資格で理想のライフスタイルを実現する、キャリ魂塾のキャリ魂太郎です。
キャリ魂塾をスタートして3年、キャリ魂塾の面接ロールプレイ試験(以下面接試験)対策講座では、開講当初より『間違った』「おうむ返し」(伝え返し)を止めるように指導してきました。
しかし、一部の養成講習では、未だにこの『間違った』おうむ返しを指導していることが伺え、その指導がキャリアコンサルティング協議会(以下協議会)協議会での面接試験合格率低下に拍車をかけている原因の一つではないかと考えられるため、改めてここで『無意味な』『間違った』「おうむ返し」(意義のあるオウム返しももちろんあります)を止めることをお伝えしたいと思います。
Contents
キャリコン協議会面接試験受験生がおうむ返しを止めるべき6つの理由
面談の最初の15分(つまり面接試験の「設定」)という「時間設定」。
この設定における、一部の受験生が行っている、『間違った』「おうむ返し」の方法。
これは無意味であるばかりではなく、ラポール構築に逆効果です。
その理由は
1.「クライエントのため」ではなく「自分が記憶するため」のおうむ返しである。
2.「記憶」と「次の質問」に必死で話が聴けていない。
3.ジェンドリンの「体験過程」理論による、「おうむ返し」の意味がない段階での「おうむ返し」になっている。
4.おうむ返しだけでは、「展開」と評価されない。
5.おうむ返しだけでは、「見立て」が立てられない。
6.「見立て」が立てられなければ、当然「今後の支援」の評価が下がる。
からです。
順に解説しますね。
「クライエントのため」ではなく「自分が記憶するため」のおうむ返しである。
『間違った』おうむ返しとは、クライエントの内省に資する「おうむ返し」ではなく、「自分が記憶する」ためのおうむ返しです。
そのため、肝心な「感情」にフォーカスすることもできず、また「自分のため」なのですから、ラポールなど構築できるはずがありません。
具体的には、下記のような「おうむ返し」です。

私は、中学校の卒業式の後だからもう30年前かな、そのまま青森から東京への夜行電車に乗って、東京に来たんです。
東京に着くと3月なのに雪が降っていて寒かったな…でもそのとき握っていた母の手のぬくもりだけは覚えているんです。温かかったな…

えー、30?年前?の中学校の卒業式のあと、えー、青森から東京への電車に乗って東京に来たんですね、えー、3月なのに雪が降っていて寒かったんですね。
あ、お母さんの手を握っていたことも覚えている。
一部の養成講習を修了したばかりの受験生に多いのが、こんな「おうむ返し」です。
残念ながら、こんなおうむ返しには、何の意味もありません。
それどころか「害悪」です。
ここでフォーカスすべきは、「母親の手のぬくもりの『感覚』であり『記憶』」なのですから。
「フォーカスする」とは「焦点を絞る」ということ。
つまり、その他の余計な言葉は横において、
「お母さんの手…温かかったんですね…」
と応答するのが、「フォーカス」した「伝え返し」です。
オウムのように、単語の羅列を意味なく繰り返し、そして肝心要のフォーカスすべき感情、想起をサポートすべき記憶・感覚(温かかった)を逃す。
これが、一部の養成講習修了生の9割が陥っている「間違ったおうむ返し」です。
これは、自分のためのおうむ返しですから、ラポールができることは「絶対に」ありません。
「おうむ返し」」でラポールができるのは、そのおうむ返しが「相手のため」だったときだけです。
(一応、「話を聴いてくれている」という安心感に基づくラポールもありますが、それはラポール構築としては初歩レベルです)
「記憶」と「次の質問」に必死で話が聴けていない。
そもそも、面接(試験・実務)で大事なのは「相手の話を記憶すること」ではありません。
これは、一般的なコミュニケーションでも同じですよね。
あなたが、配偶者、子ども、恋人、友人、同僚や部下…
こういった方々と話すときに、「記憶しよう」なんて意識していますか?
していないはずです(対上司は別かもですね笑)。
でも、それで良好なコミュニケーションができていますよね。
コミュニケーションに必要なのは、「相手の話を逐一記憶すること」ではありません。
「記憶すること」と「聴くこと」は、イコールではないのです。
そして、間違った「おうむ返し」をしている受験生の9割が「記憶」に必死であり、そして「次に何を質問するか」で頭がいっぱい。
だから「話を聴ける」はずがない。
もう一度言いますね。
「えー」「そのー」で話を引き延ばして、「おうむ返しで必死で記憶しよう」としながら、「次の質問を考える」。
だから「話が聴けない」、「聴けるはずがない」、それで「ラポールができるなど『ありえない』」。
そんな受験生の脳内は「自分のことでいっぱい」だから。
悩んでいる、迷っている、不安を抱えている、目の前のクライエント。
このクライエントを無視して、自分のことだけ、つまり「上手にやろう」「合格したい」で頭がいっぱいの受験生(支援者)。
あなたがクライエントだったとして、そんな支援者を信頼できますか?
