認知療法のポイント

キャリアコンサルタント学科試験対策として、認知療法で押さえておきたいポイントは、下記のとおりです。

認知療法のポイント
1.認知的アプローチに分類される。
2.ベックは、フロイトの精神分析を「カウンセラーの独断で効果がない」と考えた。
3.エリスの論理療法を、ベックがうつ病への治療に取り入れ、認知療法として発展させた。
4.学習のポイント:認知療法・論理療法・現実療法は「認知的アプローチ」としてカテゴライズされる。関係も深いため、まとめて学習をする。出題頻度はそれほど高くない。

キャリコン学科試験出題予想問題:認知療法

本エントリーを読み終えると、キャリコン学科試験で出題が予想される、下記のような認知療法の問題が解けます。
難易度:やや難

認知療法予想問題
認知療法について述べた下記の選択肢から、正しいものはいくつあるか。
1.認知療法と現実療法は、認知的アプローチである。
2.ベックは、フロイトの精神分析を認知の修正に取り入れた。
3.自動思考とは、その人の思考全般に影響する価値・信念などの体系を意味する。
4.コラム法は、認知療法で使われる技法のひとつである。

認知療法の論点

予想問題が解けなかった方は、下記の論点やキーワードをしっかりと押さえていきましょう。

ベック

➡提唱者として、ベックを押さえる。ベックは精神科医であるが、うつ病患者が、ものごとの悲観的側面ばかりにとらわれる(認知する)傾向に注目し、この認知をカウンセリングによって修正することを試みた。
➡認知行動療法は、特定の創始者はいないとされるが、ベックなどが認知療法に行動療法を取り入れることから生まれたとも言われる。

認知療法とうつ病

➡認知療法では、うつ病の原因を「患者本人の『捉え方』」=「認知」とし、「置かれた状況」にあるとは考えない。
➡クライエントは、カウンセリングによって「認知」を修正していく。

自動思考

➡ある状況やものごとに対し、自分の意志とは関係なく自動的に湧き出る思考が「自動思考」。

キャリ魂太郎キャリ魂太郎

「人生いろいろ、男も女もいろいろ」


鈴木さん鈴木さん

島倉千代子か…


※認知行動療法では、自動思考は特に悲観的な側面に限らないが、認知療法では、自動思考からすでに悲観的な側面であるとされることが多い(うつ病患者を対象にしているためと考えられる)

スキーマ

より深いレベルへ認知を掘り下げると、思考全般に影響を及ぼす価値・信念体系がある。これがスキーマ。

加藤さん加藤さん

島倉千代子なんて思いもしなかった…僕はいつもいつもこうだ…他の人ができることができない…本当にダメな人間だ…

技法

コラム法
➡自動思考に影響された考え方を修正し、バランスを取る方法。
➡つらい出来事があったとき、下記のようなコラムを使って考えを整理しすることで、気分を改善し、対応策(これからのプラン)を考える。


状況:最近、つらい気持ちになったときの具体的な出来事の記入する。
気分:憂鬱や不安、悲しい、傷ついた、罪悪感、恥ずかしい等の「気分」を記入する。
自動思考:自分自身に「そのとき、どんなことが頭に浮かびましたか?」などの質問をし、その答えを記入する。
ホットな思考:自動思考のうち、そのときの「気分」を最も表しているものにチェックをする。
根拠:自動思考を裏付ける、「客観的」な「事実」だけを記入。想像は記入しない。
反証:根拠に対する「反対の根拠」を記入する。

➡根拠と反証を「しかし」で結合することにより、バランスを考えてみる。

※認知行動療法は、その成立過程から認知療法と大きく関係しており、どちらの技法かはっきりしないものも多い。なのでそのような出題はされないし、されても答えられる人は非常に少ないので気にしない。