キャリ魂太郎です。

このエントリーでは、「要約」という技法について解説しています。

要約は必ず行う。

まず、要約は試験では必ず行うものです。

なぜなら、試験の場合は「最初に相談者から相談内容が一通り説明される」からです。

その「一通り説明された相談内容を、キャリアコンサルタントが正しく認識・理解したかどうか」を確認する行為として、要約が必要になります。

そして、それ自体は実務でも非常に有益であり、上手に使えばラポール構築にも大きく役立つ技法であることは間違いありません。

要約はある意味では失礼である。

しかし同時に、要約はある意味では(言い方を変えると、使い方によっては)失礼にあたります。

例えば会議であなたが発言した後、別の方が「要するにあなたの言いたいことは云々ということですね」とまとめたら、ちょっと腹立ちませんか?

なんか、マウントを取られた感がありますよね。

それは、「あなたの話はあっちこっち取っ散らかっていて、要領を得ませんので、こちらでまとめます」というように聞こえるからです。

つまり、下手に要約すると、ラポールが壊れることがあるんですね。

試験では「私はこう理解しましたが、間違いありませんか」という確認の意味で必ず行う要約ですが、実務では「要約という行為の意味をきちんと考えず、とにかく要約する」というのは、実は非常にリスキーな行為と認識しておいて下さい。

これは、下記の書籍でも掲載されていて、「やっぱりそうだよね」と思った記憶があります。

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別に要約に限らず、ペーシングなどでも同じです。

「技法」はときに相手を不快にする、ラポールが壊れる行為であることは、実務では常識です。

(その最たるものが「おうむ返し」であることは言うまでもありません。養成講座で教えるような冗長なおうむ返しをリアルでやったら、「それ今話したことでしょ」と怒られますよ笑。あれは実務ではほとんど使えない、机上の空論といってよいものです。)

「要約」ではなく、「確認」にする方が良いケース

なので、なんでもかんで「要約」「まとめる」と伝えるのではなく、相手の話した内容がある程度短い場合などは「確認」という言葉を使います。

「今回のご相談内容は、要するに~ということですね」

「今回のご相談内容を確認すると、~ということですね」

いかがでしょうか。

後者の方が、礼を失していないように感じられませんか?

あなたの「要約」は「要約」になっていますか?

多くの受験生が、言葉では「要約しますね」「まとめますね」と言っているわけですが、正直にお伝えすると、全くできていません。

というか、そもそも「要約」「まとめ」になっていないのです。

いつも講座で説明していることですが、「800字の新聞社説を200字に要約する」とき、基本的に自分の言葉や自分の考えを加えることはありませんよね。

社説に使われている言葉を使うし、社説が訴えたい考えを残すのです。

具体的には、「例えば~」などを省略し、「つまり~」などの結論は残すといった感じですね。

このように、「要点のみを端的にまとめる(集約する)」から、「要約」というのです。

しかし、多くの受験生が口では「では、今までお話しいただいたことをいったん要約しますね」と伝えているものの、その実、全く要約になっていません。

それは、「自分の言葉」「自分の考え」を加えていたり、「全く省略されておらず、相談者が話したことをつなげて、ただ繰り返している」からです。

特に、後者の場合、「時間の無駄」が多くなります。

与えられているのはわずか15分。

なのに、「要約」とは名ばかりの「冗長な繰り返し」を行うことで、相談者には分かりづらく、時間は無駄に過ぎていくという、二重に不要な行為になっているのです。

適切な要約を行うために

適切な要約を行うために、下記のことを注意して行ってください。

1.要約は言い方によっては失礼な行為であり、ラポールが壊れる行為であると認識する。
2.要約は相手の言葉を使い、端的にまとめるものであり、基本的に自分の考えを述べない。
3.要約は「相手に『自分はこう理解したが間違いないか』ということを相手に伝える機能」と「言いたいことが上手く表現できない相手をサポートする機能」がある。
4.支援者、相談者相互の齟齬を防ぐために、場合によっては「確認」という表現を使って可能な限り行う。

特に、「可能な限り行う」ものですから、失礼のないように、無駄のないように行いたいものですね。

そして本気で要約能力を上げたいなら、「新聞の社説を100~200字に要約する練習」をして下さい。

これをしない人は、いつまでたってもラポールを壊し、時間を無駄にする「要約とは名ばかりの非なるもの」しかできません。

元々、社説の要約や教科書の要約は、学生時代にやっていたはずなんです。

やっていた人は、それを思い出すために、もう一度やりましょう。

やらなかった人は、新しい知識として、今から取り組みましょう。

キャリ魂塾の面接対策講座では、このように「試験対策」に終わらない、実務でも当然に必要な、そして「養成講座では決して教えていない」ことをお伝えしています。

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