資格で理想のライフスタイルを実現する、キャリ魂塾のキャリ魂太郎です。


このエントリーでは、キャリアコンサルタント論述試験での、「自己効力感の低下」について解説しています。

「自己効力感」を正しく理解していますか?

論述模擬試験を採点していると、「自己効力感」について、誤った理解をしている方が非常に多い(というかほとんど全員)です。

あと、なんでもかんでも「自己効力感の低下」と書くのは単なるパターン解答であり、採点者にもそれは伝わります。

特にキャリアコンサルティング協議会では、論述試験の平均点が下がっており、こういった重要論点の理解不足は致命傷になりかねません。

まず「自己効力感」について、ここでしっかりと復習しましょう。

「自己効力感」とは何か。

「自己効力感」は、「効力期待」とも言われます。

それは、実行『前』の主観的な予測、つまり「それをすることができるのか」という意味です。

これを「自信」と言い換えることもできるため、「自信がない」状態を「自己効力感が低下した」状態と表現することもあります。

「結果期待」とは

この「自己効力感」に対して、「結果期待」があります。

結果期待は、結果(実行後)に対する主観的な予測、つまり「それを実行したらどうなるのか」という状態を意味します。

例えば、「キャリアコンサルタント?そんな資格、取っても仕事ないからやらないよ」というのは「結果(試験合格後)に対する期待の低さ」を表していますよね。

これが「結果期待が低い状態」です。

「やる気が出ない」は「自己効力感の低下」ではない。

今回、キャリ魂塾の論述模擬試験【学生編】では、「就職活動に対してやる気がなくなった」という学生の出題をしました。

そうすると、受講された方のほとんど全ての方が「やる気を失っている=自己効力感の低下」を問題として捉えています。

しかし、「やる気がなくなった」のは文字通り「やろうとする意志・意欲が無くなった」だけです。

「やれるという自信」にはさして影響はありません。

「やれるという自信はあるけれど、不公平な就職活動に対して、真面目にやろうとする意志・意欲を失った」のです。

それはなぜ?

「報われない」つまり「結果が期待できない」からです。

なんでもかんでも「自己効力感の低下」は勉強不足

今回、論述模擬試験の採点をしていると、なんでもかんでも「自己効力感の低下」と書いている方が非常に多いです。

講座を受講された方はレジメをよく読んでみて下さい。

キャリ魂塾のメソッドには単に「自己効力感」とは書いていないはずです。

キャリ魂塾メソッドは、自己効力感が下がっていても下がっていなくても使えるように工夫しています。

さらに、問題をよく読めばこれが「結果期待」の問題であることは分かるはずだし、結果期待と効力期待の両方が高まることで、抱えている問題がクリアされることもあります。

こういった学科試験で学んだ知識を使う点が、キャリアコンサルティング協議会の論述試験のコツでもあります。

逆に言えば、逐語を読んでその意図するところが分からない場合、それは学科試験の学習が十分ではないという可能性もあります。

もちろん、これは面接試験でも同様ですよね。

繰り返しになりますが、協議会の実技試験は、学科で学んだことを駆使して答える、非常に取り組みがいのある試験です。

相談者が「自己効力感が低下した状態」なのか「結果期待が低下した状態」なのか、それを「相談者の発言」から見極める。

そして、自己効力感が低下したと見立てたなら、自己効力感の向上につながるような支援を行う。

結果期待が低下していると見立てたなら、結果期待の向上につながるような支援を行う。

それが「専門家」「プロ」のキャリアコンサルタントだからできる「理論に基づいた」「今後の支援」です。

「やる気」の理解は、キャリアコンサルタントの武器になる

実は、キャリアコンサルタントにとって、この「自己効力感」「結果期待」理論の理解は非常に大切です。

それは、「やる気」とは「求職者・従業員のモチベーション」の理論であり、バンデューラの社会的学習理論において、「最重要視」される理論だからです(なぜ『最重要視』されるのか、思い出せますか?)。

キャリ魂塾学科試験対策テキスト心理編には、自己効力感(効力期待)と結果期待の向上の方法、なぜ「最重要視」されるのかまでバッチリ記載していますので、しっかりと読んでおいてくださいね。

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追伸:同様に、なんでもかんでも「認知の歪み」と書かないように注意して下さいね。