資格で理想のライフスタイルを実現する、キャリ魂塾のキャリ魂太郎です。
このエントリーでは、キャリアコンサルタント面接ロールプレイ試験(以下「面接試験」)で絶対に質問しなければならない、キーワードの解説をしています。
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キャリ魂太郎の3分ロールプレイ実演を読む
下記はキャリ魂塾の面接ロールプレイ対策講座で、実際の面接試験出題事例を用いて、私が行ったキャリアコンサルティングです。
読んでみて下さいね。
※「桜木さん」は、協議会で出題された同設定のクライエントの名前(キャリ魂塾では過去に出題された事例を使ってロールプレイを行います)。

会社から北海道への転勤を言われたんですが、そのお話を受けようかどうか迷っているんです。

会社から北海道への転勤を言われ、そのお話を受けるかどうか迷われているということですね。
どういったことで迷われていらっしゃるんでしょうか。

はい、北海道なんて、住んだことも行ったこともなくて、不安だし、支社長として現地で一から採用なども10人程度行ってくれと言われていますが、管理職の経験もありませんのでそういった点についても不安です。
また、母が心臓病を患っていますので、私が北海道に行くとなると、母をこちらにおいて行くのも不安ですが、連れて行くと言っても病院などの問題もあってどうしていいのか分からないし…
ただ、会社というか上司には「期待している」と言われていて、断るのも期待を裏切るようで…いったいどうしていいのか分かりません。

なるほど、そういった点で不安や迷いがあるということなんですね。
※実際の面接ロールプレイ試験では、ここで「要約(確認)」を行いますが、今回は「キャリアコンサルティングの要諦」を伝えることがメインであるため、要約を割愛しています。

はい。

そういったことを、こちらにお越しになるまでにどなたかに相談されましたか?

いいえ。

どなたにも相談されなかったんですね。

はい…
あ、付き合っている男性がいるんですが、彼には相談しました。

お付き合いされている方がいらっしゃるんですね。
相談したとき、彼はどんな反応でしたか?

「いい話じゃないか」って。

彼には「いい話じゃないか」って言われたんですね。

はい

彼にそう言われて、桜木さんはどうお感じになりましたか?

はい…正直、「え?引き止めてくれないの?」って思いました。

引き止めて欲しかった?

はい。

どうして引き止めて欲しいって思ったんでしょう。

はい、私も今32歳ですし、彼とは結婚もしたいと考えていましたし、子どもなど私なりのライフプランもあったので…

桜木さんは、彼との今後を結婚も含めて考えておられたんですね。
そういったお考えをお持ちということを、そのときに彼にお話しされましたか?

いえ、なんだかそのときはあっけにとられて…

では、もし彼が「北海道に行かないで欲しい、自分と結婚してほしい」と言ったら、桜木さんはどうされますか?

北海道に行くのは断って、彼と結婚します。

では、そこをもう一度しっかりと彼と話合いするということがまず必要という風に感じられますが…
もしかすると、その彼の「いい話じゃないか」という答えが、桜木さんのお悩みの根本にあるのかもしれませんね。

確かに、仰る通りですね。
彼がどう考えているのか、きちんと確認したいと思います。

そうですね。
では次回こちらにお越しになられるときは、そのお話の結果で進めましょうか。

わかりました。
なんだかモヤモヤしていたのが凄くすっきりしました。
ありがとうございます。
Fin
キャリアコンサルティングは「構造化」する必要がある。
いかがでしょうか。
これは、協議会の面接ロールプレイ試験で、実際に出題された事例に基づいた、キャリ魂塾での私と塾生のロールプレイでのやりとりです。
もちろん実際の試験時には、ラポール構築の時間を取って15分を構成しますので、このように短くは終わらせません。
面接ロールプレイ試験は、「3分で『答え』を出しても『評価されない』試験」だからです。
が、この部分での構成自体は変わりません。
それは私が「カウンセリングを構造化している」からです。
既に、キャリアコンサルティングの構造化については、下記でお伝えしました。
では、この部分での構造化とはなんでしょうか。
それは「必ず」私に相談に来るまでに、誰かに相談したかを確認する。

