このエントリーでは、経済産業省の「未来人材戦略」について、現時点で公表されている資料をご紹介しています。

経済産業省が「日本型雇用」との決別などを提言

2022年4月21日、「経済産業省が『日本型雇用』と決別」というニュースが報道されました。

ご存じの方も多いと思いますが、一部引用します。

経済産業省が、脱炭素化やデジタル化といった産業構造の変革に対応した人材育成を目指す「未来人材戦略」を取りまとめたことが21日、分かった。終身雇用に象徴される日本型の雇用体系との決別を宣言し、スタートアップ(新興企業)と大企業の人材交流を政府が支援するなど新たな働き方への転換を提言。22日開く有識者会合「未来人材会議」で公表する。

(引用:共同通信

いわゆる「終わりの始まり」として、経団連や一部大企業の経営者から「終身雇用はもう無理」という声は上がっていましたが、ついに中央省庁が正面を切って「日本型雇用との決別」を提言するにいたったわけです。

では、「終身雇用をはじめとする日本型雇用との決別の先」には、何が待っているのでしょうか。

「未来人材ビジョン」(中間とりまとめ案)を読む

22日に経済産業省サイトで公表された資料の一つが下記の「未来人材ビジョン」(中間とりまとめ案)です。

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AIやロボットによる、雇用(労働)の自動化

まず、AIやロボットによる雇用(労働)の自動化が進んでいる米国では、「労働市場の両極化」が既に生じています。

労働市場の両極化:専門・技術職等の高スキル職や、対個人サービス等の低スキル職で就業者が増加する一方、製造や事務等の中スキル職が大幅に減少している状態を指します。

この流れは、日本にも既に見られており、この「労働市場の両極化」にどう対応していくかが、課題の一つとなります。

さらに、残念ながら日本は「外国人労働者から選ばれない国」になっており、高度外国人労働者にとって魅力のある国ランキングでも25位と、振るいません(昨今の円安の影響もこの傾向に拍車をかけるのではないでしょうか)。

結果、「未来人材ビジョン」(中間とりまとめ案)では、下記の様に述べています。

より少ない人口で社会を維持し、
外国人から「選ばれる国」になる意味でも、
雇用・労働から教育に至るまで、
社会システム全体の見直しが迫られている。

(引用:「未来人材ビジョン」(中間とりまとめ案))

経済産業省としても、ついに「少子高齢化による人口減」には、白旗を上げたということになります。

その上で、次世代には、こう求めています。

次の社会を形づくる若い世代に対しては、
「常識や前提にとらわれず、ゼロからイチを生み出す能力」
「夢中を手放さず一つのことを掘り下げていく姿勢」
「グローバルな社会課題を解決する意欲」
「多様性を受容し他者と協働する能力」
といった、根源的な意識・行動面に至る能力や姿勢が求められる。

(引用:「未来人材ビジョン」(中間とりまとめ案))

キャリアコンサルタントは、どうあるべきか

こういった先行き不透明な社会の中で、キャリアコンサルタントが「頼られる専門家」になるためには、まずキャリアコンサルタント自身が「常識や前提にとらわれず、ゼロからイチを生み出す能力」を持つ必要があると考えます。

特に、キャリアコンサルタントはこれまで「相応の社会人経験」や「人事労務経験」がないと難しい、という「常識」が圧倒的であり、未だに「社会人としての経験がカウンセリングに説得力を生む」などの誤った資格観がまかり通っています。

そういった「経験」が「常識」という足枷になり、変化に対応できず、クライエントを「自らの準拠枠」で支援しようとしていないでしょうか。

とかく、「食える食えない」議論の対象になりがちな、キャリアコンサルタント資格ですが、「働き方改革」「ハラスメント規制」「労働人生の長期化」など、時代のニーズに合った資格であるように思います。

このGW、改めてご自身のキャリコン資格を活用したキャリアビジョンを描いてみてはいかがでしょうか。