このエントリーでは、キャリアコンサルタント面接ロールプレイ試験(以下「面接試験」)における、キャリアコンサルタントの「態度」として、「嫌われること」と「ラポール」は別であることを、手塚治虫の「ブラックジャック」を用いて解説しています。

※本ブログでは、「キャリアコンサルティング協議会が指定試験機関として実施する面接試験」について対象としており、日本キャリア開発協会(JCDA)の面接試験は一切考慮しておりませんので、ご注意ください。

嫌われることを恐れて、「聴くべきこと」を聴けない受験生

キャリコン面接試験受験生の多くが、「嫌われること」を恐れています。

しかし、もともと「嫌われること」と「ラポール」は、何も関係がありません。

その最たる例が、ブラックジャックです。

(©手塚治虫 秋田書店)

このふてぶてしい態度。

しかし、クライエントが「命の危機」に陥ったとき、心に浮かぶのは、「大嫌いな」この男です。

ライバルもそうですね。

普段は嫌いだし、積極的に関わりたいと思わない。

しかし、「いざ」というときには、必ず連絡する。

敵に囲まれた、そんな「ピンチ」に陥ったとき、背中を預けることができる。

この「信頼」がラポールです。

あなたもそうではないでしょうか?

①ニコニコして優しいけれど、腕は今一つの医師

②モグリで医師免許はない、しかも高額…だけど「ほぼ確実に完璧に、ガンを切除することのできる、あなたの命を救うことのできる医師」。

当然、②を選ぶはずです。

「下手でもいい、先生に手術をしてほしい」

それこそ、「マンガの世界」にしかいないクライエントです。

嫌われることを恐れず、核心を穿て

キャリ魂塾の面接試験対策講座レジメには、初期から「嫌われることを恐れず、核心を穿(うが)て」と書いてあります。

「嫌われる」ことを恐れている受験生が、本当に多いからです。

しかし、あなたの「問いかけ」が、真に核心を穿つものであるならば、つまり「クライエントの苦境に道を拓く問いかけ」であるならば、嫌われることはまずありませんし、嫌われたとしても「ラポール」は生まれているんです。

嫌われることを恐れるのは「自分のため」であり、「クライエントのため」ではありません。

「合格したい」「試験官によく見られたい」「継続して来てほしい」etc.

このような「自分の利益」を考えてしまう。

だから、「言えない」。

しかし、本当にその「問いかけ」が、「クライエントの利益」になるのであれば、言えるはず。

それこそが、「嫌われることを恐れず(自らの利益を考えず)、相談者に寄り添える勇気」です。

「問いかけるべきことを問いかける」

先日アップロードした、キャリ魂塾の「ロープレ組手」もそうです。

私が、男性という立場であり、クライエントである女性に嫌われることを恐れていたら…

当然、聴けません。

しかし、「聴く」「問いかける」。

勇気をもって「核心を穿つ」。

それは「自分が嫌われるという不利益」よりも、「クライエントの悩みの一助になる」ことを優先しているから。

そして「ラポール」とは、「専門家としての信頼」であり、好悪とは関係がない。

ご参考になりましたら、幸いです。