このエントリーでは、キャリアコンサルタント面接ロールプレイ試験対策(以下、「面接試験」)に限らず、通常の面談の場でも「なるほど」を使用することに何も問題はないことを、「根拠」に基づいてお伝えしています。

キャリ魂塾では「なるほど」を問題視しません。

「服装」、「なるほど」。

この2つは、受験生にとって、意外と大きな悩みのようで、毎回少なくないご質問を頂きます。

キャリ魂塾では、キャリアコンサルティングの場で「なるほど」を使うことについて、全く問題視していません。

その理由は…論より証拠、ということでお2人の先生の著作を紐解いてみましょう。

小宮昇先生「マンガでやさしくわかる傾聴」

(出典「マンガでやさしくわかる傾聴」 古宮昇著 サノマリナ作画 日本能率協会マネジメントセンター)

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いかがでしょうか。

(ラインマーカーは、私が大事と思うところに入れているものです。)

私は少なくとも、面接試験は「マナー」の試験ではないとお伝えしてきました。

そして、心理学博士、公認心理師、臨床心理士、米国フロストバーグ州立大学大学院を首席卒業というキャリアを有する、古宮昇先生も「なるほど」の使用を否定していません。

(「大きく」「たくさん」うなずくのように、「普段よりもオーバーにする」点についても述べられていますね。)

福原眞知子先生「マイクロカウンセリング技法」

2例目は、もう少しキャリコン試験受験生に身近な方を挙げてみます。

学科試験でも頻出、マイクロカウンセリングの福原眞知子先生の著書から。

(出典「マイクロカウンセリング技法-事例場面から学ぶ-」福原眞知子監修 風間書房 P36)

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いかがでしょうか。

こちらは「良い例」として紹介されている逐語録から引用しましたが、ここでも「なるほど」を相談員(カウンセラー)が使用しています。

その他、渡辺三枝子先生の書籍などでも「なるほど」は使用されています。

さて、これで「根拠」はもう十分ですよね。

「なるほど」が評価なら「確かに」も評価である。

「なるほど」を使うな、という人の中には、下記のような意見を述べている人もいます。

相手の言うことに、確かにそうであるという評価を下して同意する」という意味合いがある

(引用:https://eigobu.jp/

ふむふむ。

そして、「なるほど」の代替語として、「確かに」や「勉強になります」を使うことを推奨しているサイトもあります。

しかし、「評価を下して同意する」のが失礼という論法なら、「確かに」は「確かか不確かか、評価を下して同意している」し、「勉強になりました」は「勉強になったかならないか、評価して同意している」ので、失礼ということになりますね。

この矛盾まで含めて、きちんと解説していないのであれば、片手落ちです。

「マナー」と「キャリアコンサルティング」を混同しない

あなたが「なるほど」を使わないのは自由ですが、それはあえて言えば、「マナー」の世界の話です。

面接試験は「マナー」の試験でしたか?

面接試験が、「マナー」の試験なら、入室時のノックの回数、面談中の尊敬語や謙譲語、おじぎの角度も採点されているかもしれませんね。

私は面接試験を「マナー」の試験と考えていませんので、「なるほど」については多用しすぎている場合を除いて、一切気にしません。

面接試験は「マナー」ではなく、「キャリアコンサルティング」ができているかを評価している試験です。

「なるほど」で壊れるラポールしか構築できないのが問題

仮に、マナーの世界で「なるほど」がマナー違反という考えが優勢であったとしても、それはまだまだ論争があり、確定した「常識」とは言えないでしょう。

少なくとも、キャリアコンサルタント試験は「マナー」の試験ではないし、キャリアコンサルティングは「マナー」の時間ではありません。

「なるほど」に変わる自然な言葉が出てこず、ぎくしゃくした面談時間になってしまうくらいなら、使えばいいのです。

クライエントの相談に対して、「意味がある」時間を提供することの方が比較する必要もないくらい重要なことです。

なにより、「なるほど」を使ったくらいでラポールが壊れるのならば、それは、その程度のラポールしか構築できていない未熟さを問題と捉えなければならないんですね。

ちなみにこれは「メモ」も同じです。

メモを取るとラポールが壊れる、のではなく、「メモを取ったくらいで壊れるラポールしか構築できない未熟さ」、これが問題なんですね。

蛇足ついでに、「なるほどですね」の多用はイラっとする人が多いように思いますので、私は使いません。