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チェンジ・オブ・ペースとは
(出典:スラムダンク ©井上雄彦 集英社)
「チェンジ・オブ・ペース」とは、文字通り「ペースを変える」こと。
これは、スラムダンクの湘北-陵南戦、仙道が流川の攻撃を察したシーンで使われた言葉です。
同じペースでは、相手に読まれ、ブロックされてしまいますよね。
それはキャリアコンサルティングでも同じ。
だからペースを変える。
共感の次には、「チェンジ・オブ・ペース」が大事なんです。
なぜ「ペースを変える」ことが大切なのか
「チェンジ・オブ・ペース」の前提として、オープニングから、キャリアコンサルタントのペーシングにより、キャリアコンサルタントとクライエントは、「ペースが合っている」状態です。
しかし、いつまでも同じペースで共感やオウム返しばかりしていても、ラチがあかないこともあります。
特に、「悲しみ」「苦しみ」「辛さ」…
こういった「ネガティブな感情」に寄り添いがち、引き出しがちな、ネガティブ感情へのアプローチに終始してしまうと、キャリアコンサルタントもクライエントも、一緒になって落ちていってしまうことも珍しくありません。
だから「チェンジ・オブ・ペース」が大切になるんですね。
エリクソニアンの「チェンジ・オブ・ペース」
エリクソニアン的には、「チェンジ・オブ・ペース」は「パターンを崩す」と表現し、固定観念を全く違う側面から壊すことを意味します。
ひとつ例を挙げると、ハンドシェイク・インダクションという技法が有名ですね。
「ハンドシェイク・インダクション」とは、欧米人に多い、握手という習慣(パターン)を壊すことで変容に繋げる技法です。
こういった、「当たり前のパターン」を崩すことから、変容が生まれやすい下地を作るのも、エリクソンの技法でした。
あなたの「リソース」に基づく「チェンジ・オブ・ペース」をしよう
2年ほど前からでしょうか、キャリ魂塾の面接試験対策講座を受講された方は、ほぼ全員、私が「目を閉じて一人でキャリアコンサルタント役とクライエント役を行い、約15分で目標設定、方策同意まで進む」というロールプレイのデモを見ていると思います。
これは、短い時間で、またクライエント役を指名しづらい状況で、私のロールプレイを知って頂くために考案した苦肉の策でした。
この「一人ロールプレイ」を発展させ、今年、私は「ロールプレイ」を「エンターテイメント」に寄せはじめました。
面接試験で言えば、クライエント役が「驚き」、試験官は「こうきたか」と感じる。
そんな「エンターテイメントな空間」を作り上げることも、私のキャリアコンサルティングやカウンセリングの「ひとつの」目的にしたわけです。
この「エンターテイメント空間であるロールプレイ」が、「ロープレ組手」です。
どんなクライエント役でも、20分で、しかもほぼ同じパターンから、目標・方策の設定&同意という「変容」に繋げる。
それによって、オブザーバーやクライエント役が楽しめる「エンターテイメント空間」を作れないか、そう考えているんですね。
↓ロープレ組手の音声はこちらから。
カウンセリングが、「エンターテイメント」になり得る理由
あなたは、カウンセラーが暗い顔をして、トラウマをほじくり返すようなカウンセリング空間に行きたいですか?
私ならまっぴらゴメンですね。
とは言え、カウンセリングが「エンターテイメント」。
某団体の偉い先生方が知ったら、目を剥いて否定されそうな考え方です。
しかし、理屈で言えば「エンターテイメント化」する方が、カウンセリングの効果は高くなると感じています。
お腹が空いていれば、食事が美味しくなりますよね。
同じように、悩みが深刻であればあるほど、そこからのカタルシスは大きかったりもする。
クライエントは「悩んでいる」からこそ、私とのカウンセリング時間、空間を楽しむこと「も」できる。
そう考えることもできるのでは?
当然、そのカタルシスを体験できる場に参加できるのは、「悩み」がある人だけ。
そう考えられれば、「悩み」がカタルシスへのチケットになり得るはずです。
中西圭三はそれを「Ticket To Paradise」と歌ったというのはウソですが、相談が始まる前から、「この悩みはどう変わるんだろう」という「ワクワク」「自らの変容への期待」が持てれば、カウンセリングへの前向きな姿勢も生まれるはず(これも一つのラポールです)。
自己理解に基づく、あなたの「リソース」を見つけよう
カウンセリングを「カタルシス」を感じるエンターテイメントな時間、場所にする。
これが、養成講習はもちろん、大学院でも恐らく学べない、エリクソニアンである私の「ラポール」の作り方であり、ひとつの「在り方」です。
学科試験的に言えば、これは、「リソース」を活用するという4Sアプローチでもあります。
私のリソースとは?
それは、大阪人のリソースと言ってもいいかもしれない、「楽しませたいDNA」なんですよね。
これが「自己理解」です。
以前、受講生の方からご質問を頂きましたが、体力があるから、僕は警察官になる。
それは「自己理解」ではありません。
自己理解の本質とは?
では自己理解とは、何なのか。
私個人の考えで言えば
「自分自身という『魔法のランプ』を『通じて』何を生み出せるのか、それを『理解している』」
これが自己理解です。
なお、これは私がオリジナルで言っていることなので、出典はありませんが、我ながらなかなか上手いこと言えたのではないかと自画自賛しています。
自己理解に基づいたリソースで、チェンジ・オブ・ペースをする
初受験の方、二回目以上の方もいるでしょう。
「楽しませたい」気持ちになんてなれない。
それは当たり前だし、まずは合格したいのは誰だって同じです。
だけど合格したら、例えばクライエントが「楽しかった」と思える時間、関わり方を意識するのも良いんじゃないかなと思うわけです。
共感ばかりで、一緒になって暗くなっているだけでは、何も解決しないどころか、ネガティブが進行してしまう。
それは、あなたのメンタルまで蝕む、「ダメな関わり方」だと思います。
あなたは、あなたの自己理解に基づく「リソース」を使って、「チェンジ・オブ・ペース」に取り組んで下さいね。