霊に見える等の「見え方、感じ方」) や絵画、あるいは未完の文章等を使い、自由に表現させることにより、本人にも気づかない又は言葉で表せない深層心理の欲求や葛藤を、そのテストに反映させることで、性格やクライアントの持つ問題点を明らかにする。

投影法は、その結果の解釈の自由度が大きく、またクライアントのテストに対する動機づけや協力姿勢などが影響するため、検査者の経験や技術の結果の判定の熟練度などにより結果判定が異なるケースもある。

また、集団施行には適さない。

代表的な投影法の心理検査

■ロールシャッハテスト
スイスの精神科医のロールシャッハ,H.が独自に1921 年に考案。
「インクの染み」遊びのインクブロットを利用、しみ模様の図版10枚を見せて何に見えるかを答えさせ、そう見えた理由について質問をする。

解釈は容易ではなく、専門的訓練とスーパーバイザーが必要。

作業検査法

作業検査法は、被験者に一定の課題である加算作や図形の模写や構成等をさせ、被験者の仕事ぶりから態度、能率性あるいは性格の特徴あるいは仕事適性などを考察する。

作為的な虚が入り込めないので信頼性が高い。

判定に判定者の経験や熟練性、作業という限られた範囲での解釈に短所もある。

代表的な作業検査法の心理検査

■内田クレペリン精神検査
代表的な作業検査法でドイツの医学者クレペリンが開発した連続加算法。
その作業の結果から、被験者の性格を知ることができるとした。産業場面の適性あるいは適応のためスクリーニングテストとして幅広く活用されている純国産の心理テスト。

検査方法はランダムに並んだ数字を同士で加算し、連続加算し、その結果できた作業量とその作業曲線か ら判定する。

計算は前半15分、休憩 5分、後半15 分である。

新規採用や職場適正配置のために使用されている。
※知能検査法は割愛