キャリアコンサルタント試験は、やはり「試験」ですから、「現実」である「実務」とは違います。
その最大の違いは、試験は「理想論」でしかないことです。
現実的には、キャリア選択の幅は意外と狭い
現実の話をしてしまえば、当然のことながらキャリア選択の機会・選択肢は、年齢とともに限定されたものになっていきます。
例えば、従業員80名程度の企業の総務人事課で勤務されていた55歳の男性。
給与計算がメインで、部下というほどの部下はおらず、マネジメントの経験というほどのものはない。
会社でリストラされたが、思うような就職が決まらず、今回相談に来た。
こういったケースで、どんな転職が可能か。
となったとき、仮にあなたがハローワークで勤務しているキャリアコンサルタントなら、試験のように面談を構成することはまず難しいでしょう。
現実的には、こういったケースでの支援は、極めて限定されるからです。
試験では、理想論になる。
試験では実務のように、本人の可能性をキャリアコンサルタントが限定するような支援の仕方は、まず許されません。
それは「相談者のリソースを信じていない」態度になるからです。
試験では、実務、つまり現実ではありえないほど、「相談者のリソースを信じる」姿勢、言い換えれば「理想論」が必要です。
これが「試験と実務の最大の違い」です。
だから、試験では「もっと現実的に考えよう」、「アレもイヤ、コレもイヤでは、転職できる企業はないですよ」なんて天地がひっくり返っても許されないでしょう。
それは「相談者のリソースを信じていない」言葉だから。