資格で理想のライフスタイルを実現する、キャリ魂塾のキャリ魂太郎です。


このエントリーでは、キャリアコンサルティング協議会(以下「協議会」と言います)が実施する、国家資格キャリアコンサルタント面接ロールプレイ試験(以下「面接試験」と言います)における「口頭試問」のうち、「キャリアコンサルタントとして考える今回の相談者の問題点」(以下「見立て」と言います)などの構築法を、システマティックアプローチ理論に基づいて解説しています。

受験生が、面接ロープレ試験口頭試問を苦手とする理由は「理論の欠如」

面接試験は、15分のロールプレイパートと、5分の口頭試問パートに分かれます。

この5分の口頭試問パートでは、基本的※に下記の「5つの問い」が問われます。

口頭試問で問われる可能性の高い「5つの問い」

・今回のキャリアコンサルティングで「良かった」と思う点
・今回のキャリアコンサルティングで「改善したい」と思う点
・今回の相談者が相談したかった問題
・キャリアコンサルタントとして、あなたが考える相談者の問題
・キャリアコンサルタントとして、今回の相談者に対し、今後どのような支援を行っていきたいか

この5つが、口頭試問で問われる可能性が高いとされる「問いかけ」です。

※この5つは、問いかけられる順番や、組合せ(例:「今回のキャリアコンサルティングで「良かった点」と「改善したい点」を答えて下さい」など)、また「どの段階でラポールが出来たと感じられるか」など、バリエーションがあります。あくまで「過去問」としての「口頭試問」であり、「これまでの口頭試問における、基本的な傾向」ということでご理解ください。

この5つを、5分で答える。

養成講習を修了した時点では、これができない受験生がほとんどです。

時間内にできているとしても、多いのは例えばこんな「良かった点」。

「良かった点は、相談者の話を丁寧に聴けたことです」

…それって「主観的」過ぎませんか?

このような「自己評価」では、実技合格に達するのは難しいでしょう。

なぜ、口頭試問での応答がしっかりとできないのか。

その理由の1つが、「ロールプレイが終わってから、振り返って考えている」からです。

言い方を変えれば、理論に基づかない「行き当たりばったり」の「出たとこ勝負」なんですね。

これを「事前情報に囚われず、クライエントの話を聴く」とリフレームすることもできるし、それがダメというわけでもありません。

これは、このキャリアコンサルタント養成・試験対策業界では当たり前の「支援スタイルの違い」なんです。

キャリ魂太郎キャリ魂太郎

ちなみに私のキャリアコンサルティングや心理カウンセリングは、初日2~4時間という長時間で実施したり、催眠療法的アプローチを組み込んだりなど、割と「出たとこ勝負」ですが、これも「クライエントに合わせた変幻自在なアプローチ」とリフレームできます笑
これは、実務と試験対策での「アプローチ」の違いと考えて下さい。

口頭試問は、試験対策としては「20分」で、「理論を使って」考える

現実的に多くの受験生にとって、試験対策的に言えば、ロールプレイパートが終わってから、「振り返って」口頭試問での「問いかけ」について、それぞれ考えていたのでは、時間が足りません。

では、どうするのか。

口頭試問で問われると考えられる、5つの問い。

このうち、「今回の相談者が相談したかったこと」「見立て」「今後の支援」。

この3つは、「ロールプレイの15分」だけではなく「出題事例を与えられた『入室前の5分』」で構築していくのです。

これは、事例が事前に送付される1級2級受験生にとっては、当たり前に行われている「アプローチ」ですし、協議会もそれを許容(あるいは推奨)しているからこそ、「事例の事前送付」をしているわけですね。

一つの例を挙げます。

「入室前の5分」で「見立て」を立てる例

事例概要
氏名 鈴木一郎
年齢 47歳
家族構成 独身 両親は遠方に別居
来談目的
大学を卒業後、今のファミリーレストランで25年働いているが、このコロナウィルスの問題で業績が思わしくなく、上司から「万一のことを覚悟しておくように」と言われ、転職を考えはじめた。しかし25年働いてきたといっても、ファミリーレストランの厨房で、ほとんどセントラルキッチン方式のため調理経験というほどのものもないため、どうしたらよいのか分からず来所。

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概ね、こういった「来談目的」が、入室前に配布される資料に記載されています。

この資料を読み終えた。

その時点で、試験対策としては「自己理解不足」「仕事理解不足」「労働市場理解不足」「キャリアビジョン不足」の4つの問題が「あるであろう」ことが頭の中に浮かばなくてはいけない。

逆に言えば、この段階で(つまり面接試験室に入る前に、出題事例を与えられたときに)、ほぼ「見立てが立てられる」わけです。

なぜ?

きちんとした「経験」がある。

もしくは「経験に代替する練習」を行ってきた。

そうすれば、この鈴木さん

・『おそらく』転職活動をしたことが無いのではないか
・『おそらく』まだハローワーク等にも行ったことが無いのではないか
・『おそらく』勤務可能圏の労働市場についての知識が無いのではないか
・『おそらく』25年間培ってきた、自らのキャリアに関する「自己理解が足りない」のではないか

といった、鈴木さんという相談者の問題が「システマティック」に浮かぶようになっているはずだからです。

こういった問題に対して「システマティック」に「対応する」。

それが、あなたの学んだ「システマティックアプローチ」((半)構造化支援)という「理論」なんです。

つまり、ロールプレイの15分は、事例を与えられた時点で構築した「見立て」(この時点では「仮説」)が、正しいかどうか、システマティックアプローチという「理論」(の一部)に沿って、確認(検証)していく時間なんですね。

