資格で理想のライフスタイルを実現する、キャリ魂塾のキャリ魂太郎です。


このエントリーでは、キャリアコンサルタント試験における、2つの指定試験機関、キャリアコンサルティング協議会(以下、協議会)と日本キャリア開発協会(以下JCDA)の実技試験合格率の違いを解説し、受験生の大きな疑問である「どちらで受験すれば良いのか」を考察しています。

この情報を知ることで、自らの受験する試験機関を選択する参考になれば幸いです。

どこの養成講習・受験指導校も触れない「より実際に近い合格率」の話

国家資格キャリアコンサルタント試験の受験資格は、4つに分けられます。

1.養成講習修了者
2.実務経験者
3.技能検定の片方合格者
4.2016年3月までの養成講習修了者(経過措置対象者)

です。

このうち、1.養成講習修了者が両団体とも約90%を占めます。

そして、この90%を占める養成講習修了者と、その他の受験資格区分には、大きな隔たりがあるんです。

何の隔たり…?

それは

合格率

です。

養成講習修了生に限って合格率を算出する。

受験資格が「養成講習修了者」である受験生は、協議会・JCDA両団体ともに約90%前後にのぼる、非常に大きな母集団です。

この母集団と他の母集団の違いを無視して「合格率」を語っても、それは何の意味もありません。

特に、初めて受験される方は、試験機関が2つあるという時点で混乱してしまいますし、養成講習の修了証を貰うことがまず最初のハードルでもあることから、この点は全くノーマークであることがほとんど。

にもかかわらず、この点について言及していない養成講習団体、受験指導校ばかりというのが現状です。

ここでしっかりと理解しておいてください。

第12回国家資格キャリアコンサルタント試験協議会受験生結果

(引用:協議会サイト)

赤枠で囲んだ「①養成講習修了者」の合格率は954/1505:63.3%です。

第12回国家資格キャリアコンサルタント試験JCDA受験生結果

(引用:JCDAサイト)
同じく赤枠で囲んだ①養成講習修了者の実技試験合格率は1023/1436:71.2%です。

協議会とJCDAで実技試験合格率は8ポイント違う。

協議会の①養成講習修了生区の受験生合格率:63.3%
JCDAの①養成講習修了生区分の受験生合格率:71.2%

このように、協議会とJCDAの実技試験合格率を、受験生の約90%を占める現行の養成講習修了者に絞って比較すると8ポイントもの大きな差があります。

また、JCDAの受験生の多くがCDA養成講習修了者と考えられ、CDA養成講習修了者以外にとっては、「外様」と言っても過言ではありません。

そのエビデンスと言えるかは分かりませんが、協議会面接ロールプレイ試験を3回連続オールAで合格している私が、JCDA面接ロールプレイ試験では足切り不合格のC評価を取っています。

ちなみに、協議会でC評価がどれくらい珍しいかというと、私がこの3年間指導してきた協議会受験生は約400名ほどいますが、C評価は1人だけ、つまり0.25%です。

そう考えると、協議会とJCDAのC評価率の差なども気になるところです。

JCDA試験、将来展望を採点する意味は?その公正性は?

さらに、もう一つあなたに情報提供をすると、私のJCDA面接ロールプレイ試験における将来展望は、これまたC評価です笑

そして、私の将来展望はJCDAではない、他団体の旧標準キャリアコンサルタント面接試験受験時の評価では満点評価を頂いています。

特に、「なぜキャリアコンサルタントになろうと思ったのか(将来どのようなキャリアコンサルタントになりたいのか)」というのは基本的に変わることはありませんから、私は今後何度受験しても質問さえ同じなら、JCDAの将来展望はC評価になるはずです。

逆に、毎回同じ評価が出ないのであれば、採点評価が試験官によって異なるという国家試験としてあるまじき結果ということになりますから、ある意味楽しみではあります。

そもそも、入社採用試験ではないのですから、なぜキャリアコンサルタントになろうと思ったのか、将来どのようなキャリアコンサルタントになりたいのか、これは他人に評価される性質のものではないはずです。

それは憲法上保障されている「内心の自由」なのですから。

他人の内心に土足で踏み込み、採点評価する。

旧標準レベルキャリアコンサルタント試験(養成講習団体)もそうですが、他人の内心を評価するなど「心に寄り添う」と標榜する団体のすることでしょうか。

そしてそれが、「キャリアコンサルティング能力」と何の関係があるというのでしょう。

JCDAには、このあたりをきちんと説明して頂きたいものです。

自分の失敗を共有する、アドラーの「共同体の財産」

ちなみに、こういったある意味受験に失敗した話は、多くの講師がしない話でもあります。

講師が試験に落ちるなんて、そりゃ恥ずかしい。

誰だってそうですし、私だって本音を言えばそうです。

だって、人間だもの。

にもかかわらず私が、講座でこの話をしたり、またこのブログであなたに、そして全受験生にこうやって公表するのは、アドラーの「共同体の財産」という考え方です。

全受験生はよきライバルであると同時に、キャリアコンサルタントという同じ職業仲間でもあります。

それに対して、落ちたら恥ずかしい、というのは「競争相手」という意識がありますよね。

アドラーは、競争相手として意識することよりも、情報共有することを重視しました。

それによって、ギブアンドテイクの関係つまり仲間となることを、アドラーは訴えたわけですね。

合格率を詳細にチェックすると、非CDA旧養成講習修了者のJCDA受験が合格率的には最も不利になる。

さて、話が横にそれましたので、元に戻すと論述・面接の平均点も、4区分それぞれで算出するとすれば、おそらく養成講習修了生区分は平均点が上昇すると考えるのが自然です。

なぜなら、

協議会の①養成講習修了生区分以外の受験生合格率:53.3%
JCDAの①養成講習修了生区分以外の受験生合格率:48.0%

だからです。

特にJCDAの養成講習修了生区分の受験生と、そうではない受験生の差は、なんと23%、とりわけ私が受験する区分である、④旧養成講習修了者区分だと、驚愕の31%に達しています。

この④旧養成講習修了者区分には、旧CDA養成講習修了者が含まれることを考えると、合格している方は旧CDA養成講習修了者と考えてもよいかもしれません(ここはあくまで憶測です)。

単純に、合格率と受験生の種別で考えると、旧標準レベルキャリアコンサルタント養成講習修了者であって、非CDA養成講習修了者が、JCDA受験生では最も不利と考えて良いのではないでしょうか。

これは、誹謗中傷でもなんでもなく、数字から導き出される「事実」に若干の推測を加えた私見です。

経過措置期間もあと2年です。

2団体どちらで受験されるのか、お悩みの方は自らの出身養成講習で考えるのも一つの合格戦略と言えるのではないでしょうか。

(そもそもそのような合格戦略が存在しうることが、国家資格試験として好ましいかどうかは別として…)

【参考】