資格で理想のライフスタイルを実現する、キャリ魂塾のキャリ魂太郎です。
このエントリーでは、キャリアコンサルタント面接ロールプレイ試験(以下、面接試験)の練習でよく問題になる「クライエント役」からの間違った「振り返り」を解説しています。
Contents
「超重要ポイント」それは「『クライエント役』は評価採点しない」こと

面接試験の練習が上手くいかないんです…

面接試験の練習が上手くいかないんですね。
具体的にはどんなところで上手くいかないと感じるんですか?

養成講習の同期の方と練習しているんですが、後から「●●という発言で傷ついた」と言われたりすることが多いんですが、面談中は全然そんな感じじゃないので全く気付けなくて…

振り返りで相談者から「傷ついた」と言われてしまうんですね。
それは、実は多くの場合採点・評価に関係ないと考えられるので、気にしないことですね

え?どういうことでしょうか

では、今日はその点を解説しますね
採点・評価をするのは「2人の試験官」であり、「相談者役」ではない
面接試験では、実は「クライエント役」は採点に関与しません。
だから、超重要なことをここでお伝えします。
本当に大切なことなので、このエントリーを読んだ方は、それだけで面接試験への考え方が変わるかもしれません。
それは
「『クライエント役』が面接試験中にどう思ったかは、『表情・態度・言葉に出さない限り』一切関係しない」
ということです。
逆に言えば
「あなたがクライエント役をやっていて、キャリアコンサルタント役の言葉で感じた気持ちは、採点・評価ポイントとして相手に示さない限り、関係がない」
ということなんです。
なぜなら、採点・評価をするのは「2人の試験官」であり、「相談者役」ではないからです。
ロールプレイケース
例えばこういったロールプレイなら、どうでしょう。

今の職場で上司と上手くいかないので、辞めたいんです…

上司と上手くいかなくて、辞めたいとお考えなのですね。
辞めた後のことについて、どのようにお考えですか?

今の職場は嫌ですが、一般事務は好きなので転職して同じ一般事務で働きたいと思っています。

今のお仕事は気に入っておられるのですね。
ただ、現在桜木さんの通勤圏内での一般事務の求人倍率は0.3倍となっていますね…
人手不足とは言われるのですが、一般事務での再就職は長期戦になる方も少なくありません。
もう一度、今の職場でどうやったら働き続けられるかを考える方が、桜木さんにとってメリットがあると思うのですが…
ロールプレイケースの解説

このようにキャリコン役が言ってきたら、桜木さんはどうお感じになりますか?

「辞めたい」という気持ちに、寄り添ってくれていないかな?と思ってしまいます。

そうですよね。
私も桜木さんと同じように感じると思います。
でも「試験官」が同じように思うとは限らないんです。

どういうことでしょうか?

下記の資料を読んでみて下さい。
これは日本の企業内キャリアコンサルティングには『リテンション』機能があることを肯定しているものです。
つまり、「辞めたい気持ちを翻意させる」「引き止める」ことが重要な機能として紹介されているんですね。
なので、この資料を重視する試験官なら、「情報提供とリテンションができている」と評価する可能性がないとは言えません。

「引き止め前提」なんて、あり得ないと思いますが…

その「あり得ない」ことが肯定されているのが、日本の企業内キャリアコンサルティングの現状※なんです。

驚きました…

そもそも「感情」は人によって違います。
情報提供が嬉しいと感じる相談者もいれば、感情に寄り添って欲しいという相談者もいます。
分かりやすく表情に出してくれたり、態度で示してくれたのに気づかずに進行してしまったならともかく、感情を表に出さず、振り返りで傷ついた、寄り添ってくれなかったというようなフィードバックには何の意味もありません。

なるほど…
※企業内とされていることに注意。出題では「外部の支援機関」などと指定されているケースが多い。
後出しで感情を出さない
しっかりと態度や言葉で不快感を示したにもかかわらず、キャリアコンサルタント役がそれに気づかなかったのならば、キャリアコンサルタント役が反省すべきポイントとして活用できます。
それは「客観的に採点・評価が可能」だからです。
しかし、そうではなかったのにフィードバックの場で後出しするのは「クライエント役が下手」なだけであり、「採点・評価は不可能」なので意味がありません。