誤解のないように言っておきますが、これは当然「傾聴」と相反するものではありません。

そして、私が知る限り、どの養成講習機関の指導よりも、「キャリアコンサルタントの基本書」である「キャリアコンサルティング理論と実際」そして「新版キャリアの心理学」に基づいた「アプローチ」なんです。

ロープレ15分は「事前情報に基づいて立てた『見立て』を『傾聴』により『検証』する時間」

ロールプレイ試験の15分、そして事前情報を読むために与えられた5分。

この試験制度の裏に隠された真実(=非言語メッセージ)

それは…

「事前情報に基づいて、自らの立てた「仮説としての見立て」を、「傾聴」により「検証」する。」

これを15分で行いなさい。

キャリ魂塾ではこのように推測しています。

この裏付けとなるのが「学科試験の出題論点」です。

例えば、渡辺三枝子先生が渡辺本で述べ、また第10回キャリアコンサルタント学科試験問33で出題されているのが、下記です。

・理論はキャリア・カウンセラーが遭遇した現象・事実を説明・解釈・整理する手がかりとなる
・理論は仮説を生み出すための基盤となる

(出典:「新版キャリアの心理学 第2版」渡辺三枝子編著 ナカニシヤ出版)

いかがでしょうか。

事前情報に基づいて、「見立て(仮説)」を、「傾聴」により「検証」し、口頭試問に備える

話を戻しますね。

事例概要
氏名 鈴木一郎
年齢 47歳
家族構成 独身 両親は遠方に別居
来談目的
大学を卒業後、今のファミリーレストランで25年働いているが、このコロナウィルスの問題で業績が思わしくなく、上司から「万一のことを覚悟しておくように」と言われ、転職を考えはじめた。しかし25年働いてきたといっても、ファミリーレストランの厨房で、ほとんどセントラルキッチン方式のため調理経験というほどのものもないため、どうしたらよいのか分からず来所。

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協議会では、こういった内容の「来談目的」が、事前に手渡され、目を通しておくように言われます。

つまり、「この段階で、見立てを「仮説」として立てる」ことができます。

その上で、ロールプレイがスタートし、

鈴木さん鈴木さん

私は、大学を卒業後、今のファミリーレストランでもう25年働いているのですが…このコロナウィルスの問題で業績が思わしくなく…上司から「万一のことを覚悟しておくように」と言われ、転職を考えているのですが、25年働いてきたといっても、ファミリーレストランの厨房で、ほとんどセントラルキッチンで電子レンジや湯煎、焦げ目だけ付けるといった感じで調理経験というほどのものもないし…どうしたらよいのか分からず相談に来ました


このように、相談者役が「相談したいこと」を伝えます。

当然これはキャリアコンサルタント役受験生にとって、「既に知っている」ことです。

なので、キャリアコンサルタント役が、この15分ですべきことは、「ただ傾聴する」のではありません。

1.寄り添い(ラポール構築=「二重の不安」の解消)
2.見立て(仮説)検証
3.今後の支援(目標設定・方策)まで仮説として立てられていれば、その検討

この3つと、あと1セット。

それが「良かった点」「改善すべき点」です。

「良かった点」「改善すべき点」を、「相談者役と自分自身を観察しながら」考える。

仮説検証にばかり意識が向いてしまい、目の前の相談者を置き去りにしていないか?

自分の関わり方は、相談者役にとって「安心安全」になっているか?

つまり「相談者に意識を集中するだけでなく、『関与しながらの観察』(サリバン)を行う」

これが出来る。

だから「支援の専門家」のお墨付きである「国家資格」が得られるわけです。

ただ「話を聴いて伝え返す」だけでいいと、そのように厚生労働省(国)が考えているなら「キャリア理論」や「労働法」など一切勉強する必要はありませんし、事前の事例配布も必要ありませんよね。

国家資格「伝え返し士」になっているのではないでしょうか。

「今後の支援」も修正が必要

入室前に、「見立て」が構築できるなら…

もっと言えば、入室前に「今後の支援」まで構築できるはずですよね(^_-)-☆

ただし、「見立て」がこの段階では仮説である以上、「今後の支援」も当然仮説に基づいています。

なので、「目の前の相談者の発した言葉」に基づいた修正が必要です。

この点もぜひ注意して下さいね。

おまけ:「発達理論」から「見立て」るなら?

システマティックアプローチ理論に基づいた「見立て」がこのエントリーならば、「発達理論」に基づいた「見立て」はどうなるでしょうか。

それは↓でどうぞ。

キャリ魂塾の面接ロープレ講座で「キャリアコンサルティング」を学ぶ

どの養成講習団体の指導とも全く異質。

なのに合格率と受講生の満足度は群を抜き、口コミ(紹介)での受講が多くを占めます。

それはキャリ魂塾の面接指導が「キャリアコンサルタントの基本書」である、木村本に準拠し、「発達理論」や「トランジション(転機)理論」を駆使して行うことはもちろん、更には19年の実務経験と、労務の専門職である社会保険労務士、心理の専門職である公認心理師という資格知識で磨かれた「プロ」の面接指導だから。

「テンプレ」のように、ひたすら「オウム返し」だけ。

そんな15分で試験官に「カウンセリングの進め方を体系的に理解」(キャリア・コンサルティング実施のために必要な能力体系)していると評価されるでしょうか?

何より、「キャリアコンサルタント試験」は「オウム返し試験」ではありません。

「キャリアコンサルタント」として必要になる「本当の実力」を身に付けたい方のための、10時間耐久ロープレサーキット。※
※受講者が6名の場合、10時間となります。

それがキャリ魂塾の「国家資格キャリアコンサルタント面接ロールプレイ試験対策講座」です。