このエントリーでは、2015年度以前のキャリアコンサルタント養成講座(以下「旧講座」)における、キャリアコンサルタント試験(以下、「旧試験」)における評価項目を解説しています。

※旧試験は10数団体ある旧講座実施団体がそれぞれの評価を行っていたため、全く統一されていません。あくまで旧試験の一つの例として参考にして頂きますようお願いいたします。

旧試験における試験官の評価について

私の経験した旧試験では、2名の試験官が持ち点各20点を持っており、40点満点で採点されます。

その内訳は、下記の通りです。

旧試験における評価の問題点

見て頂ければご理解頂けるように、疑問点が色々とあります。

例えば、基本的傾聴が出来ていないのに、具体的展開、積極的かかわりに点数を付けて何か意味があるのでしょうか。

基本的傾聴が出来ていて、それ以外の点数が1点又は2点しかない、というのも変な話です。

また、基本的傾聴とその他が出来ていれば、主訴(の把握)は0点でも合格できることになります。

そもそも主訴が理解できていないのに、具体的展開って何のために?というのも疑問ですね。

しかも、基本的傾聴と基本的姿勢には足切りが設定されており、仮に30点でも、基本的傾聴が8点以下、基本的姿勢が2点以下なら不合格でした。

そして、基本的傾聴が8点と考えられる、32点足切り不合格者が私の知る限りでも、複数いたり。

基本的傾聴が8点でも、主訴が理解できており、具体的展開がしっかりしており、積極的かかわりもできている。

なら合格で良いのでは…

ていうか、これ15分の「インテーク」面接ですよ。

なぜ「インテーク」面接で「積極的かかわり技法」が求められるんですか?

そもそも論になりますが、この養成講習機関は「カウンセリング」を理解していないと思ったのが正直なところです。

とは言え、これは民間資格試験ですから、誰も文句は言えませんし、合否(評価)基準は自由に決められるわけです。

旧試験の合否基準と国家資格試験の合否基準は全く異なる

旧試験は、実施団体によって評価項目が異なるため、私の同期でも、この旧試験に不合格だった後、2級技能検定に一発合格し、国家資格試験に不合格だった方もいます(2016年は、民間資格試験→前期技能検定試験→第1回国家試験という流れだったので、全部受験された方も少なくありません)。

このように、旧試験、国家資格試験、技能検定と、全て評価項目が違いますし、特に国家資格試験はキャリアコンサルティング協議会とJCDAでも評価項目が異なるわけですから、それぞれの試験を受験し、合格されている方の指導を受けられることをおススメします。