2020年4月7日、新型コロナウィルス感染症拡大に伴い、政府により「緊急事態宣言」が発令、本日4月8日より発効しました。

これにより、日本社会・経済は「コロナウィルス感染症」との戦いを、本格的に始めることになります。

大げさでもデマでもなんでもなく、「戦時下」と言ってよいでしょう。

今後、私達がキャリアコンサルタントとして、「コロナウィルス」という見えない敵と戦うために、しっかりと「これから」を考える必要があります。

コロナウィルス感染症とキャリコン養成講習の相性の悪さ

コロナウィルス感染症予防には、3つの「密」を防ぐことが有効とされます。

それが

・密閉空間
・密集場所
・密接場面

いわゆる「3密」です。

「3密」を上回る「3密2長」がキャリコン養成講習

キャリコン養成講習は、最悪なことにこの「3密」を全て兼ね備えた上に、更に「長時間」「長期間」に渡るという、「2長」。

3密を遥かに上回る、最悪の状況下で行われることになります。

しかも、「一定の遅刻・欠席基準を上回ると、修了証が発行されない」というダメ押し。

そして「マスクをすると表情が確認できない」「SkypeやZOOM等のオンライン面談の場合、どのような点に注意すべきかというカリキュラムがない」という、スピード感、時代感の全くない講習内容。

もはや、キャリアコンサルタントという資格の有用性以前の問題です。

旧世代キャリアコンサルティングの完全な終焉

現在、コロナウィルスは高湿度に弱いとの情報も出てきています。

米メリーランド大学のグループの分析によれば、COVID-19もインフルエンザと同様、夏季に向けて湿度が上がる地域では終息に向かうということになる。果たして新型コロナウイルスも、高湿度になると死滅するウイルスなのだろうか。

(引用:Beyond Health)

日本では、今後梅雨に向けて収束していく可能性があるということですが、日本が梅雨でも、他国特に南半球の国々で流行していれば、そういった国・地域から持ち込まれ、秋雨が終わるころ、10月以降に再流行する可能性も指摘されています。

季節性インフルエンザの感染者数は、ざっくりと年間数百万~千数百万人感染と言われます。

これとほぼ同じように、このコロナウィルス感染症でも、毎年流行が繰り返されることが懸念されているわけですね。

日本だけが収束しても、諸外国で収束していない以上、グローバル経済下・インバウンドを頼りとする経済構造では、他国から持ち込まれ、再流行する可能性が高い。

そうなれば、現在のキャリアコンサルタント養成講習を続けることは極めて困難になります。

業務独占があり、食える資格、そして密接場面がないならまだ可能性はあったかもしれませんが、キャリアコンサルタントは名称独占資格です。

コロナウィルス感染症のリスクを冒してまで、受講する人は少ないでしょう。

何より、「対面」「オウム返し」に偏重した旧世代の指導では、修了したところで、「アフターコロナ」の日本社会ではもはや時代遅れも甚だしく、実務に耐えうるものではないのです。

「3密」のキャリアコンサルタント試験はどうなる?

キャリアコンサルタント試験制度も、非常に感染リスクが高い試験制度です。

学科・論述試験なら会話がありませんが、面接試験は当然「密閉空間」での「密接場面」です。

私自身は面談時において、マスクの有無にこだわりません。

ただ、それでもマスクをした相手が「1.5~2m」離れていれば、流石に聴きとり辛いと思うことも増えるでしょう。

もはや「アフターコロナ」では、キャリアコンサルタント面接試験そのものが「ビフォーコロナ」の「非現実的」試験制度であり、さらに受験生の「感染リスク」になっています。

更に言えば、1級技能検定はロールプレイだけでも30分と長時間である上に、「アフターコロナ」の時代の試験内容(SV評価)になっていません。

コロナ雇用不安から、キャリア相談は増えている

コロナウィルス感染症の拡大に伴い、雇用不安が表面化しています。

それに伴い、キャリア相談も増えています。

つまり「ニーズはある」のです。

しかし、今、求められているのは「聴くだけ」「共感するだけ」ではなく、もっと現実に即した、「収入を確保する手立て」「転職相談」等の「具体的なサポート」です。

旧来の「オウム返しメイン」は、ハッキリ言って、「およびでない」

これに腹を立てる方もいるかもしれません。

いや、たくさんいるでしょう。

しかし、事実は事実なんです。

実務の最前線、例えば今ハローワークで勤務されている方は、旧世代指導がどれだけ今、「およびでない」か、分かるはずです。

「キャリアの迷子」時代、新世代キャリアコンサルタントが生き残る

キャリ魂塾は、開塾からずっと、「オウム返し」偏重の旧世代養成講習の指導を否定し、新世代キャリアコンサルタントの必要性を訴えてきました。

キャリアコンサルタントという資格が、今ほど求められる時代はありません。

多くの人が今、「キャリアの迷子」になっているからです。

しかし、中長期的なキャリアを考える前に、「休業中であり、将来が不安だ」「今後コロナウィルスが長期化した場合、どのような働き方が良いか」「住宅ローンが払えないが、どうすればよいか」という具体的な悩みに応えることも必要です。

目の前の問題がクリアできて初めて、中長期のキャリアも考えられるのですから。

また、オンラインでの面談も当然必要です。

外出に不安を訴えるクライエントにも対応する必要があります。

クライエントがマスクをしていたら?

「マスクを付けていると表情が分かり辛いので外して頂けますか?」なんてキャリアコンサルタントが、クライエントに信頼される、言い換えれば「食える」、そんなはずがないですよね。

旧世代のキャリアコンサルタント・キャリアコンサルティングは、2020年4月8日をもって、「完全に」終わりました。

この事実を受け入れ、対応ができる方。

その一部の方だけが、「アフターコロナ」のキャリアコンサルタントになり得る、言い換えれば「クライエントから選ばれるキャリアコンサルタント」です。

よく言われるように「強者が生き残るのではなく、適応できる者が生き残る」。

アフターコロナのキャリアコンサルタントとして、生き残りましょう。