資格で理想のライフスタイルを実現する、キャリ魂塾のキャリ魂太郎です。
このエントリーは、国家資格キャリアコンサルタント学科試験対策として「職業分類(産業分類)」について、予想問題を出題・解説しています。
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塾生からのアンケート結果(主訴)と実際の傾向(見立て)の乖離
キャリ魂塾の学科試験対策講座では、毎回講義前にアンケートを取ります。
そこで、悩みとして非常に多く出てくるのは「理論家と理論が覚えられない」といったお悩み。
これが「主訴」です。
「うんうん。確かに」と思われた方も多いのではないでしょうか。
しかし、私の「見立て」は違います。
では、3つほど伺いましょう。
「労働力人口」の定義は?
「厚生労働省編職業分類と、日本標準職業分類の違い」は?
「キャリア・インサイトのECとMC」は、何歳から分かれますか?
「好き」だから「悩む」。「嫌い」だから「悩まない」
ほとんどの受験生は「理論と理論家」の論点は「好き」なのです。
好きなことばかりやっているから、覚えられないことが「気になる」。
だけど、本当の問題は「本当にやらなければならない『苦手論点』から目を背け、好きな「理論家と理論」にばかり時間をかけている」こと。
これが私の「見立て」です。
試験委員が「落とすために問題を作る」なら?
ほとんどの受験生は、意識的・無意識的に自分の好む分野の勉強に力を入れているものです。
だから、私が試験委員で、勉強している受験生と「好きな分野だけ勉強している」受験生の差をつけるなら、こんな問題を出します。
問題:厚生労働省編職業分類
厚生労働省編職業分類に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。
1.細分類項目では、この職業分類の利用の便宜を考慮して職業名を例示している。
2.小分類項目は、原則として日本標準職業分類の小分類項目に準拠して定めているが、職業紹介業務における必要性を考慮して項目を補正している。
3.大分類項目のみ、国際標準職業分類の大分類項目と一致しているが、中分類項目以下は日本独自で定めている。
4.職務の類似性や公共職業安定機関、民間職業紹介機関における求人・求職の取扱件数、社会的需給を考慮して職業を区分し、それを体系的に分類している。
1.1つ
2.2つ
3.3つ
4.全て誤り
問題:アセスメント・ツール
アセスメント・ツールに関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。
1.YG性格検査は、24のパーソナル特性を測定する尺度に基づいて、性格を5つの類型で表すものである。
2.YG性格検査の対象者は、小学生から大学生までしかない。
3.GATBが正しく適用できる範囲は、原則として中学生から成人(45歳未満)である。
4.VRTカードは、職業興味の全体像を理解するために用いるのは適切ではない。
1.1つ
2.2つ
3.3つ
4.全て誤り
問題:各種調査の基本
以下の各文章は、各調査の基本的な考え方について述べたものである。誤っているものはいくつあるか選べ。
1.労働力調査は、厚生労働省が行う、就業・不就業の状況を把握するために5年に1度行うものである。
2.労働力調査は、日本の全世帯を対象に行うものである。
3.一般職業紹介状況(職業安定業務統計)の調査では、有効求人倍率等が示される。
4.能力開発基本調査は、能力開発の実態を正社員・正社員以外別で明らかにしている。
1.1つ
2.2つ
3.3つ
4.全て誤り
問題:能力開発基本調査の基本
以下の各文章は、能力開発基本調査について述べたものである。誤っているものを選べ。
1.この調査は、「企業調査」、「事業所調査」、「個人調査」で構成される。
2.「企業調査」は、常用労働者300人以上を雇用している企業が対象である。
3.「事業所調査」は、常用労働者30人以上を雇用している企業が対象である。
4.「個人調査」は、調査対象事業所に属している労働者を対象に実施している。
解答・解説
いかがだったでしょうか。
多くの受験生は「調査結果」について勉強をしていますが、「調査主体」や「調査目的」、そして「調査対象」といった「基本」についてノーマークだったりします。
これらは、キャリアコンサルタントとして基本的論点であり、「能力開発基本調査の基本」を除いて、過去の技能検定で出題済みの論点です。
ですので、「カンタン」と思う方もいれば「難しい」と思う方もいるとは思いますが、難化したという批判には当たらない。
重要かつ基本の論点であり、ほとんどが「過去に出題した」からです。
