このエントリーでは、第14回国家資格キャリアコンサルタント面接ロールプレイ試験(キャリアコンサルティング協議会を試験機関とするもの。以下単に「面接試験」とします)で出題された「三田さん」を、キャリ魂太郎が「解決志向アプローチ」で面接した例です。

僅か10分で変容が生じるのは、「自らの未来が見えた」から。

第14回キャリコン面接試験出題事例「三田さん」

氏名:三田さん
年齢:30 歳
性別:女性
家族構成:独身 父 母 妹
学歴:私立大学英文科卒業
職歴:大学卒業後、和食チェーン店に勤務、2年前から店⾧として勤務
【相談したいこと】
現在は店⾧だが、これからのビジョンとして、人事部門で人事マネジメントの仕事に関わりたいと考えており、上司にもそのように伝えている。
しかし、今回の辞令で海外(台湾)に出店する新店舗のサブマネジャーとして赴任してほしいと言われ、どうしたらいいか分からず、相談したい。

キャリ魂太郎の10分アプローチ





いかがだったでしょうか。

今回は「相談者の話を聴いて得られた情報(状況)」に基づいて、「キャリアコンサルタントの感想」を話す(情報提供する)ことによって、「今後のキャリア」を考えることができるのではないかと考え、トライしています。

また、最大のポイントは「どこで勉強するの?」という「問いかけ」ですね。

「問いかけない」指導の養成団体では、この問いかけをどう考えるのか、少し興味があります。

なお、このロールプレイは面接試験対策講座内で行ったものであるため、残りの5分は割愛していますが、後は支持(≠指示)を行うことで、自己効力感を高め、キャリアビジョンを描く支援を行っています。

このように、15分あれば、目標設定・方策といった、いわゆる「キャリアコンサルタント的支援」に進むことは十分可能です。

とは言え、「15分で目標設定・方策に進もう」と考えるのは、いわゆる「キャリアコンサルタントのやりたいこと」であり、「クライエントが求めること」と合致するとは限りませんので、くれぐれもご注意ください。

キャリコンの数だけ、支援のスタイルがある

私が伝えたいのは、支援者と相談者の掛け合わせの数だけ、「様々なアプローチがある」ということ。

キャリ魂塾では、まず一つの型を徹底的にマスターすることをお伝えしますが、合格すれば自由にあなたがやりたいスタイル、アプローチを突きつめて頂きたいと考えています。

「オウム返し」だけで良いと思う人がいても良いし(自分がクライエントなら嫌ですが笑)、私のようなアプローチをする人がいても良い。

傾聴というベースを大切に、相談者の自己決定権のみならず、ありとあらゆる側面を尊重していれば、どんなアプローチでも良いんです。

なぜなら、キャリアコンサルタントを選ぶのはクライエントだからです。

そして、クライエントが唯一の存在であるように、あなたも唯一の存在だから。

ヴェルタースオリジナルのようですが笑、あなただけの「持ち味」を活かして、相互作用をすることが、本当の支援です。

私は、目を閉じて話す・聴くことが多いですが、養成講習ならこれは「観察していない」「寝とんのか」と叱られるでしょう。

しかし、私が自然でいられるスタイルに合ったクライエントが集まるだけの話であり、目を閉じて話しを聴かれるのが嫌なクライエントは、そもそも私を選ばないのです。

そして、私にとっては「表情」こそが「余計な情報」であり、「言葉」を吟味するのにかえって邪魔なんですね。

ご参考になりましたら幸いです。

補足:暗い話にフォーカスしない

ロープレの中で、クライエントが「飛ばされる」のではないかと考えている発言があります。

これについて、私は完全にスルーしています(「(それは)よく分かんないですけど」と応答し、スルー)。

なぜなら「飛ばされた」にフォーカスすると、「会社への不信感」が高まる可能性が高いからです。

その逆かもしれないのに。

相談者の感情を、あえてスルーする。

これが、支援者として必要なケースもあります。