資格で理想のライフスタイルを実現する、キャリ魂塾のキャリ魂太郎です。


このエントリーでは、カウンセリング技法である「要約」について、正しく行うためのポイントを解説しています。

キャリコン面接の開始時点での「要約」が重要な理由

キャリアコンサルタント面接試験(協議会実施分を意味します。なお本ブログは特に断りのない限り、全て同様です)において、ほぼ100%、相談者役は自分から「相談に来た理由」を話し始めます。

面接試験が難化傾向に入ると、この「相談に来た理由」が複雑かつ冗長になることも考えられます。

こういった、複雑・冗長な「来談理由」に対して、受験生が行うのが「要約」という技法です。

そしてこの「要約」は、協議会試験においては、非常に重要なポイントであると考えられます。

医療で言えば、「お腹が痛い」と訴えている患者に対して、「頭痛薬」を処方するような「日本語を理解できない」人に、医師免許を与えるわけにはいきませんよね。

どんなヤブ医者でも、「相談に来た理由」くらいは分かるはずです。

それと同じで、「相談に来た理由」が把握できない人が合格することは、まずあり得ません。

それこそ「話が聴けない人」だからです。

「要約」3つのコツ

「要約」の重要なコツは、下記の3つです。

・内容を3割程度にまとめる。
・3割は「重要」なエッセンスである。
・相手に与える印象を変える。

こちらの解説をしますね。

内容を3割程度にまとめる。

例えば相談者が、このように「来談理由」を話したとしましょう。

鈴木さん鈴木さん

私は、大学を卒業して以来、33年に渡って、今の銀行で働いてきました。しかし、他の銀行さんは知りませんが、うちの銀行の場合、55歳で役職定年制になるんですね。
その役職定年制にならない人もいて、その人たちがいわゆるエリートコースということになります。このエリートコースに乗るために、今まで家庭も顧みず頑張って仕事に打ち込んできたのですが、その努力の甲斐なく、私も役職定年の対象者となってしまいましてね…情けない話です。
給料も大幅に減ったし、かつての部下からも、肩書で呼ばれるのではなく、名前で呼ばれるようになり、なんだか人間関係もむなしいし…いっそのこと辞めようかと思っているんですが、この業界しか知らないし、もう55歳を過ぎて再就職も不安だし、会社の再就職支援制度を使うのも何だか癪に障るし…
それで今日はお恥ずかしい話なんですが、相談に来たんです。

約370文字。

これを多少ゆっくりと感情をこめて口にすると、概ね1分程度です。

NHKのアナウンサーの話すスピードが、概ね1分300文字とされますので、360文字を1分で話すのは、ほぼ標準的と言えます。

この1分を「要約」するのですから、20秒~30秒ということになります。

土本さん土本さん

鈴木さんは、大学を卒業して33年今の銀行で働いてきた。しかし、鈴木さんの銀行の場合、55歳で役職定年制になるんですね。
その役職定年制にならない人もいて、その人たちがいわゆるエリートコースだと。このエリートコースに乗るために今まで家庭も顧みず頑張って仕事に邁進してきたのですが、努力されたけれども、鈴木さんも役職定年の対象者となってしまったと。
給料も大幅に減ったし、かつての部下からも、肩書で呼ばれるのではなく、名前で呼ばれるようになり、なんだかプライドも傷つく。
いっそのこと辞めようかと思うけれど、銀行業界しか知らないし、もう55歳を過ぎて再就職も不安だし、会社の再就職支援制度を使うのも何だか癪に障る…
それで今日は相談に来たということでよろしいでしょうか。

約320文字です。

これでは、「要約」になっていません。

少し削っただけです。

さらに、「え~」「その~」などが入ることがほとんどですから、このような「要約できていない要約」では、この段階で2分が経過してしまいます。

「要約」とは「要点」を「集約」しているのですから、もっとダイナミックにカットします。

キャリ魂太郎キャリ魂太郎

鈴木さんは、33年間今の銀行で一所懸命働いてきた。しかし、その姿勢は評価されず、役職定年の対象者となり、いっそ辞めようかとも考えていらっしゃる…
しかし転職には不安もあるし、会社の支援制度を活用するのも思うところがあり、今日は相談に来られたということでよろしいでしょうか。

