キャリコン学科試験予想問題:小学校キャリア教育

本エントリーを読み終えると、キャリコン学科試験で出題が予想される、下記のような「小学校キャリア教育」の問題が解けます。

小学校キャリア教育」 予想問題 難易度:難

文部科学省「小学校キャリア教育の手引き」で述べられている「キャリア教育が必要となった背景と課題」のうち、正しいものはどれか。

1.子どもたちの成長・発達上の課題・身体的な早熟傾向に比して,精神的・社会的自立が遅れる傾向
2.生活体験・社会体験等の機会の喪失
3.職業について考えることや,職業の選択,決定を早期に求める傾向の高まり
4.自立的な進路選択や将来計画が希薄なまま,進学,就職する者の増加

「小学校キャリア教育の手引き」で述べられている「キャリア教育が必要となった背景と課題」のポイント

キャリアコンサルタント学科試験において出題可能性のある、「小学校キャリア教育の手引き」で述べられているのポイントをチェックしておきましょう。

「キャリア教育が必要となった背景と課題」とは?

「小学校キャリア教育の手引き」で述べられている「キャリア教育が必要となった背景と課題」について、今回予想問題として使用した部分をご紹介します。

(引用:文部科学省「小学校キャリア教育の手引き 第1節 キャリア教育の必要性と意義(その1)」

「小学校キャリア教育の手引き」の勉強ポイント

基本的に、国家資格試験では「回(数)が増えるごとに難化する」と考えます。

これを逆に捉えるならば「回(数)が増えないうちは、易しい出題である」ということになります。

言い換えると、「新規資料の出題論点は『易しい』」ということですよね。

つまり、簡単な目につくところを学習すれば十分ということになります。

分からない問題の解答方法:選択肢同士の比較

今回の資料を見たことが無い、という方も少なくないかと思います。

しかし、あきらめるのはまだ早い。良く問題を読んでみることも大切です。

まず、選択肢1です。

1.子どもたちの成長・発達上の課題・身体的な早熟傾向に比して,精神的・社会的自立が遅れる傾向

「精神的・社会的自立が遅れる」とありますね。

続いて、選択肢3です。

3.職業について考えることや,職業の選択,決定を早期に求める傾向の高まり

早期」に求めると書かれています。

最後に、選択肢4を見てみましょう。

4.自立的な進路選択や将来計画が希薄なまま,進学,就職する者の増加

「進路選択や将来計画が希薄なまま、進学、就職」とあります。

1.と4.は選択肢の内容は矛盾しませんが、1.4.と3.では矛盾することになります。

つまり、(社会が)職業に就いて考えること(職業的自立)を『早期』に求めていたなら、「精神的・社会的自立が「遅れる」傾向」や「進路選択や将来計画が『希薄』」にはなりづらいはず。

なので「資料を読んだことが無くても」正答を3.に絞ることができます。

3、は正しくは「職業について考えることや,職業の選択,決定を先送りにする傾向の高まり」です。

モラトリアム的な傾向があるということになりますね。

キャリア教育は今後も重要!

かつて(民間資格時代)は、キャリアコンサルタントが学ぶ内容に「キャリア教育」は含まれておらず、キャリア教育がキャリアコンサルタントに必要な知識として掲げられたのは、国家資格化前の平成20年代半ばです。

この点からも、キャリアコンサルタントが「社内能力開発支援」の色合いの濃い資格だったことが分かります。

しかし、今やキャリアの問題は「小学校」から考える時代になり、文部科学省の資料から2問は確実に出題されるようになりました。

キャリアコンサルタントが「キャリア教育」で学校現場に参入するには?

現実的には、キャリアコンサルタントではなく、教員の方がキャリアコンサルティングを(キャリアパスポート等を用いて)行うことが求められています。

ご存じの方も多いと思いますが、教員の方はそれでなくても多忙であること、またキャリアコンサルティングを行うにあたって「多重関係」になることなどの問題もあり、本来はキャリアコンサルタント等の教員以外の方が担うべきでしょう。

とは言え、受け入れる学校側としては、「学校教育法どころか、教育基本法も知らない、学習指導要領も読んだことがない、いじめ防止対策推進法は知っているのかしら?こどもの権利条約と日本の現状は?国家資格者と言っても、厚生労働省の資格でしょ?」と思っているかもしれません。

ただ単に「キャリアコンサルタント試験に合格したし、子どものキャリア教育を支援したい」という気持ちだけでは、学校現場には入れないでしょう。

「郷に入っては郷に従え」です。キャリア教育にご興味のある方は、まず教育基本法や学校教育法から知識を身に着けて、学校現場で働く方とのラポール構築を考えていくのがスタートラインになるのではないでしょうか。

キャリ魂塾の学科試験対策講座は、通信でも受講可能です。