キャリ魂太郎です。

基本的に、キャリ魂塾の講座や教材では論述を除いて「予想問題」は作成しません。

なぜならば、「過去問とその周辺論点」だけで十分合格できるからです。

なので、このエントリーは、「過去に問われた論点を全て押さえた上で」取り組んでください。

自己効力感についての予想問題

自己効力感(self-efficacy)に関する次の記述のうち、適切なものはいくつあるか。

1.自己効力感が低いほど、失敗を「努力の不十分さ」に帰責させることが多くなる。
2.モデリング(代理経験)では、自己効力感は高めることはできない。
3.自己効力感は、能力の評価や目標の内容に影響することはない。
4.結果期待と効力期待はそれぞれ独立して行動に影響する。

解説

公認心理師試験問題を参考に作成してみました。

これは、予想問題というよりも「理解度確認テスト」のようなものですね。

なので、パッと見は難しいですが、「自己効力感」をきちんと理解していれば、それぞれの選択肢はそれほど難しいものではありません。

しかし、「いくつあるか」と問われると、それだけで難度が上がってしまいます。

マイナー論点は他の選択肢との比較で正誤判定することが効率的ですが、頻出論点はしっかりと理解した上で、解答できるようにすることがベストです。

自己効力感とは

自己効力感(じここうりょくかん)またはセルフ・エフィカシー(self-efficacy)とは、自分がある状況において必要な行動をうまく遂行できるかという可能性の認知

引用:Wikipedia

そして、自己効力感が上下するためには

1.遂行体験
2.代理経験
3.言語的説得
4.情動喚起

があります。

なので、論述、面接で「自己効力感を高める」と答えるのではなく、「何をどのようにして」自己効力感を高めるかを答えるようにして下さい。

これが、一部の養成講座で完全に抜け落ちている、「学科試験」と「実技試験」のリンクであり、学科試験の勉強を意味あるものにする(実務で使えるレベルにする)ということです。

そして、自己効力感は代理体験によっても高まるとされていることは先述しましたが、ここから2は誤りとなります。

自己効力感とは、簡単に言えば「(何かをするにあたって)自信がある」状態ですよね。

そうすれば、能力の評価や目標の内容に影響することは当然です。

自分の能力に一定の自信があるから「キャリアコンサルタント試験に合格する」「キャリアコンサルタントになれる」と思えることができるわけです。

同時に、この点が重要だからこそ「自己効力感」は「三項随伴性」において、「行動」の前の「先行刺激」として介入されるわけです。

なので3も誤りです。

キャリ魂塾の学科試験対策講義では、三項随伴性の解説もキッチリ行っていますので、受講された方は改めて、この点はしっかりと押さえておいてください。

1については、そもそも「『必要な行動ができるという認知』(これを自信や能力と言い換えても良いですが)がない」のですから、努力したところで…となるわけですね。

だから1も誤り。

最後に4ですね。

効力期待とは簡単に言えば「やれるかどうか」。

結果期待とは簡単に言えば「努力が報われるかどうか」。

です。(「結果期待」も第7回試験で既に問われた論点です)

例えば、キャリアコンサルタント試験に「努力すれば合格できる」という自信があっても、その「努力が報われる職場がない」、だから行動(受験)しないということは十分あり得ますよね。

これが「効力期待と結果期待が『連動』して行動に影響している状態」です。

両方が完全に独立して行動に影響するのではなく、それぞれが適切に充足されていることが必要になります。

ということで、4も誤り。

解答は「全て誤りなので適切なものはない」でした。

自己効力感は頻出論点であり、また実技、実務でも重要になります。

しっかりと「理解して」押さえておいてください。