このエントリーでは、キャリ魂塾の面接ロールプレイ試験対策講座での指導として行っている、「はい、分かりました」の禁止について、解説しています。

なぜ「はい、分かりました」はダメなのか

キャリ魂塾の面接ロールプレイ試験対策講座(以下、「面接講座」)では、「はい、分かりました」を禁止しました。

同様に、「はい、ありがとうございます」も禁止だし、「はい、そうなんですね」も禁止です。

意味あいは全て同じですので、ここでは「はい、分かりました」の禁止について、解説していきます。

「はい、分かりました」はラポールを壊す

最も大きな理由は、「はい、分かりました」はラポールを壊すからです。

例えばこんな応答がよくあります。

鈴木さん鈴木さん

解雇されたので、転職活動しているのですが、なかなか決まらなくて…


土本さん土本さん

解雇されたので、転職活動をしているんですね。差し支えなければ、解雇の理由について教えて頂けますか?


鈴木さん鈴木さん

解雇の理由ですか?私の営業成績が良くないからです。


土本さん土本さん

はい、分かりました。営業にやりがいはありましたか?

営業成績が良くない、それは「誰と比べて」良くなかったのか、「どのくらいの期間」、良くなかったのか」、「本当に」営業成績が理由なのか、等、この応答では「何も分からない」。にもかかわらず「はい、分かりました」と答えている。

この土本さん、いったい鈴木さんの「何が分かった」のでしょうか。

何も分かっていません。

何も分かっていないのに「分かった」と「思い込んでいる」だけです。

表面的な応答で「分かったつもり」になっている。

そんなキャリアコンサルタントとの間に、ラポールが生まれるでしょうか?

そして、この応答ですが、「何のために」解雇の理由を確認したのかが分かりません。

クライエントからすれば、「何のために解雇の理由を話させたの?」という不信感が生まれます。

「不信感が生まれる」つまり、ラポールが壊れた・低下したということなんですね。

「はい、分かりました」は「ヒアリング」感が強い

そして、「はい、分かりました」「そうなんですね、ありがとうございます」「はい、そうなんですね」などに共通することですが、この言葉を使うと「話題がいったん終了した」感じを与えてしまいます。

上記の応答も、なんだか冷たいやり取りのように感じますよね。

そう、これらの言葉を繰り返すと、カウンセリングというより「ヒアリング」感が強くなってしまいます。

あなたも、YouTubeなどで表示される、「アンケート」に答えるのって、意外と嫌いだったりしませんか?

アンケートって、「アンケートを求める人のため」のもの。

なので、答えた人にはたいていメリットが無いですし、「アンケートに答えても、その意図が説明されない」からです。

ヒアリングではなく、カウンセリングをしよう

「キャリアコンサルティング」と銘打たれているものの、試験的には、「カウンセリング」的なアプローチが必要であることは言うまでもありません。

「ヒアリング」は、クライエントには何のメリットもなく、ラポールを壊すリスクが高いものです。

そして、ヒアリングになってしまうのは「はい、わかりました」「そうなんですね、ありがとうございます」「はい、そうなんですね」などの、「話題を終わらせる力を持つ言葉」です。

面談がヒアリングになりがちな方は、これらの言葉を封印してみてくださいね。