このエントリーは、過去にキャリ魂塾のメールマガジンで配信していた記事を、加筆修正してご紹介しています。

キャリ魂塾メルマガより「受験生同士で批評し合わない」

こんにちは。

「『キャリア質問』への否定的な反応が、『キャリア問題』である」と言ったのは誰?

学科の仕上がり状態の確認問題ですね。

答えは後ほど。
 
今日明日の面接試験対策講座で、第16回試験対策講座は全て終了です。

とは言え、キャリ魂塾の試験対策講座は、基本的に開講日の2カ月前から受付を開始するため、3月上旬には、第17回試験対策講座の受付です。

このまま、学科試験の易化傾向が続くのであれば、学科試験対策の日程を実技に振り向けるなど、多少の調整を行った上で、順次開講していきたいと思います。

受験生同士の批評に意味はない

さて、今日のタイトルは、特に面接ロールプレイ試験合格のために、非常に重要なことです。

ご存じのように、面接ロールプレイ試験合格のためには、練習が大切。

しかし、この練習の大部分は、通常「受験生」同士で行うことになります。

「受験生」を言い換えれば、ほとんど「素人」と同義です。

素人同士で批評し合うと、多くの場合、あまり良い結果は生まれません。

受験生同士の批評例:「問い詰められているように感じた」

例えば、ロールプレイでのこんなやり取り。

土本さん土本さん

今のお仕事を選んだのはどうしてですか?


田村さん田村さん

家から近いからです


土本さん土本さん

家から近い…お給料や働く時間よりも、近さを選んだのは何かご事情が?


田村さん田村さん

子どもがまだ小さいので


土本さん土本さん

お子さんが小さいと、家から近い方が良いですよね。とは言え、家から近い会社もたくさんあると思いますが…その中で今の会社を選ばれたのはなぜなんでしょう?

このようなキャリアコンサルタント役の応答に対して、クライエント役の方が

田村さん田村さん

なんだか問い詰められているように感じました。


こんな感じで、批判的にフィードバックをすることがあります。

大変申し訳ないのですが、これが「無意味」な批評です。

例えば、キャリ魂塾超おススメの一冊、「ブリーフセラピーの極意」で、森俊夫先生は「しつこく追及する」と言っています。

お持ちの方は、P82を見て下さいね。

「しつこく追及」ですからね。

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クライエント役は、試験官ではない。

クライエント役は試験官ではありません。

「問い詰められているように感じた」

これは、試験とは無関係な「素人の感想」でしかない。

試験官がどう判断するかは、我々にはあずかり知らぬことです。

なのに素人の批判に耳を傾けて、せっかくの「深掘り」をやめてしまう。

「問い詰められているように感じたのは、『クライエント役の作り込みが足りなかった』から」

これが原因かもしれません。

もちろん、しつこく追及するためには、相応のラポールが必要です。

しかし、ラポールができていたところで、しつこく追及されれば、多少は「面倒くさいな」と思われることもあります。

サビカスの「キャリア質問」と「キャリア問題」

「『キャリア質問』への否定的な反応が、『キャリア問題』である」

言ったのはサビカスです。

これが、今日の冒頭問題の答え。

そして、「面倒くさいな」「問い詰められているように感じる」このような、「キャリア質問」に対する「否定的な反応」こそが「キャリア問題」となることもあるんですね。

例えば、その質問が「キャリア質問」であれば、その「否定的な反応」を引き出すことすら、リソースの確認技法となる(これはサビカスの「般化」)。

多くの受験生は、キャリア理論をロールプレイに応用するだけの余裕がありません。

しかし、サビカスに則って般化すれば、クライエントの「不快感」こそが重要な問題として捉えることもできるんです。

受験生同士で批評し合うのは、時間のムダであるばかりではなく、このようにせっかくの深掘りに水を差す結果にもなりかねません。

批評する時間があればその時間、笑顔の練習でもした方がよっぽど建設的です。

受験生同士のロールプレイでは、「良かった点」だけ伝えるようにすることが基本ですね。

このように、丸暗記ではなく、学科・論述・面接の三位一体学習と約20年の実務経験が、キャリ魂塾の講義のベースになっています。