キャリ魂太郎です。

このエントリーでは、第10回国家資格キャリアコンサルタント試験の結果などについて、私見を述べています。

学科試験は予想どおりの合格率

学科試験に関しては、予想どおり両団体とも60%を超える、高合格率となりました。

この結果からみれば、今後も

40%台以下…難化回
50%台…適正回
60%以上…容易回

と判定してよいかと思います。

今後受験生の皆様には、合格率が40%台後半~50%台前半のやや難化回をどのようにクリアするか、という学習が大きなポイントになるかと思います。

やや難化回に備えよう。

やや難化回では例えば、下記のような出題が考えられます。

レビンソン(Levinson,D.J.)が提唱した30歳頃までの過渡期に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。

1.20歳前後に「成人への過渡期」があるが、ここでは大人の世界への第一歩となる最初のアイデンティティを確立し、成人の生活のための暫定的選択とそれを試みることが発達課題とされる。
2.成人への過渡期では、親、社会に守られて生きてきた時期が終わり、自分で道を切り開かなくてはならないという自覚が芽生える。
3.成人前期には「30歳の過渡期」があり、その終わりから次の発達期への移行は成人の発達で極めて重要な段階の一つであるとされる。
4.「30 歳の過渡期」では、無限の可能性が開けていた20代とは異なり、様々な社会的制約を感じるため、「可能性が限定される」ように感じるとされる。

これは、絶対に取らなければいけない問題であり、落とすことは許されません。

なぜなら、レビンソンは頻出すぎるほどの頻出論点であり、上記はすでに出題された論点を組み合わせただけだからです。
(キャリ魂塾テキストでは、一度出題されたレビンソンの論点は全て掲載しています)

逆に、一度出題されたとはいえ、勉強する必要のない論点もあります。

例えばロジャーズの19の命題などがそれに該当します。

ロジャーズの19命題を覚える時間があれば、シャインのキャリア・サイクルや職業分類など、覚えるべき論点は他にもあります。

このように、メリハリをしっかりとつけ、重要論点をきちんと押さえていくことで、やや難化回でも確実に合格できるようになります。

これからも変わらない重要論点

逆に、今回不本意ながら涙を飲まれた方は、少なくとも学科試験に関しては、「勉強の方法」や「論点学習」を考え直す必要があります。

例えば、下記のニガテ論点について、顧みて下さい。

・エリクソン、ハヴィガースト、ユング、レビンソンといった、発達論点はしっかりと覚えましたか?
・シャインのキャリア発達論点を押さえましたか?
・フロイトの防衛機制は押さえていましたか?
・職務給、職能給や評価制度は押さえましたか?
・日本標準職業分類、厚生労働省編職業分類、産業分類は?

出題される、されないにかかわらず、上記の論点を完璧にしていない場合は、「論点学習」にムラがあります。

「運」は実力ではない。

頻出論点を押さえずに受験するという姿勢では、合格を運否天賦にしてしまっています。

運は実力ではありません。

前日に急な仕事が入って全く勉強できなかろうが、断れない飲み会が入って二日酔いになろうが、関係ありません。

どんな状態でも、10回受験したら10回合格する。

ある程度の不運はねじ伏せる。それが、本当の実力です。

例えば、イチローは日本で7年連続首位打者でした。

イチローにだって、スランプや気分の浮き沈みはあるはずですし、人間関係に悩むこともあるだろうし、飲みすぎたこともあるでしょう。

しかし、7年連続首位打者です。

イチローの前で「7年連続首位打者って、凄いですよね。本当に運の良いのも実力ですね」なんて言えますか?

言えませんよね。

7年連続首位打者は、「運」でできるはずがないからです。

第4回や第9回で落ちたのであれば、それは仕方ないと思います。

しかし、合格率が60%を超えたのに、自分は合格しなかった。

それは、何か、どこかに「逃げ」「甘え」があったのではないでしょうか。

ほとんどの方が家庭と仕事を両立させつつ、勉強をしています。

捲土重来、リベンジを期す方は、まず「発達論点」を完璧にすることから始めてみてください。

イチローのように7年連続とは言いません。

1回でいいんです。

しかし、その1回を、「運」ではなく「実力」で合格するために、ニガテ論点を克服しましょう。

実技試験は相変わらずJCDAの評価に疑問

実技試験は、協議会では合格率が70%を超えています。

これはJCDAよりも簡単、ということではなく、しっかりと対策ができていて、レベルの高い受験生が多かったからでしょう。

また、協議会は「経験代謝」に限らず、多くの技法を許容しているとみることもできます。

JCDAの異常な合格率乖離!CDA養成講座修了生以外は協議会で受験すべき

今回に限りませんが、JCDAでは、養成講座修了生と実務経験者の合格率の乖離が非常に大きくでました。

前者に限れば69.2%の合格率なのに対して、実務経験者の合格率が33.7%です。

ちなみに協議会は、養成講座修了生は73.8%の合格率であり、実務経験者の合格率は74.4%とほぼ同じです。

協議会では、養成講座修了生も、実務経験者も、きちんと対策すれば合格するということが明らかになっていると言えますね。

今さらですが、JCDAでは、「『経験代謝』としてのキャリアコンサルティング」を採点しているとしか思えませんし、経験代謝を知らずに受験するのは無謀と言えるレベルです。

協議会とJCDAの実技評価姿勢の違い

キャリ魂塾は、受験生ファーストですから、協議会の悪い点は批判しますが、養成講座修了生と実務経験者に差があまりない点については、JCDAが酷すぎる分、評価できると思います。

さすがにここまで大きな差がつけば、どちらがより「キャリアコンサルタントの在り方」を幅広くとらえているか、火を見るより明らかですしね。

(ちなみに、この合格率の乖離についても平成29年に厚生労働省を訪問し、指導監督の必要性を伝えましたが、厚生労働省は相変わらずやる気がないようです。)

なお、この養成講座修了生と実務経験者の合格率の差について言及せず、単純に「協議会の方が合格しやすい」と事実を歪曲(養成講座修了生に限れば、ほぼ同じ又はJCDAの方が合格率が高いこともままある)し、JCDAに忖度するような講師は、協議会受験での合格者を貶めるものであり、キャリアコンサルタントとして公正な態度とは言えません。

名称独占資格に合格者数の調整はない。

最後に、Twitterでもお伝えしましたが、合格者数が増えると食えないとか食えるとか言う方がいますが、それは一切関係がありません。

業務独占資格であれば、その業務ができるのは合格者(=資格登録者)だけですので、人数調整を行うことに意味があります。

しかし、名称独占資格では、合格者数調整は不要です。

なぜなら「名称が独占なだけで、その業務は誰が行ってもいい」のですから。誰がやってもいい業務に人数調整など必要ありません。

なので、人数を絞りたいから合格率を下げる、という考え方は本来「名称独占資格試験」にはそぐわないということになります。

あくまで、その「名称を独占できるに足る」知識・技能水準が上がっている、と考えるべきですね。

さて、いよいよ第11回試験の願書締め切りが近づいてきました。

あなたはどっちの試験団体で受験しますか?

そして、合格された方、本当におめでとうございました!!!!!!!

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