資格で理想のライフスタイルを実現する、キャリ魂塾のキャリ魂太郎です。


このエントリーでは、キャリアコンサルタント面接ロールプレイ試験(協議会実施分に限る、以下同じ。)で出題される可能性がある、文系の社会人が目指せる「独立が可能な国家資格」について考察するとともに、「面接でのキャリアコンサルタントの在り方」を解説しています。

文系の社会人が目指せる独立も可能な国家資格

日本には、民間資格も含めれば万を超える資格があります。

しかし、国家資格に限定すれば、当然その数は少なくなり、さらに「文系」で「独立が可能」な国家資格となれば、実は極めて少なくなり、ほぼ下記の資格に限定されます。

弁理士※
弁護士※
公認会計士※
司法書士※
不動産鑑定士※
・・・・・・・・一般的な社会人(自営業者等を除く)が働きながら合格するのはかなり厳しい
税理士▲
社会福祉士▲
精神保健福祉士▲
・・・・・・・・職場の理解がないと厳しい(実習等)
社労士
行政書士
土地家屋調査士
中小企業診断士
宅地建物取引士
マンション管理士
キャリアコンサルタント
FP(技能士)

例えば、海事代理士などは、非常にマイナーな資格であることと、海事代理士単独で独立される方はまず稀なため、ここには挙げていません。

逆に、精神保健福祉士や社会福祉士は独立される方は少ないですが、キャリアコンサルタント面接試験で出題されたことがあるため、ここに挙げています。

そして「働きながら」、となると更に限定され、※のついている資格はほぼ「働きながら」では取得不可能、▲の資格は職場の理解が無ければ厳しいといった感じですね。

精神保健福祉士や社会福祉士を社会人が目指そうと思うと、実習があるため、その期間休ませてくれる職場でないと、働きながら目指すことは難しくなるからです。

なお、税理士は科目合格や大学院免除があるため、一応※ではなく▲にしていますが、相当厳しいでしょう。

また、キャリアコンサルタント、マンション管理士、FPにしても、それぞれこの資格一本で独立されるというケースはまだまだレアと言えます。

そうすると、現実的には、社会人が働きながら目指すことのできる、独立可能な国家資格は宅地建物取引士(不動産業)を含めて、たった5種類なんですね。

つまり、この5種類の資格を押さえておけば、実務的には、社会人が「働きながら」独立可能な国家資格を取りたいという相談はほぼ程度カバーできることになります。

キャリアコンサルタント面接試験で出題されたのは?

キャリアコンサルタント面接試験で、過去に出題された資格は

・司法書士
・中小企業診断士
・社会福祉士
・精神保健福祉士

といった資格です。

特に、司法書士と行政書士の違い、また社会福祉士と精神保健福祉士の関係などは知っておくと実務でも役立つかもしれません。

キャリアコンサルティング協議会の面接試験の特徴

協議会の面接試験は、ある程度、実務的に「相談に来る可能性が高い」事例が出題されます。

例えば

・中高年のリストラ
・非正規から正規雇用を目指す
・育児との両立

などです。

試験対策:「本当の問題」は何か?

もちろん、このテーマ自体が「本当の問題」とは限りません。

リストラについての相談に来たのだけれど、本当に悩んでいるのは夫婦の問題…

ということもありますよね。

なので、こういった資格取得についての相談事例だったとしても、資格の知識そのものが問われていると考えるのは早計です。

せっかくなので、実際に出題された事例で解説しますね。

面接試験出題事例:司法書士を目指そうか迷っている上場企業総務副課長

相談者は、一部上場食品メーカーの総務副課長として働いていました。

この相談者は、司法書士を取りたいと思っており、辞めようかどうか迷って相談に来た、という感じです。

司法書士資格の知識があれば、「司法書士試験に必要な勉強時間は~」など、自らの知っている知識をもとに、助言してしまうかもしれません。

しかし、私がこの事例を考えるのであれば、まず必要な問いかけがあります。

それは例えば「司法書士を目指したいということですね。司法書士に合格した後はどういった仕事をされるか、そのあたりについてもお考えはありますか?」など、「司法書士の仕事についての理解があるかどうかを確認する問いかけ」です。

なぜなら「行政書士」と勘違いしている可能性もあるからです。

「士業」の世界にいない人は、行政書士と司法書士の違いが分かっていないことが、本当に多いんです。

自分の得意分野が来た!ラッキー!と自らの知識に頼った面談を進めた結果、試験終了直前に、「あれ…もしかしてこの相談者、行政書士を受験しようとしてない?」と気づいても後の祭りですよね。(もちろん多少は口頭試問でリカバリーできますが)

まずは相談者の話をしっかりと聴く。

これが何より大切な「基本」です。

そして必要な『問いかけ』を行う。

それによって、今の仕事についての気持ちが聴けたり、上司との関係性、はたまた配偶者との関係性の問題などが浮かび上がる可能性もあります。

オマケ:理系の資格は?

オマケですが、私の知る限り、理系の資格はほとんど出題されません。

これは、面接事例を作成する試験委員も文系であるため、理系の資格(例えば電験1種や情報処理系など)について、あまり詳しくなく、また「相談者役」の負担も大きくなるため、出題しづらいのではないかと考えられます。