これで、約135文字です。

概ね7割をカットできました。

これが、カウンセリング技法としての(国語のテストではない)「要約」です。

3割は「重要」なエッセンスである。

この3割は、当然「重要なエッセンス」でなければなりません。

こういった、重要な内容をまとめる際に使える技法が、「言い換え」です。

例えば、

1.「大学を卒業して以来、33年に渡って、今の銀行で働いてきました。」
2.「今まで家庭も顧みず頑張って仕事に打ち込んできた」

この2つの文章のポイントは、「一『所』懸命」です。

なので、この「一所懸命」で言い換えて繋げたのが、下記です。

1+2=「33年間今の銀行で一所懸命働いてきた。」

また、「例示」は不要なためカットします。

「給料も大幅に減ったし、かつての部下からも、肩書で呼ばれるのではなく、名前で呼ばれるようになり、なんだか人間関係もむなしいし…」

これは、結論である、「いっそのこと辞めようか」に至る「例示」ですので、カットします。

相手に与える印象を変える

例えば、ラポールもできていない状況で「私がバカだったんです」という相談者に対して、「ご自身がバカだと思われているんですね」とオウム返しをするようなアプローチでは、ラポールは構築できませんよね。

ここでは「「言い換え」を、「相手に与える印象を変える」技法と捉えて使用します。

例えば、「努力の甲斐なく」をそのまま「伝え返す」ことは、相談者を傷つける可能性もあります。

努力の主体は「相談者」
評価の主体は「会社」

なので「評価されず」という「『会社側』の問題」に置き換えます。

逆に「癪に障る」という感情をそのまま伝え返すのは、火に油を注ぐ結果になる可能性もありますので、「思うところがある」と言い換えます。

これが「技法」を複数活用した「要約」です。

更に言えば、この姿勢が「寄り添う」ということでもありますよね。

要約を練習する

私が受験生を指導してきて感じるのは、ほとんどの受験生が「要約」できていないということです。

例えば、「今お話しいただいた相談内容を一旦要約すると~」と言っているのですが、全く「要約」になっておらず、ただ「言われたことを何とか繰り返している」だけだったり、余計なこと(自分の考え)を付け加えたり。

要約するならば、「例示」をカットする、「結論を逃さない」など、学生時代にされた方もいるかもしれませんが、「新聞社説の要約」を練習することがスタートです。

その際は「自分の感情や言葉を入れず、社説内の言葉だけでまとめる」。

そして「まず半分にする」。

さらに「その半分にする」。

これが練習のポイントです。

要約の言い方:マウントワードに注意する

せっかく、上手に要約しても「要するに~」や「結局~」とまとめると、ラポールは一気に壊れます。

あなたも、会議で熱弁した後、他の人が「長々とお話頂きましたが、要するにオタクの言いたいことは~」と言われたら、カチンときますよね。

「要するに」「結局」「つまるところ」「端的に言えば」などは「マウントワード」です。

日常生活でも使わないように、気を付けてみて下さいね。

私のおススメは「確認する」という表現ですね。

学生時代の「国語」「現代文」の勉強、何の役に立つのかと思われたかもしれませんが、こういったところで生きてくるとは思いませんよね笑

これもプランドハプンスタンスですね。

キャリ魂塾の面接ロープレ講座で「キャリアコンサルティング」を学ぶ

どの養成講習団体の指導とも全く異質。

なのに合格率と受講生の満足度は群を抜き、口コミ(紹介)での受講が多くを占めます。

それはキャリ魂塾の面接指導が「キャリアコンサルタントの基本書」である、木村本に準拠し、「発達理論」や「トランジション(転機)理論」を駆使して行う、そして実践で磨かれた「プロ」の面接だから。

「テンプレ」のように、ひたすら「オウム返し」だけ。

そんな15分で試験官に「カウンセリングの進め方を体系的に理解」(キャリア・コンサルティング実施のために必要な能力体系)していると評価されるでしょうか?

何より、「キャリアコンサルタント試験」は「オウム返し試験」ではありません。

「キャリアコンサルタント」として必要になる「本当の実力」を身に付けたい方のための、10時間耐久ロープレサーキット。※
※受講者が6名の場合、10時間となります。

それがキャリ魂塾の「国家資格キャリアコンサルタント面接ロールプレイ試験対策講座」です。