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エリア88とは
エリア88をご存じ無い方もたくさんいらっしゃると思いますので、まずはWikipediaの解説をご紹介。
大手航空会社である大和航空のパイロット訓練生・風間真(シン・カザマ)は親友の神崎 悟と共にパリでの研修訓練を終了し、帰国後にパイロットとしての第一歩を踏み出すことになっていた。シンは社長令嬢・津雲 涼子との交際も順調でその将来を嘱望されていた。だが、研修終了後に神崎に呑みに誘われ泥酔したシンは、神崎の策略により激しい内戦の続く中東のアスラン王国傭兵部隊入隊の契約書にサインをさせられ、戦闘機乗りとして傭兵部隊に入隊する。
(引用:Wikipedia エリア88)
今読み返すと、いわゆる「なろう」系ですね笑
連載開始がなんと1979年ですから、ほぼ私と同世代。中学校の頃はよく読んだものです。アラフィフの方には非常に懐かしいマンガの一つかもしれません。
エリア88にみるプロの仕事
エリア88にゴルゴ13などは、いわゆる「プロフェッショナル」な仕事の仕方として、非常に参考になります。例えば主人公、風間シンの自己理解と仕事理解について、第1巻の第1話から。
(引用:エリア88 ©新谷かおる 小学館)
いかがでしょうか。作戦を理解し、そして罰金を5,000ドル支払っても、降りると判断したら降りる。この判断ができるためには「自己理解」(自らの空戦能力と戦闘機の能力の理解)と「仕事理解」(作戦理解)が必要です。(なお、このシーンだけではまだ分かりませんが、シンはもっと深いレベルでこの作戦を理解しています。)
マップの地図の使いこなしから、「型」と「クライエント」を考える
エリア88は、基本的には戦闘機によるバトルを描いた漫画ですが、私が一番好きなのは戦闘機に乗らない「アフリカ傭兵編」です。
この「アフリカ傭兵編」は、それまでのエピソードにも増して、仲間が超「プロフェッショナル」なんですよね。
(引用:エリア88 ©新谷かおる 小学館)
ニップル、マップ、スラッシュ。3人とも、お世辞にも美形とは言えません。が、こいつらがカッコいい。
特に「マップ」。彼のスキルは、その名の通り「地図」を読みこなすこと。
(引用:エリア88 ©新谷かおる 小学館)
とまで評される、マップの能力とは…
(引用:エリア88 ©新谷かおる 小学館)
これがマップの能力です。その名の通り「地図(マップ)」を使いこなす能力は超一流。単なる「目的地へのルート案内」としての「地図」ではなく、自らの経験と知識を地図に落とし込んで、最適なルートを割り出す能力を持っています。
そして、その「最適なルート」を走破しうるのが、こいつだ。
(引用:エリア88 ©新谷かおる 小学館)
ウニモグとA-10。この名前を知ったのは、エリア88がきっかけ、と言う人も多いのでは。
ウニモグというツールの理解、そしてそのツールの能力を限界まで引き出すのが、マップのもう一つの能力である「運転スキル」です。
(引用:エリア88 ©新谷かおる 小学館)
元ラリードライバーとして、サファリ・ラリーやモンテカルロでクラス優勝もしたというその運転テクニック。
そう、マップの地図を読む能力+運転能力、そして彼の能力を十全に引き出すウニモグを掛け合わせると…
ウニモグは空を飛ぶ。
(引用:エリア88 ©新谷かおる 小学館)
まあ、マンガですけども。とは言え、これがプロの仕事ですね。
型はクライエントを理解するための一つの手がかりに過ぎない
キャリ魂塾では、「型」を習得することを重視しています。
しかし、同時に「型」はクライエントを理解する一つの手がかりに過ぎないことも、同じようにしっかりとお伝えしています。
地図は、一つの「型」を示しているに過ぎません。その「型」をどのように活用するかは、実際の地形や気候を含めて判断することになります。
これは、キャリアコンサルティングおける「型」と「クライエント」の関係と全く同じです。
どれだけ優れた型を持っていても、目の前のクライエントよりも型を盲信してしまえば、それはプロの仕事ではありません。
そんなことはない?いえ、目の前のクライエントが、「情報」を求めているのに、「感情」にばかり寄り添って何も情報提供しないのも、これとまったく同じことです。
キャリアコンサルティング業界に限らず、カウンセリング業界でも、「目の前のクライエントよりも、自らが学んだやり方を大事にしてしまう」人は、非常に多いんですね。
型は「手がかり」であり、クライエントの様々な悩みや感情、そしてクライエント自身を照らし出していく「松明」です。型はあくまでも道具にすぎません。大事なことは「型」を使って、目の前のクライエントをどう理解するかです。
この観点を忘れたとき、どんな優れた型があっても、それは役に立ちません。