キャリ魂太郎です。
今回、受講生の方から、問題の難易度はどのように評価しているのか、というご質問がありました。
私が「簡単」評した問題を間違えていると、(その方の言葉を借りれば)「アホ」と言われているように感じるということでした。
うーん、そのナイーブさ、乙女か。
私は、乙女を相手にしているつもりはありません。
性別にかかわらず、プロとして、専門家として、そして「国家資格者」として、ときには冷や飯を食らおうと、会社、上司からの個人情報提供指示を撥ね付ける、そんな矜持を持った、1人の「侍」を目指す方を相手にしていると考えております。
日本では、スパルタ重装歩兵のファランクスのような、盾を活用した戦術は基本的にメジャーではありませんでした。
こういう↓やつね。(音量は小さめでご覧ください)
これはこれでカッコよくて大好きなわけですが、我が日本では、攻防一体の武器として、刀を使うイメージが強いですよね。
(あ、長槍とか弓とかそういう話はおいといてください。)
そして、現代のサムライ(士業)の刀は、知識です。
この刀(知識)は、一生を共に過ごす、そして、磨けば磨くほどよく切れる、相棒です。
以前にもお伝えしましたが、「受験戦争」という言葉があります。
戦争に行くのに、自らの刀を研いでいない、そういう人、いると思いますか?
どれだけ研いだって、運悪く流れ矢に当たれば死ぬこともある。
だけど、ほんのわずかでも、生還・勝利の可能性を上げるためにできること、それは、装備を万全にし、健康でいることです。
「簡単」とされた問題を間違えた、アホと言われているみたいだ。
そのような後ろ向きなマインドでは、戦場に出る以前の問題です。
どの試験種、どの問題集を見ても、まともな問題集ならば難易度評価をしているはずです。
そこで簡単、易しいと評価された問題を間違えた、だからその難易度評価が正しいのかどうかを考える。
そんなに時間があるなら、勉強してください。
問32:問題
カウンセリングの基本に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。
1.相談者の言葉の曖昧な部分は、キャリアコンサルタントが自分の経験・価値観に基づいて推測し、理解することが大切である。
2.相談者は、キャリアコンサルタントに尊重されていると実感できることで、自分の強みも弱みも安心して考えられるようになる。
3.キャリアコンサルタントは、いかなる状況でも、自分の思考や意志、あるいは感情を働かせない冷静な心で、傾聴することが大切である。
4.傾聴で最も大切なものは技法であり、相談者はキャリアコンサルタントの上手な技法に導かれて、初めて深いところで自分自身の存在価値に気づくことができる。
問32:解説
この問32は、しっかりと問題を読めば、誰でも正解できるはずです。
だから問題文にも「基本」と書いてあるわけです。
1:相談者が目の前にいて、「あいまいな言葉」を発した。
その「あいまいな言葉」を「自分の経験、価値観に基づいて」推測するのですか?
「うーん、スパルタ重装歩兵のファランクスって、やっぱりアレじゃないですか」と相談者が言ったとしましょう。
ならば「(ああ、アレってやっぱり、一番端っこが弱いってことだな)ええ、そうですよね。端っこになるのは嫌ですよね」
これでいいんですか?
違いますよね。
ここは、「アレって?」と「相談者自身にその「アレ」について語ってもらう」べきですよね。
自分の経験、価値観を判断基準にせず、相談者自身をより知ろうとする姿勢。
これが基本です。
3:いかなる状況でも思考・意志・感情を働かせない…
キャリアコンサルタントはターミネーターですか?ゴルゴ13ですか?
相談者は、ターミネーターやゴルゴ13の前では、安心、安全と感じられませんよね。
後ろに立ったら殺されるキャリアコンサルタントに、相談に行きたいですか?
そして、感情を働かせずに、どうやって共「感」するのでしょう。
4:傾聴で最も大切なのは技法…
すでに皆さんの心の中には、答があるはずです。
「言葉は心を・・ない。ぉおおぉん とても伝えたがるけどぉ 心に・・なぁい」
(出典:SAY YES ASKA)
いかがでしょう。このフレーズで自動思考が生じましたか?
言葉とは、繰り返しや、感情の反射、要約といった技法です。
つまり、最も大切なのは?
出典:BLEACH ©久保帯人 集英社
以前のエントリーで既にふれていますので、的中と言ってもいいかもしれませんが、下記のリンクについても、お時間があれば読んでおいて下さい。
間違ったならば、点検をする
以上、問題文にあるように、この問32は基本的な出題です。
だからこそ、この問32を間違えた方は、なぜ間違えたのかを点検してください。
こういった「キャリアコンサルティングに臨むにあたっての姿勢・考え方」つまり、「基本」を間違えるということは、下記の点で問題があります。
1.問題文を正しく把握できているか?
2.カウンセリングの基本が理解できているか?
3.心理的視野狭窄状態(緊張等)に入りやすい(メンタルの弱さがある)のではないか?
1.2.3.全て、実務者として非常に重要なポイントですよね。
問題を正しく把握できていないのであれば、主訴の把握も点検が必要です。
焦って読み間違えた、普段なら選ばない選択肢を選んだのなら、メンタル的な部分が弱いのかもしれません。
もしかすると、養成講座のテキストや講師の指導が間違っていたのかもしれません。
こういった、「基本」の問題を落とすということは、実務でも影響します。
しっかりと点検を行ってくださいね。