このエントリーでは、第19回国家資格キャリアコンサルタント試験について公表された結果について、講評しています。
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学科試験合格率
学科試験合格率は、協議会が60.8%(前回82.6%)、JCDAが63.0%(前回79.0%)となりました。
両団体を平均すると、61.9%となり、下記エントリーで60%台前半と予測した通りの結果となりました。
両団体とも、前回と比較すると、合格率は大幅に低下しています。
これを「難化」と考えるのは早計かなと。第4回や第9回の逆パターン、いわば第18回が大幅易化回であり、第19回は通常の試験レベルに戻ったと考えるのが適切でしょう。
実務的にも、求められるレベルは非常に高くなってきています。受験される方の「易化してほしい」と思ってしまう気持ちは分かるのですが…
受験生時代の勉強量は、合格後にも大きく影響するため、易化を願うことなく、クライエントのために知識・スキルを高めることを考えて頂ければと思います。
学科平均点
学科試験平均点は、協議会が70.8点、JCDAが71.7点と、両団体とも平均点が合格点を上回っています。
合格率が60%前後ですから、中央値も70点を超えているのではないでしょうか。
実技試験合格率
実技試験合格率は、協議会が59.7%、JCDAが63.3%です。
傾向として、JCDAの方が合格率が高い傾向は変わりません。
特にJCDAは養成講習修了受験生だけで見れば、66.0%の合格率となります。
JCDAは相変わらず実務経験受験者の合格率が低い傾向
また、JCDAは実務経験合格者率が異常に低くなるのが特徴です。
今回もJCDAの実務経験受験者合格率は、38.7%。技能検定片方合格者は33.3%となり、上述したように養成講習修了受験生の合格率の66.0%とは雲泥の差となります。
これに対して、協議会は実務経験受験者合格率が、51.0%。技能検定片方合格者は63.1%となり、養成講習修了受験生の合格率は60.3%です。
実務経験受験を考えている方は、JCDA受験はおススメできません。
論述試験平均点
論述試験平均点は、協議会が30.9点、JCDAが32.7点と、こちらも相変わらず「JCDA易協議会難」の状況が続いていますね。
特段調整などがないのか、それとも調整してこうなっているのかは分かりませんが…
面接試験平均点
面接試験平均点は、協議会が61.1点、JCDAが60.9点となりました。
面接試験の平均点では、協議会がJCDAを上回っていますが、得点差が0.2点であり、特に大きな差とは言えないかなと言ったところ。
実技試験平均点
実技試験としての平均点は、協議会が90.7点、JCDAが92.6点となっています。
なお、論述試験だけを受験していたり、面接試験だけを受験している受験生がいるため、論述・面接の各平均点の合計は、実技試験平均点に一致しないとアナウンスされています。
学科・実技同時受験合格率
学科・実技試験の同時受験者合格率は、協議会が46.1%(前回64.0%)、JCDAが52.5%(前回54.6%)となりました。
協議会が17.9ポイントの大幅な低下となったのに対し、JCDAは2.1ポイントの低下と、ほとんど変わりません。
協議会は前回、学科試験だけではなく実技試験合格率も68.0%と高かったため、落差が一層大きくなったのだと思われます。
全体講評
学科試験は予想どおりの合格率であり、実技試験は元々学科試験ほど合格率に大きな変動はないため、基本的には学科試験の難易度が全体としての合格率を左右する試験です。
とはいえ、やはり18回は易化に振れた部分が大きく、おそらく19回試験の難易度が試験機関としては、ベターな範囲なのかなと感じます。
既にお伝えしましたように、日本だけでなく、世界的にコロナ禍や景気悪化、そして地政学リスクなど、キャリアを取り巻く環境がシビアになっているなかで、どのようにクライエントを支援するかを考えたとき、知識・理論は非常に大きな意味を持ちます。
キャリコン業界に限らず、カウンセラー業界では、知識や理論を軽視する傾向がありますが、実務に長く携わってきた経験から、それは間違いだと断言できます。
いまや、オウム返しメインでは、「あなたはAIですか?」とクライエントに疑念を抱かれる時代です。
心に加えて、しっかりとした知識(理論)を身に着けて頂きたいなと思う次第です。
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