第14回国家資格キャリアコンサルタント面接ロールプレイ試験(以下「面接試験」※キャリアコンサルティング協議会実施分を指します。)出題事例情報のご提供を頂いた皆様に厚く御礼申し上げます。

現在まで14回の試験が実施されていますが、おかげさまでおそらく過去実施された全事例が揃っています。

これらの事例をご提供できるのも、キャリ魂塾塾生の皆様が先輩塾生から得られた情報で学び、また後輩塾生に同じように情報を提供し、合格して欲しいという、連綿と続く合格への想いのバトンリレーの賜物だと思っております。

今後も全事例が揃うとは限りませんが、可能な限り多くの出題事例を検討し、より相談者の役に立つ支援を考えていきたいと思っております。

第14回面接試験出題4事例

第14回キャリコン面接試験(協議会)では

①海外赴任女性
②治療両立男性
③氷河期非正社員女性
④異動によるモチベーション低下男性

この4つの事例が出題されたとの情報を頂いています。

海外赴任女性

女性の海外赴任は、第8回に出題された女性の遠方転勤と事例的には共通点が多く、女性のキャリア発達という視点、そして社会的発達課題の視点を持っておくことは重要ですね。

また、「中国語(台湾語)」の学習に不安を抱いているという点から、

・自己効力感を高める
・結果期待も高める(但し、今回は自己効力感優先)
・プランドハプンスタンス理論の「行動阻害要因」として捉える

などのアプローチも使いやすいと思います。

治療両立男性

腰痛があり、腰に負担のかからない部署に異動となった男性。

これは、初めてのパターンです。

しかも、新部署ではそれまでと違い、パソコンを扱うのだけれど、パソコンが苦手という設定。

うーん、頂いた情報によればこの男性「高等専門学校」卒業となっているのですが…

高等専門学校卒業でパソコンが苦手…

個人的にはちょっとイメージしづらいですね。

なので、情報提供頂いた方に送付した第14回出題事例集では、「専門学校卒」にしています。

高専卒は、ちょっと国家資格試験としては難しい学歴ですし、その学歴に合っていない相談者役を出題されるのも困りものです。

また、あまり話さない相談者役と「とにかくよくしゃべる」相談者役がいた模様です。

今回の出題事例の中では、最も難しい事例と言えるかもしれません。

原則通り、4Sでリソースの点検を行うのがベストでしょう。

口頭試問では、在職者職業訓練が使えるようにも思います。

ただしこれは15分内では、出さない方が良いでしょうね。

氷河期非正社員女性

氷河期非正社員の出題が増えてきていますね。

ただ、出題としては比較的15分の構成はしやすい事例のように感じます。

いわゆる、試験的な穴が多いパターン。

むしろ、穴が大きすぎてその穴に気を取られると、15分が持たなくなるかもしれません。

丁寧な傾聴に基づく4Sの確認、そしてスモールステップの設定がポイントになるのではないでしょうか。

異動によるモチベーション低下男性

最後は異動によるモチベーション低下男性。

これは、「異動」と銘打たれていますが、例えば「所属企業の吸収合併」や「役職定年」「出向」など、これまでにも多数出題されているケースです。

蕎麦の販売開拓、と言われるとちょっと聞き直してしまいそうですが…

それはさておき、この事例も試験的には穴が多いです。

基本的に、協議会の男性相談者役は、配偶者(妻)がいる場合、相談しないんですよね。

・決めてから話す
・言いづらい
・反対される

こんな感じです。

言いづらいのはともかく、「決めてから話す」とか「反対される」から配偶者には相談しないのなら、彼らの人生において、配偶者とは何なのでしょうか。

それを訊ねたいのですが、15分では時間が足りません笑

で、いつもの「因果関係」です。

なぜ「仕事がアウトソーシング」されたら「やりがい」がなくなるのでしょうか。

そこに因果関係はないですよね。

「やりがいのある仕事」がアウトソーシングされたなら、「やりがいがなくなった」というのは理解できます。

しかし、「仕事がアウトソーシングされた」からと言って、「やりがいがなくなる」とは限らない。

なぜ、この人はやりがいを失ったんでしょうか。

もちろん、アウトソーシングと関係はあると思いますが、それが全てではないはずです。

事例は繰り返すたびに新しい発見がある

試験は11月になってしまいましたが、出題された事例は、やり込めばやり込むほど、様々なアプローチが見えてきます。

同じ事例でも、相談者役によって15分は千差万別。

しっかりと「話を聴く」こと。

そして「キャリア理論」に当てはめて考えること。

この2つを意識してロールプレイ練習に取り組むようにして下さいね。