資格で理想のライフスタイルを実現する、キャリ魂塾のキャリ魂太郎です。


このエントリーでは、今後の学科試験の傾向予想のうち、SNSコンサルティング(カウンセリング含む、以下同じ)について、解説を行っています。

第10回国家資格キャリアコンサルタント学科試験問3

第10回国家資格キャリアコンサルタント学科試験では、下記のような出題がありました。

問3 キャリアコンサルタントの役割に関する次の記述のうち、適切なものはいくつあるか。
・相談者の発達段階を考慮しつつ、その適性や価値観を活かす職業選択のプロセスを支援する。
・相談者が自身の力に気づき、社会の中で自分の役割に意味を見出し、置かれた環境に働きかけて変化を起こすことを支援する。
・対面での相談やワークショップなどによるグループ支援は行うが、電子メールやSNS による非対面型の相談は除外される。
・個人と組織の双方にとって望ましいと考えられるキャリア形成支援の施策の企画・推進力および環境構築力が求められている。

1.1 つ
2.2 つ
3.3 つ
4.4 つ

出典:キャリアコンサルティング協議会 第10回国家資格キャリアコンサルタント学科試験過去問問3
※たまに、試験問題を掲載して著作権は大丈夫ですか、といったご質問を頂きますが、ご質問の前に著作権法を読んで下さい。まず自ら調べるのが専門家としてのスタートです。

問題としては、特に難しくありません。

3つめの選択肢が誤りとなり、答えは3つになります。

過去問「演習」をするときは、こんな簡単な問題は1回解くだけで構いません。

それよりも、なぜ「電子メールやSNSによる非対面型の相談」というものが出題されたかを考えるほうが重要です。

厚労省によるSNSカウンセリングの支援

現在、厚労省は「自殺対策」として、SNSによるカウンセリングを支援しています。

それが下記ですね。

 www.mhlw.go.jp 
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000199724.html
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000199724.html

実は、このSNSカウンセリングが、非常に大きな集客効果を上げています。

特に長野県では2週間で1579件のアクセスがあり、そのうちアクセスの3分の1に当たる547件の相談に乗ることができ、前年度1年間の電話相談259件を大きく上回ったことが報道されています。



もはや「顔を見なければカウンセリングができない」のなら、カウンセラーとしては生き残れません。

相談者は、声も聞かれたくないし、顔も見せたくないのです。

文字だけ、チャットネームだけ、できるだけ「提供する情報の少ない状態で相談をしたい」と考えている方が少なくないんですね。

「顔を見なければダメ」?

そんな風に、「自分のやり方」を押し付ける人が、そもそも受容なんてできるんでしょうか。

本当に相談者のことを考えているならば、SNSでも十分なカウンセリングサービスが提供できるように、自分を高めるのが本来の筋です。

という風に試験機関が考えたわけではないとは思いますが。

はい。また横道にそれました。申し訳ありません。

ただ、作問担当者がSNSカウンセリングについて、こんなにニーズがあるならば、受験生にも知っておいてほしいと考えた可能性は十分考えられます。

私が協議会かJCDAの役員なら、SNSキャリアコンサルティング技法の研究を指示します。

ただでさえ、キャリアコンサルタント業界はカウンセリング面では比較的遅れている業界だからです。

そういう意味では、ニーズのあるSNSキャリアコンサルティング技法(と名付けるでしょう)の修得は急務です。

つまり、今後も出題可能性が高いということになります。

受験生が押さえておくべきSNSカウンセリング

では、受験生は何をしておけばよいでしょうか。

まず、仮に養成講習の講師がどれだけ否定的であろうが、「SNSカウンセリングはニーズがあり、有効である」という事実を受け止めてください。

そして、SNSをご存じない方は、当然SNSというものが何かを理解すること。

次に、上記厚労省のサイトでSNSカウンセリングについて押さえておくこと。

最後に、SNSでもキャリアコンサルティングが提供できると考えたとき、何が必要になるかを検討すること。

この3つをしておくことが過去問「学習」です。

SNSコンサルティングの実務

例えば、LINEでキャリアコンサルティングを行う場合、スムーズに話が進んでいても、急に10秒以上、場合によっては5分~15分程度、既読が付かなかったり、既読が付いても返信がこなかったりすることは、珍しくありません。

ここで「追撃」など、返信を促す行為をしないことです。

急におなかが痛くなったのかもしれません。

親に呼ばれたのかもしれません。

電話が鳴ったのかもしれません。

「いや、そんな横やりが入ったならば、それを相手に伝えるべきだし、相手に失礼だろう」って?

それはあなたの常識。

SNSはもっと気軽なものなのです。

それが嫌なら、最初に「もし、何かの事情があって返信が5分以上できないときは、可能な限りその旨を伝えてからにしてくださいね」と言えばいいのです。

言ってもダメなことはありますけどね。

それでも、言わないよりはマシです。

あなたの常識や、思っていることが、相談者に共有されているとは限りませんし、むしろ共有されているほうがレアケースです。

そして、気軽に受けやすいものであればあるほど、相手にとって「軽くなる」可能性も十分あります。

そういった点など、しっかりと押さえておくようにして下さいね。

個人的なSNSカウンセリング経験について。

ここからは蛇足ですが、私も、スカイプカウンセリングなどを5年くらいしていました。

改めて思い出しても、あまりいい気がしないくらい、本当に、無料・匿名とくると人は意識せず、そして簡単に他人を傷つけます。

最初の「はじめまして。こちらにお越しくださってありがとうございます。こちらでのチャットは、〇〇さんのご了承のない限り、外部には提供しませんので、安心してご相談頂けたらと思います」って送信したら、「バカ?」と言い残して退席とか、全然普通。

メンタルが強くないと続けられないのが、SNSカウンセリングですね。

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そして、下記は「講座資料使用・改変自由シリーズ」第2弾。労務管理としてのSNS講座です。

顧問先、関与先様にSNS研修などを行っていただく際にも使用可能ですので、ご検討頂けましたら幸いです。