このエントリーは、過去にキャリ魂塾メールマガジンで配信した内容を、加筆修正してご紹介しています。

「バカはおめーだよ」でラポールを作る

資格で理想のライフスタイルを実現する、キャリ魂塾のキャリ魂太郎です。

多分、キャリコン試験が続く限り、毎回毎回、服装の話題や「なるほど」等の言葉遣い…そんな話題が続くと考えると、ゲンナリしますね。

クライエントに「自律した職業選択・キャリア形成」と言うなら、服装や言葉遣いくらい、自律して選択できるはず。

養成講習は、高いお金を取って、何を教えたのかと思うわけです。

あなたもすでにご存じのように、ラポールとは「(専門家としての)信頼」でもありますが「親近感」でもあります。

「この人は自分と同じだな」と思うことで、ラポールが形成されるわけですね。

じゃあ、あなたが仮に、特攻服を着た18歳のヤンキーだとしましょう(まあ、ヤンキーはヤンキーで良いじゃないですか)。

あなたの通う高校には、キャリア相談の時間がありました。

そこであなたは、「将来のこと?どーでもいいだろ、うっぜぇな」と、嫌々面接室に入った。

あなたの目の前に現れた私の服装は…?

目の前にいたのは

A:ビシッとスーツで決めたキャリコンぽい私

B:特攻服を着たおっさんの私

どっちが笑えますか?

クライエントが笑ってくれたら勝ちですよ。

それは、「抵抗」が緩んだということだから。

笑いながら「おっさんバカじゃねーの!」と18歳のあなたが言った。

そうしたら私は

「バカはおめーだよ!俺は22年後のお前だからな」

と返す。

これが「相手に合わせる」であり、「内省(このままの将来像)を働きかける『バックトラッキング』」です。
※キャリ魂塾では、「オウム返し」と「バックトラッキング」を区別しています。

さて、私に「バカはおめーだよ!俺は22年後のお前だからな」と言われたあなた。

この次、あなたはなんて応答しますか?

考えてみて下さいね。





あなたが「俺はおっさんみたいなバカな大人にはならねーよ」とか「40にもなって、特攻服を着るようなおっさんになるわけねーだろ」とでも応答したら、最高ですね。

それは「将来を描き始めた」=「成長(変容)」へのスモールステップだからです。

だってあなたは、「将来のこと?どーでもいいだろ、うっぜぇな」と思いながら、嫌々面接室に入ってきたのですから。

つまり、目の前の私が、あなたの『このままの将来』像になっていると理解したんですね。

だから、これが「成長(変容)」「内省」のスタートになる。

「40にもなって、特攻服を着るようなおっさんにはならない」…

じゃあ、いつから?どんな服を着るようになるの?

それを『自分で考える』宣言が、「俺はおっさんみてーにならねーよ」という言葉です。

これが、利用できるものは何でも利用する「ユーティライゼーション」であり、「エリクソニアン・コンサルティング®」なんですね。

相手に合わせることで、ラポールを作る

敬語なんて絶対に使わないし、特攻服を着て「『おっさん、バカじゃねーの』と思うんですね」なんてオウム返しするくらいなら、舌を噛んで死ぬ方がマシ。

相手の使う言葉に合わせる。

服も、言葉も、話すスピードも可能な限り、全て相手に合わせる。

だから「親近感」が生まれる。

これもひとつの「ラポールの作り方」です。

養成講習でよくある下記のような指導。

「目標設定、方策までは15分では無理なので、関係構築をしっかりと行えば十分」

こんな指導こそが「試験対策でしかない無意味な指導」なんです。

ラポールの作り方は色々ありますが、「自分と同じだ」と感じて貰うことも大切。

スーツを着ることで、「敵である大人」と認定される可能性の方が高いですよね。

キャリコン面接受験時の服装はどうする?

さて、キャリコン試験の受験要綱に「ヤンキーは出題しません」なんて書いてありますか?

当然、書いていませんよね。

書いていないのに「出ないと思い込んでいる」。

言い換えれば「出ないとヤマを張っている」だけですね。

コミュニケーションの基本から考えると、協議会サイトに書いてあるように「相談者を尊重した服装」と言うならば、「相談者情報」を事前に開示しなければいけないんです。本来は。

そうなって初めて「服装」が評価の対象になっても、文句は言えない。

相談者情報から「服装」を考える

あなたが担当するCL役は、上場企業(製造業)勤務、50代総務部課長、男性です。

事前に、このように指示されて初めて、スーツを着て、腕時計はGショックはまずいか、IWCかオメガあたりにしようか…いやいやここはグランドセイコーが良いか。と考えることができるわけです。

書いていない以上、特攻服を着て面接試験会場に向かっても、それは単に「ヤンキーが出題される可能性に賭けた」だけ。

「相談者を尊重していない」服装ではありません。

「ヤマを外した」だけです。

だから、試験会場に来ていく服装は、「想定される相談者役に合わせた服装」。

これが正解ということになります。

私がロープレ試験を作るなら、クライエント役は事前に指定します。

それは、クライエント役が分かって初めて「クライエントとラポールをより強固に作ることができる、より尊重した服装を考えることができる」からです。