キャリアコンサルタント面接ロールプレイ試験(キャリアコンサルティング協議会を指定試験機関として実施される試験。以下全て同じ)には、「資格試験の受験を検討している受験生」が出題されることがあります。
その際、その資格試験のことをある程度知っておくことで、相談者(役)からのラポール構築に役立つことがあります。
キャリアコンサルタント試験が、初めての国家資格試験という方も多いと思いますので、いわゆる「文系国家資格試験」について、解説していきます。
※赤文字は既に出題された資格
Contents
面接試験に出題されそうな資格:大型難関資格
「大型難関資格」として位置づけされる資格です。
司法試験
公認会計士
司法書士
不動産鑑定士
弁理士
これらは通常、仕事をしながら合格することは極めて困難です。
また、概ね5,000時間以上(不動産鑑定士、弁理士は3,000時間以上~)の勉強が必要です。
税理士試験は、永久有効の科目合格制試験
税理士試験は少し毛色が異なります。
科目合格ができるので、1科目ずつ5科目合格が目指せます。
実質、「働きながら目指せる業務独占国家資格試験」の最難関は、税理士試験です。
なお、予備校のパンフレットに騙されてはいけません。
税理士試験合格者の平均合格年数は、10年です。
「税理士試験 平均合格年数」でググって最初に出てくる情報には、3年間〜5年間とありますが、受験生の国税庁への開示請求によって、平均10.37年という数字が明らかにされました。
ググって最初に出てくる情報が正しいとは限らないんですね。
概ね1科目に合格するために費やす時間が、1,000時間~です。
キャリコン試験で「税理士になりたい」という相談者が出題された場合、10年間勉強できるか、10年後のキャリアビジョンが描けるか、を考える必要があります。
面接試験に出題されそうな資格:中型難関資格
続いて中型難関資格と言われるグループ。
行政書士
社会保険労務士
中小企業診断士
この3つが、「一般的な社会人が、フルタイムで働きつつ合格を目指せる」資格のほぼ限界です。
中小企業診断士の一次試験には、科目合格制度がありますが、永久合格ではない点に注意が必要です。
全て合格すると、「中型三冠」と言われることもあります。
社会人の場合、800時間~1500時間程度が標準的。
受験に際しては、自己理解として「合格まで、初年度1,000時間、不合格だった場合、翌年以降毎年最低500時間勉強できるか」を問いかける必要があります。
蛇足ですが、体感とは言え、一般の方のおよそ9割が、行政書士を司法書士と呼びます。
なので、相談者役も「行政書士と司法書士を勘違いしている可能性」がある点には要注意。
面接試験に出題されそうな資格:不動産資格グループ
人気の高い宅建(宅地建物取引主任士)を中心とした、不動産グループもあります。
マンション管理士
管理業務主任者
宅地建物取引士
この3つに合格すると、「不動産三冠」。
不動産業界であれば、重宝されますし、独立開業にも役立つ資格です。
宅建は初学者の場合、合格まで300時間とされますが、このグループは働きながら取る方が多い資格です。
不動産関係で勤務されている場合、5点免除などの制度があることも有利に働きます。
マンション管理士は名称独占資格
この中で一番難しいマンション管理士のみ、名称独占資格です。
マンション管理士は不人気化が著しく、最盛期の1/7にまで減少しました。
ちなみに、マンション管理士は2001年に生まれた資格です。
資格が生まれて20年経ちましたが、あなたはご存じだったでしょうか。
マンションにお住まいの方、マンション管理士に相談しようと頭に浮かんだことがあるでしょうか。
新聞やテレビ、ラジオで「マンション管理士」を見かけたことがあるでしょうか。
国が活用する気が無ければ、国家資格であろうと、認知度は上がりません。
マンション管理士の場合、マンション管理組合が主な顧客として設定されているのも大きいのですが…
ちなみにマンション管理士の合格率は概ね8%前後です。
面接試験に出題されそうな資格:介護福祉グループ
介護福祉グループもあります。
この三冠としては
介護福祉士
社会福祉士(SW)
精神保健福祉士(PSW)
ですね。
キャリアコンサルタントのダブルライセンスとして人気が高いのは、精神保健福祉士でしょうか。
面接試験に出題されそうな資格:医療(リハビリ系)グループ
医療(リハビリ)系も押さえておきたいところです。
リハビリ系の場合、三冠を取った人の話は聞いたことがありません。
理学療法士(PT)
作業療法士(OT)
言語聴覚士(ST)
PTとOTの違い、分かりますか?
ちなみに私は卒論を手伝ったことがありますので、分かります笑
スーパー:「職業」と「技量」は異なる概念
なお、ここでの「資格」の共通点は、基本的に「職業」であることです。
※司法試験など、一部を除く。
例えば、キャリアコンサルティング技能士は、「職業」ではありません。
TOEICも簿記1級も、「職業」ではありません。
これらは「水準」であり、「到達レベル」であり、イコール「技量」です。
一般の方がこれらをごっちゃにするのは全然かまいませんが、キャリアコンサルタントであれば、ごっちゃにしてはいけません。
スーパーを思い出してください。
「技量は、「現在到達している状況」」であり、「職業」ではないんですね。
ただし、職業が「技量」を象徴している部分があることは否めません。
税理士(又は公認会計士)が教える、日商簿記1級講座
という感じですね。
いかがだったでしょうか。
面接試験対策だけではなく、実務にも、そしてあなたのキャリアビジョンを考える際にも、ご参考になれば幸いです。