キャリアコンサルタント養成講習や受験対策指導などで、「クライエントとの面談」を指導する際、「クライエントの表情に注目する」ことを非常に大切に考える指導者もいます。

それは人それぞれなので、その指導者の考え方を否定するものではありませんが、こと「受験対策」として考えるならば、キャリ魂塾では「クライエントの表情」よりも、クライエントが発した「言葉」を注目するように指導しています。

「表情」よりも「言葉」に注目する理由

クライエントの表情よりも、言葉に注目する理由は、大きくは3つあります。

表情から感情を読み取るのは激ムズ

その1つめは、「元々表情から感情を読み取るのは激ムズ」である、ということ。

例えば、クライエントの表情が曇った。

それはいったい、「何」を指しているのか。

簡単に言えば、「どんな表情の変化が、どんな感情を表しているか」など、キャリアコンサルタント養成講習では学んでいないし、わずかな時間それを学んだところで出来るようにはなりません。

表情と感情を研究した第一人者に、エクマンという研究者がいますが、このエクマンの研究結果を読み込んだり、「FBI捜査官が~」というような本を読み込んで、実際に使って、その上で「表情変化で見立てた感情と、実際の感情のズレ」をきちんと検証(答え合わせ)をして、初めて「表情と感情の紐づけ」ができるわけです。

そしてそれは、訓練を受けた警察官ですら難しい。

クライエントの表情が、一瞬だけ険しくなった。

でも、あなたの言葉とは関係ないのかもしれない。

親知らずが痛んだのかもしれませんよね。

鼻が痒いのを我慢しているのかもしれない。

既にご紹介した、ダレン・ブラウンもこの「表情で気持ちを読む」ことの難しさを訴えています。

「表情の変化」は言語化しにくい

2つめは、「表情の変化」は言語化しにくいからです。

これは、キャリアコンサルタント受験生的に言えば、ほとんど絶対的に苦手と断言できます。

簡単に言えば、クライエントの表情が、一瞬だけ険しくなった。

その一瞬の変化を捉えて

「今、『表情が険しくなられましたが』、何か気になる点がおありですか?」

等と、クライエント役に声を掛けることができる受験生は、まずいません。

心の中で「あ、今の話題不味かったかな…会社での肩書を聴いただけなのに…」と思って話題を変えるくらいが普通です。

でも、クライエント役は、ただ歯が痛かっただけかもしれません。

「表情」よりも「言葉」に注目する

このように「表情の変化から、クライエントの感情を読み取る」のは、難しいし、言語化もしづらい。

表情の変化で感情や本心が、確実に分かるなら、ウソ発見器など要らないんですよね。

それに対して、言葉は注意していれば捉えやすい。

例えば、

CL「やはり、『がむしゃら』にやれたからかな」

CC「なぜ『がむしゃら』にやれたんですか?」

こんな感じです。

このように、実務的には色々な考え方がありますが、キャリコン面接試験対策的には「言葉」に注目する方が比較的応答しやすいんですね。

だから何度でも言いますが、「マスクの有無」などどうでもいい。

注目するべきは、「言葉」なんです。

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3つめ?

それはここまでしっかりと読んで頂いた、あなたの観察力に敬意を表して。

試験官は誰を見ていますか?

もうおわかりですよね。

だから「クライエントの表情」は、優先順位が低いのです。