ジェンドリンの「体験過程理論」による、「おうむ返し」の意味がない段階での「おうむ返し」になっている。
ジェンドリンは、ロジャーズとともに、カウンセリングが効果を発揮するための要因を研究した学者であり、フォーカシングや、体験過程理論を提唱しました。
彼の「体験過程理論」によれば、段階1~2までのおうむ返しは、クライエントにとって意味がないとされます。
この段階1~2は、そして時には段階3までは、多くの場合「面接の最初の15分」と言っても過言ではありません。
つまり、面接試験で言われる「最初の15分」、特にその中盤までに、クライエントの言葉をそのまま返すような「間違った」おうむ返し(≠バックトラッキング)は不要なのです。
※バックトラッキング技法は、ここでの「おうむ返し」とは区別してください。
おうむ返しだけでは、「展開」と評価されない。
また、協議会ではおうむ返しが「展開」に結びつくとは考えにくいので、展開の点数も伸び悩むことが考えられます。
「展開」とは、いわゆる「15分間、スムーズに話が流れた」ことを評価しているのではないと考えられるからです。
おうむ返しだけでは、「見立て」が立てられない。
では仮に、「パーフェクトなおうむ返し」ができたとしましょう。
面接試験時間は15分です。
パーフェクトなおうむ返しですから、実質あなたの持ち時間は7分半ということになります。
7分半。
協議会の面接試験は、最初に相談者(クライエント)が相談内容を話しますので、ここは「見立て」(キャリアコンサルタントとして考える相談者の本当の問題)には関係ありません。
そうなると、あなたの持ち時間は約6分。
6分。
わずか6分で、きちんと「見立て」が立てられるはずがありません。
逆に言えば、たった6分で見立てが立てられたとしたら、それはおそらく「決めつけ」「テンプレ」ですよね。
「決めつけ」や「テンプレ」に基づく「見立て」…
そんな「自己評価」(のうち「見立て」≒「キャリアコンサルタントとして考える相談者の問題」)が、Aと評価されることは難しいでしょう。
「見立て」が立てられなければ、当然「今後の支援」の評価が下がる。
そして、「見立て」に基づいて構成されるのが「今後の支援」です。
「見立て」がきちんと構築できていなければ、「今後の支援」も的外れになってしまうことは言うまでもありません。
つまり、おうむ返しをパーフェクトに行っても、「見立て」「今後の支援」が高評価になるとは考えにくいのです。
協議会受験生は、いますぐ無意味な「おうむ返し」を止めよう
ここまで「理論」と「実践」そして「根拠」に基づいて、『間違った』「おうむ返し」について熱弁してきました。
それは、無意味であり、ラポール構築及び合格にとって「逆効果」なんです。
あなたが「間違ったオウム返し」を使っているなら、そして協議会の面接試験を受験するなら、これでもまだ、「間違った」おうむ返しで無駄な15分を過ごし続けますか?
そうであれば、その関わり方は、「クライエントファースト」と言えるでしょうか?
キャリ魂塾の面接ロープレ講座で「キャリアコンサルティング」を学ぶ
どの養成講習団体の指導とも全く異質。
なのに合格率と受講生の満足度は群を抜く。
それはキャリ魂塾の面接指導が「キャリアコンサルタントの基本書」である、木村本に準拠し、「発達理論」や「トランジション(転機)理論」を駆使して行う、そして実践で磨かれた「プロ」の面接だから。
「テンプレ」のように、ひたすら「オウム返し」だけ。
そんな15分で試験官に「カウンセリングの進め方を体系的に理解」(キャリア・コンサルティング実施のために必要な能力体系)していると評価されるでしょうか?
「キャリアコンサルタント試験」は「オウム返し試験」ではありません。
「キャリアコンサルタント」として必要になる「本当の実力」を身に付けたい方のための、10時間耐久ロープレサーキット。※
※受講者が6名の場合、10時間となります。
それがキャリ魂塾の「国家資格キャリアコンサルタント面接ロールプレイ試験対策講座」です。