そういったことを、こちらにお越しになるまでにどなたかに相談されましたか?
これです。
これも、「キャリアコンサルタントの基本書」とキャリアコンサルティング協議会が推す、「キャリアコンサルティング理論と実際 5訂版」(木村周 雇用問題研究会 通称「木村本」)P306に記載されています。
カウンセラーは、クライエントがその援助を求めていることについて、既に誰かに援助を求めたかどうか知る必要がある。
(引用:「キャリアコンサルティング理論と実際 5訂版」(木村周 雇用問題研究会)P306)
「既に誰かに援助を求めたか」は質問しなければならない
このように、「ここに来るまでに、誰かに援助を求めたか(誰かに相談したか)」は、キャリアコンサルタントが「知る必要がある」ことの1つです。
しかしこれを「クライエントは、誰にも相談できないからキャリアコンサルタントに相談しに来たのだから、そんなことを確認するな」と指導する講師もいると聞きます。
そういった講師は、2つの点で勉強不足です。
1つは、「キャリアコンサルタントの基本書」である「木村本」を読んでいない。
2つに、「誰にも相談できないから来たのだ」という準拠枠でクライエントを判断している。
いかがでしょうか。
キャリ魂塾は、「受験対策塾」だからこそ、「キャリアコンサルティングの基本書」である木村本をベースに指導しており、それはキャリアコンサルティング協議会を対象とした受験指導に限れば「絶対」のルールの一つなんですね。
このルールを徹底して指導しているからこそ、キャリアコンサルティングが構造化でき、合格が近づくわけです。
「誰にも相談できないからここに来た」を恐れるな
「こちらに来られるまでに、どなたかに今日のことについて、ご相談されましたか?」と確認すると、「誰にも相談できないから来たんです!」と相談者に怒られることを恐れる受験生は少なくありません。
そういった受験生には、私は下記のように伝えるよう、お話しています。
「大変申し訳ありません。キャリアコンサルティングに際しては、相談者の方の貴重なお時間を頂くことですので、例えばこれまでに他のキャリアコンサルタントの方に相談された結果や、上手くいかなかった場合はどういったことで上手くいかなかったのかを確認させて頂くことで、より効果的にお話を伺うことができますため、どなた様にも確認をさせて頂いております」
これで良いわけです。
例えば、他のキャリアコンサルタントにも相談していて、こちらがセカンドオピニオン的なケースもあるかもしれません。
また、「他のキャリアコンサルタントは聴くだけで何も進まなかった」という感想をお持ちかもしれませんよね。
さらに言えば、家族や上司に相談したうえで、より悩みが深まることもあるでしょう。
「家族や上司はキャリアコンサルティングのプロではない」のですから。
そういったことを把握するために「自分のところに来るまでに、誰かに相談したかどうか」は、「必ず」確認する。
これが、「キャリアコンサルティングの基本」であり「構造化」です。
そして、その「キャリアコンサルティングの基本」ができていたからこそ、

はい、北海道なんて、住んだことも行ったこともなくて、不安だし、支社長として現地で一から採用なども10人程度行ってくれと言われていますが、管理職の経験もありませんのでそういった点についても不安です。
また、母が心臓病を患っていますので、私が北海道に行くとなると、母をこちらにおいて行くのも不安ですが、連れて行くと言っても病院などの問題もあってどうしていいのか分からないし…
ただ、会社というか上司には「期待している」と言われていて、断るのも期待を裏切るようで…いったいどうしていいのか分かりません。
こういった一見複雑な問題であっても、3分で満足して頂けたわけですね。
もちろん、毎回そうなるわけではありません。
例えば、今の桜木さんのケースでも、「でも、彼の気持ちを確認するなんて怖くて…」と話が続く可能性もありますよね。
そうなると、この「彼の気持ちを確認するのが怖い」というのが「クライエントが本当に相談したい問題」になってきます。
そういうとき、どう対応するか。
それは講座でのお楽しみです笑
「ご家族に相談しましたか」、「上司に相談しましたか」、「奥様に相談しましたか」身近に相談できる人がいて『その人達に相談した上で』、わざわざキャリコンに相談しに来たのです。身近な人に『相談した』のに『なぜ』キャリコンに相談するのか?身近な人は『素人』だからです。#キャリコン
— キャリ魂太郎 (@career_19) October 14, 2019