解答・解説を読んで、チェックしておいてください。
問題:厚生労働省編職業分類の解答・解説
厚生労働省編職業分類に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。
1.細分類項目では、この職業分類の利用の便宜を考慮して職業名を例示している。
2.小分類項目は、原則として日本標準職業分類の小分類項目に準拠して定めているが、職業紹介業務における必要性を考慮して項目を補正している。
3.大分類項目のみ、国際標準職業分類の大分類項目と一致しているが、中分類項目以下は日本独自で定めている。
4.職務の類似性や公共職業安定機関、民間職業紹介機関における求人・求職の取扱件数、社会的需給を考慮して職業を区分し、それを体系的に分類している。
1.正しい
2.正しい
3.誤り。そのような一致はない。
4.誤り。「民間職業紹介機関」は含まれていない。
正答:2
問題:アセスメント・ツールの解答・解説
アセスメント・ツールに関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。
1.YG性格検査は、24のパーソナル特性を測定する尺度に基づいて、性格を5つの類型で表すものである。
2.YG性格検査の対象者は、小学生から大学生までしかない。
3.GATBが正しく適用できる範囲は、原則として中学生から成人(45歳未満)である。
4.職業興味の全体像を理解するために用いるのであれば、VRTカードよりも「職業レディネス・テスト」を用いる方が効果がある。
1.誤り。24ではなく「12」のパーソナル特性
2.誤り。小学生用、中学生用、高校生用、「一般・大学生用」があり、大学生までのみを対象とするものではない。
3.正しい。
4.正しい。解説は下記引用を参照。
本格的に職業に対する興味・関心や職務遂行の自信度を測定し総合的に解釈を行うとともに、個々の職業興味の発達という観点からその全体像を理解するためには、詳しく測定できる「職業レディネス・テスト」を用いる方が効果があります。
(引用:労働政策研究・研修機構「VRTカード」)
正答:2
問題:各種調査の基本
以下の各文章は、各調査の基本的な考え方について述べたものである。誤っているものはいくつあるか選べ。
1.労働力調査は、厚生労働省が行う、就業・不就業の状況を把握するために5年に1度行うものである。
2.労働力調査は、日本の全世帯を対象に行うものである。
3.一般職業紹介状況(職業安定業務統計)の調査では、有効求人倍率等が示される。
4.能力開発基本調査は、能力開発の実態を正社員・正社員以外別で明らかにしている。
1.誤り。「厚生労働省」ではなく「総務省」である。また「5年に1度」ではなく「毎月」行われる。
2.誤り。「全世帯」ではなく、約4万世帯が対象とされる。
3.正しい。
4.正しい。
正答:2
問題:能力開発基本調査の基本
以下の各文章は、能力開発基本調査の基本的な考え方について述べたものである。誤っているものを選べ。
1.この調査は、「企業調査」、「事業所調査」、「個人調査」で構成される。
2.「企業調査」は、常用労働者300人以上を雇用している企業が対象である。
3.「事業所調査」は、常用労働者30人以上を雇用している企業が対象である。
4.「個人調査」は、調査対象事業所に属している労働者を対象に実施している。
1.正しい。
2.誤り。正しくは「30」人。
3.正しい。
4.正しい。
正答:2
本問の出典は、厚生労働省:平成30年度能力開発基本調査。
「理論家と理論が覚えられない」は「好きだから」こその悩み
いかがだったでしょうか。
繰り返しになりますが、「理論家と理論が覚えられない」というお悩みは、もっと詳細に検討すれば「好きな論点なのに覚えられない」というお悩みです。
好きだから、勉強はしている。
だけど、覚えられないから、悩みとして挙がってくる。
しかし、点数が伸びない、合格点に達しない、その本当の原因は「苦手論点から目を背けている」ことという方も少なくありません。
得意論点だけでなく、下記の論点にも必ず目を通しておくようにして下さいね。
・発達論点(発達・キャリア発達とその課題)
・ハローワークインターネットサービス
・労働市場用語(労働力人口、失業者の定義等)
・キャリア教育
・アセスメント
・職業分類
・ジョブ・カード、職業能力評価、職業訓練
そして試験に合格するためには、「自分のやりたいこと」だけ、ではなく「相手の気持ちを考える」ことが大切です。
得意分野だけ勉強したい、自分の得意な・好きな療法だけ使いたい。
それではダメなんです。
学科も実技も、同じなんですよね。