資格で理想のライフスタイルを実現する、キャリ魂塾のキャリ魂太郎です。


このエントリーでは、キャリアコンサルタント論述試験での、「見立て」について解説しています。

「見立て」とは何か。

論述模擬試験を採点していると、「見立て」について論述試験対策講座で初めて知ったような答案が少なくありません。

もちろん論述試験対策講座ではお伝えしますが、まだ脳の中にインストールされただけで、解凍されていない状態といったところでしょうか。

改めてここでもう一度おさらいしておくと、「見立て」とは

「あなたが『キャリアコンサルタントとして考えた』相談者の問題」

です。

にもかかわらず、ただ単に、「上司に相談できていない点が問題である」と書かれても、採点者は点数の付けようがありません。

これは「単なる事実」であり、もっと言えば「そこをどうしていいか分からないから相談に来た」のですから、それは「主訴」つまり、「相談者が相談したいこと」です。

そうではなく、「なぜ」上司に相談できていないのか。

これをクライエントの発言から検討していき、自分なりの仮説を立てるのが「見立て」です。

「見立て」を立てる際には、キャリア理論を使う

相談者の相談したいこと(問題)である「主訴」に対して、自らの「キャリアコンサルタント」としての「見立て」(仮説)を立てる。

この仮説を立てる際の道標となるのが「キャリア(ガイダンス)理論」です。

例えば、クルンボルツは、有名な「5つのスキル」と表裏一体となる、クライエントの行動阻害要因を挙げました。

それが下記の5つです。

・学びへの諦め
・失敗への恐れ
・状況の変化への恐れ
・未経験のことへの不安
・保証のないことへのためらい

例題

では、クルンボルツの理論を使って見立てを立ててみます。

仮に、クライエントが下記のような発言をしているとしましょう。

CL1:部長が昇進試験を受けろと声をかけてくれたのは嬉しいんですが…正直言って、試験に受かる保証はないし、今の仕事が自分には合っていると思っていて。

ならば見立ては?

「部長に声をかけて貰ったのは嬉しいが、試験に受かるとは限らないと思い込んでいる点」

なんて書いても、点数にはなりません。

それは「クライエントが自覚している」ことです。

そうではなく専門家、プロとしての『見立て』を書く。

「CL1の発言をクルンボルツが挙げた、クライエントの行動阻害要因から検討すると、『保証のないことへのためらい』によって、適切な選択ができないでいることが問題である」

このように書くから、キャリアの専門家としての「見立て」になるわけです。

見立てたら、見立てたことに基づいて「今後の支援」を行う。

「見立て」は「今後の支援」とリンクします。

というか、リンクしなければ見立てた意味がありません。

医師が、「うーん、この患者、ガンかも…」と見立てたのに、「今日は胃薬出しておきますね~」と支援したら何の意味もありませんよね。

では、『保証のないことへのためらい』と見立てたならば、今後の支援は?

もちろん「5つのスキル」に基づいた支援になりますよね。

だって、行動阻害要因は、5つのスキルと『表裏一体』なのだから。

さて、学科試験勉強で鍛えた脳みそをフル回転させてください。

「保証のないことへのためらい」の裏返しは?


「冒険心」がないことです。

なので、3-2では、「相談者の『保証のないことへのためらい』を克服するため、これまでの経験を棚卸し、結果が分からなくてもチャレンジしたこと(冒険心)を思い出して頂く。これをきっかけに、今後変化し続ける仕事環境において満足のいく人生をクライエントが作り出していけるようにスキル・興味・信念・価値・職業習慣、個人特性に関する『学習』を知ってもらい、自律的で前向きな選択ができるように支援する」

ほら、この文章…どこかで見ましたよね?

こんな風に、理論を使って書いたら、あなたが採点者ならどうですか?

「ほー…勉強してはるなぁ」

ってなりますよね。

これが「点数が貰える」ということだと思うんですよね、個人的には。

※追記しておくと、これが「失敗への恐れ」「変化への不安」「未経験のことへの不安」と考えてもそれは別に誤りではありません。

「正解」はもちろん1つではないし、これが正解だ!ということではなく、「理論を道標に見立てを構築する」というテーマについてお伝えしているとご理解ください。

また、「本人は今の仕事が良いと思っているのでは?」と思われるかもしれませんが、クルンボルツの理論では、キャリアコンサルタントは「クライエントの新しい学習を促す役割を担う」とされており、「現在クライエントが有している興味・価値・能力にマッチした職業を見つけること」を支援する存在ではありません。

つまり、クルンボルツの理論に基づけば、キャリアコンサルタントは「変化を促す(私は促すという言葉は嫌いですが)」存在なのです。

見立ては理論に基づいて記載する

繰り返しになりますが、「見立て」は「カン」で行うものではありません。

各キャリア理論に基づいて行うものです。

だからこそ、キャリアコンサルティング協議会の実技試験は、学科で学んだ知識が活かせる構成になっているんです。






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