このエントリーでは、キャリアコンサルタント学科試験対策として、頻出論点である「教育関係法令」について、解説しています。

教育関係法令 キャリア教育分野に参入を考えるキャリアコンサルタントには必須。

教育関係法令は、キャリア教育領域に参入を考えているキャリアコンサルタントには必須の知識です。

例えば、一部地域では中学生へのキャリア教育としてキャリアコンサルタントの配置などがありますが、ご存じのように現行キャリアコンサルタント制度に基づくキャリアコンサルタント養成カリキュラムでは、「キャリア教育に関する知識はほとんど学ばない」という現実があります。

教員の方からすれば、学校教育法どころか、教育基本法すら見たこともないキャリアコンサルタントが、「キャリア教育が大切です」と言ってきたところで、「教育の門外漢が何をいきなり」となるのは当然ですよね。

郷に入っては郷に従え。キャリア教育に参入するのであれば、労働法だけではなく、教育に関連する法令や学習指導要領はもちろん、児童福祉法や児童虐待防止法、いじめ防止対策推進法といった、教育領域に関わる法令をしっかりと押さえておくことで、現場の教員の方からも信頼されるのではないでしょうか。

教育基本法

第1条 教育の目的・目標(教育の目的)
教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備え た心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。

学校教育法

学校とは、どのような教育機関を指すのか、これは最低限必要な知識です。

学校とは

第1条 この法律で、学校とは、幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、 特別支援学校、大学及び高等専門学校とする。

小学校

第29条 小学校は、心身の発達に応じて、義務教育として行われる普通教育のうち基礎的なものを施すことを目的とする。

中学校

第45条 中学校は、小学校における教育の基礎の上に、心身の発達に応じて、義務教育として行われる普通教育を施すことを目的とする。

義務教育学校

第49条の 2 義務教育学校は、心身の発達に応じて、義務教育として行われる普通教育を基礎的なものから一貫して施すことを目的とする。

高等学校

第50条 高等学校は、中学校における教育の基礎の上に、心身の発達及び進路に応じて、高度な普通教育及び専門教育を施すことを目的とする。

中等教育学校

第63条 中等教育学校は、小学校における教育の基礎の上に、心身の発達及び進路に応じて、義務教育として行われる普通教育並びに高度な普通教育及び専門教育を一貫して施すことを目的とする。

大学

第83条 大学は、学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させることを目的とする。
2 大学は、その目的を実現するための教育研究を行い、その成果を広く社会に提供することにより、社会の発展に寄与するものとする。

専門職大学

第83条の2 前条の大学のうち、深く専門の学芸を教授研究し、専門性が求められる職業を担うための実践的かつ応用的な能力を展開させることを目的とするものは、専門職大学とする。

専門職短期大学

第108条の4 (前略)深く専門の学芸を教授研究し、専門性が求められる職業を担うための実践的かつ応用的な能力を育成することを目的とするものは、専門職短期大学とする。

大学院

第99条 大学院は、学術の理論及び応用を教授研究し、その深奥をきわめ、又は高度の専門性が求められる職業を担うための深い学識及び卓越した能力を培い、文化の進展に寄与することを目的とする。
2 大学院のうち、学術の理論及び応用を教授研究し、高度の専門性が求められる職業を担うための深い学識及び卓越した能力を培うことを目的とするものは、専門職大学院とする。

新しい学校形態:義務教育学校と専門職大学

新しい学校形態として、義務教育学校と専門職大学が新設されています。

義務教育学校

義務教育学校は、 「学校教育制度の多様化及び弾力化を推進するため、現行の小・中学校に加え、小学校から中学校までの 義務教育を一貫して行う」学校です。

2016 年から新設されており、 初等教育と、中等教育の一部の合計9年間の課程を一体化していることが特徴です。

国公私立いずれにおいても設置可能です。

専門職大学

専門職大学は、2017年 5月24 日の学校教育法の改正によって設けられた職業大学です。

修業年限は4年で、卒業すれば学士 (専門職)を得られます。

目的:実習や実験等を重視した即戦力となりうる人材の育成を目指す。

特徴:学位を得るのに必要な単位のうち実習が占める割合を3割から4割と定めており、教員の4 割以上を実務家が務めることとなっています。

頻出出題ポイント

頻出出題ポイントは、下記のように、それぞれの学校と、その定義を入れ替えた条文知識です。

出題例

第83条 大学院は、学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させることを目的とする。

➡「大学院」ではなく「大学」が正しい。